松竹梅の澪が売れてるらしいですね。居酒屋でお客さんが興味を示してるのも聞いたりします。スパークリング清酒には、一定のニーズがあると判断されたんですね、きっと。
日本酒ファンなら、活性モノ自体は最近は目新しいものでもなくて、季節の楽しみでございます。ところがこれは炭酸注入のスパークリング。そう言えば新澤醸造店さんでは、活性ものって出してなかったなと。本生のおりがらみで微発泡感はあれど、発泡を標榜はしてなかったなと。
そんな新澤醸造店さんの新作が、炭酸注入の発泡物となれば、それはなかなか興味深い一本です。
瓶は完全にシャンパンボトル。口はコルクじゃなくてポリキャップ。初めてみましたが、こんなのあるんですね。情緒はないけど、日本酒だからコルクの香りも良くないのかもしれませんね。どうなんだろ。
ちなみに抜栓は結構固かったです。コルクよりも、最初が固い印象かな。動き始めてからは同じ感じでしたけど。
グラスに注ぐと、かなりの発泡。しまった、写真撮ればよかった。
でも、香りはそれほど振りまかないのは、見た目とギャップがありますな。
口に含むと、メロン系の甘みがたっぷり。愛宕の松のランクが高いタイプと共通します。そりゃそうか。ただ、新澤醸造店さんが作るにしては、やや品がないくらい甘みが強い印象。甘み自体は美しくスマートなんですけど、舌の印象として甘さが主張するなって感じなのです。愛宕の松でもここまでわかりやすく甘さが先には来なかったと思うんだけど、炭酸がそうさせるのかもしれません。
その点を除けば、非常に完成度の高い甘口スパークリング。日本酒に感じるような米、麹由来の後味もスマートにまとめて、炭酸との相性も素晴らしい。喉越しの清涼感はさすがです。だからこそ、ここまで甘めに倒した理由は何なんだろうな。
あと、思ったより炭酸が弱い。開けた時はキリッとしてたのに、すぐに優しくなっちゃった。 そうすると、やや水っぽい感じと、炭酸が抜けた飲み物共通の後味の物足りなさを感じてしまいます。
それでも、やや水っぽいと感じるぎりぎりのバランスのおかげで楽しめる清涼感もあって、素晴らしいバランスだなと感心するのですよ。ちょっと水っぽい?いやでもちょっとでも重いと甘さがダレるかな?って感じの繰り返しで、要するにやっぱり完成度は非常に高いという感想になるのです。
やや低アルコールなところも、美しい甘さが主体なあたりも、日本酒を飲み慣れていない人や女性向けの商品なのかな。いや、違うか、おねーちゃんと飲むためにおっさんが買ってく酒なのかもしれんですね。
前述の通りやや炭酸の抜けが早いため、大人数で乾杯で飲み切るのがお奨めな気がします。甘さが主体だと、どうしても味の幅が狭いから、飲み続けても飽きちゃいますしね。
まぁ一番改善して欲しいのは、キャップを覆うラメラメが細かく剥がれて手にくっつくことなんですけどね(笑)
愛宕の松 スパークリング
株式会社新澤醸造店
精米歩合 55%
アルコール度数 13度