2013年11月5日火曜日

確蔵 僕らの想い 特別純米 24BY

壱岐焼酎のちんぐでお馴染みの重家酒造さんが醸す日本酒です。

壱岐は、以前は焼酎だけじゃなくて日本酒蔵もいくつもあったんだそうです。それが年々少なくなり、今では残るのは2蔵、しかも醸造はしていないということなのです。

重家酒造さんも平成2年までは日本酒を醸していましたが、杜氏の高齢化と共に日本酒から撤退して23年が過ぎたわけです。

そんな昨年、蔵元の次男である横山太三さんが、日本酒の復活を志して佐賀県のとある蔵に修行にでます。そこで醸した1本のタンクが、この確蔵 僕らの想いとなって2013本だけ発売となったわけです。

なんて話をネットで目にしておりまして、おぉそれは飲んでみたいなぁと思ってたまま、近場では目にすることなく忘れてました。
そしてたらたまにお邪魔する酒屋さんに残ってるじゃないですか。これは買えと言われてるとしか思えない出会いでして、めでたく購入した次第なのです。


冷蔵庫から出しての冷や冷やで開栓。

爽やかな日本酒の香り。かといってアルコールが立つわけでもなく、ほんのりと立ち上る。

口に含むとまずは綺麗な酸味。爽やかマスカット。舌の上でも綺麗で、雑味はないまま喉に落ちていく。後味はじんわりコメの旨みがわくけど、舌にはずっと酸味がじんわりと残り、口の中がいっぱいに満たされる。

含み香は軽く、酸味をまとってするっと抜ける。

全体の印象は、軽く爽やか。白ワイン?っとなっても不思議じゃないジューシーさがあるけど、ほんと米から出来てるとは思えない心地よい軽さ。

温度が上がると酸味のタイプがかわり、軽いヨーグルト。悪い意味じゃなくて、薄めのやつ。クリーミーですな。
舌で転がしても酸味自体が弱くなり、日本酒としてはバランスが良くなった。反面、軽い苦味も出て酸苦が奥深くもあり、ちょっと軽やかさが損なわれる。



4日目。
冷えのせいもあるけどややビターになった。酸味が苦味に変化した印象。
悪くはないけど、あの爽やかさは影を潜め、やや古めかしい風情になる。だれたとはまた違うんだけど、特徴が消えたといいますか。いや、この状態でも美味しいですよ。ただ、開栓したてがあまりに良かったので。

香りは妙に人工的な印象で、駄菓子の甘さといいますか、とは奥さんの言葉。納得。

砂肝コンフィ、合わない。いやー、喧嘩しますなぁ。海の物がいいかなー。



8日目。
ただただおとなしく綺麗。でもダレたわけじゃなくて、静かに落ち着いた。
良い意味でも悪い意味でも、後味は軽く、ほんのりとコメの苦味を残すだけ。
まだすこしアタックに爽やかさの名残が残ってて、それが全体をダレさせない。後味て締めるのではなく、始まりでキレを作るのはなかなか興味深い。

温度が上がると苦味とアルコール感が出てきて、せっかくの始まりが消えてちょっと悲しいことになる。

タラチリ、よくあう。と言うか、合わない日本酒は怒られますな。
ともあれ、魚介の旨みがキレイなするするの味わいに旨みを乗せて良い相性。魚介の旨みだと上手に交じり合ってくれます。

数日前に、久しぶりにちんぐを頂いてきました。白と黒の両方。
結構久しぶりだったのですが、改めて飲むとこの日本酒にも通じるいい軽さがあるなと実感します。後味を際立たせないから、しつこく味を感じないというか残さないというか、だから軽快に飲めるんんですね。単に軽いだけじゃない旨みは喉に落ちるまでにあるから、美味いと感じる時間に物足りなさもなく。なるほどなぁと感じいる次第でございます。



9日目。
よく冷えてると爽やか酸味はまだ持続してる。白ワインのような印象から日本酒に変化していく様が面白い。



10日目。
あぁ、味が消えた。旨みがスカスカになり、まだ不味くなったわけじゃないけど物足りなさ全開。
初めの酒質の印象から長時間持たないだろうなとは思ってましたが、1週間以上美味しく飲めたんだから、それ以上はまぁ贅沢というものです。



ということで、復活に向けた一歩を頂いたわけです。以前のこの蔵元の日本酒がどんな味なのかは知りませんが、今の蔵の指向は日本酒でも表現出来ているなぁと感じた次第です。

バックグランド抜きの純粋に味だけをみると、日本酒にしてはやや旨みが物足りないと感じる人も多いんじゃないかと思う味わいでした。でもアタックの果実味を帯びた爽やかは、それはそれでなかなか個性豊かで面白かったですね。

早飲みが向いてるタイプですから、四合瓶で出した方がいいんじゃないかとか。

今年も仕込むんでしょうかどうなんでしょうか。早く壱岐で醸せるようになるといいですねぇ。





ちなみに確蔵は初代のお名前。この名前の焼酎も売ってますが、重家酒造さんと言えばやっぱりちんぐですよね。


確蔵 僕らの想い 特別純米 24BY
重家酒造合名会社
精米歩合 山田錦 60%
酸度 1.7
アミノ酸度 1.8
日本酒度 +1
アルコール度数 15度


水戸市 地酒蔵きなせさんで購入。

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