2014年12月4日木曜日

武家屋敷 旬酒 26BY

最近妙にハマってる知覧醸造さんの季節もの、旬酒でございます。なんと白黒の二本立て。幸せな飲み比べでございます。

武家屋敷は知覧醸造さんの代表銘柄で、白麹が通常商品と認識しています。なので、まずは白麹から。


白麹。

まずはストレート。
香り高く、甘さが香りの中によく判る。
含むと、エッジのある舌触り。香ばしさは後ろの方。

5:5のお湯割り。
香りが丸くなり、味わいも香ばしさが前に来る。

ロック。
水割りというほどまで薄まらない、ロックで溶けかけたくらいが、味わいに芯が残ってて、でも膨らみも十分という感じでしょうか。お湯割りだと、ちょっとそれが行き過ぎて物足りなくなり、もったいないという感覚です。

ストレートで味見した時からロックがうまいだろーなーと思ってたけど、期待を上回る美味しさです。みっしりした香り、コブ系の旨味とその奥の甘み。芋より豆のようなさらりとした甘み。和菓子のような味わいとは奥さんの言。なるほど、納得。


黒麹。

こちらもストレートから。
香りは白に比べて控えめ。
ストレートでも一般的にお湯割りで感じるような香ばしさが強く出て、こちらも甘味は後ろの方。でも白麹は印象が全く異なるから面白い。味わいに共通点はあるんですけどね。

5:5のお湯割り。
いやー、香ばしさがドーピング。温まると、仄かなガス感も湧いてきて濃密さに一癖が足されたという感じでしょうか。味わいが複雑になった印象です。
そして、知覧醸造さんらしいほろ苦さはあるんだけど、新酒の香ばしさがそれを抑えて、というか絡み合って独特の余韻に。

ロック。
ちょっとポテッとなり、味の開きがいまいちの印象。美味しいんだけどこれが最適じゃないなって感じ。


両者を比べると、お湯割り同士だと差が縮まった感じで、それでもやっぱり黒麹のほうがふくよか。それぞれに良い飲み方があるなーというのが実感出来て面白い飲み比べになりました。

当然どちらも新焼酎らしい香ばしさがあり、その点は普段の味わいよりも突出する部分。それでも商品として美味しいなぁと感じられるまとまりの範囲内でして、これまでの出来たて焼酎を単純に出してるってことじゃないだろうなと妄想するのでした。





武家屋敷 旬酒 26BY
知覧醸造株式会社
アルコール度数 25度


鹿児島市 コセド酒店さんで購入。

2014年12月2日火曜日

外飲みメモ:龍宮・雪州・甑州・天文館@柏 やまんさん

都内で夕刻からなかなか残念なお店で飲んでまして、えぇ。心の底から満足したいと仕切りなおすとなれば、我が家はやまんさん一択。


そんな日にはちゃんとご褒美がありまして。

バクテー。
至福です。昨年は豚足のバクテーを頂きまして、なんじゃこりゃと感激しておりました。今年も寒くなったら食べられるかなーと思ってたら、思いがけず早々に頂くわけです。

昨年よりもやや濃い目になったスープは、この液体をアテに酒が飲める、汁で酒を飲むができる味でして、当然のように完飲。シナモンの効きがたまらんでございました。

肉はほろほろとろとろ、ちょっとしたアクセントの軟骨が食べてて楽しい。上品でありながら肉のワイルド感もありつつ、毎度ごちそうさまでございます。



他にもマグロのスペアリブとか。



白菜サラダとか鶏もも肉とか。そういえば、お通しで貰ったポテサラが、いつも美味しいけど今日のは格別に美味しかった。どんぶりいっぱい食えるなってやつでして、思い出しても頼まなかったのが悔やまれるですよ。


そんな満足な食べ物に合わせるのは龍宮を始めとする焼酎たちでして、本日は龍宮の炭酸割りを皮切りに、雪州御島裸のお湯割り、甑州のお湯割り、天文館のクラッシュアイス、龍宮のお湯割りと、今回も容赦なく美味しかったです。

甑州があまりに美味しくて周辺に薦めまくったり、お隣の紳士な方に初めての黒糖焼酎を薦めたりと、えぇ、やりたい放題飲んでおりました。酔っぱらい、すまぬであります。


やまん
千葉県柏市東上町2-3
04-7163-6602

2014年11月24日月曜日

若波 純米酒 25BY

日頃お世話になってる取手の中村酒店さんで、この度新規にお取引が始まったのが若波酒造さんです。

このところ雑誌等々で評価が高く、僕は昨年初めて試飲して、その後お店で一杯飲んでって程度しか知りませんでしたが、確かに美味しい良酒の印象はありました。じっくり飲むとどんなもんなのか、楽しみでございます。


冷蔵庫から出しての冷や冷やで開栓。

フラットで爽やかな乳酸と果実が混じったちょっと独特の香り。強くないけど輪郭がはっきりしています。奥さんに、これってなんの果実かねぇって聞いたら、バナナの白いとこの香りと。すっげー納得。青さと甘さが同居した、ちょっと他にない香りですな。

口に含むと、丸い舌触り。トロリとした印象も少し。含んだ瞬間はそんなやさしさが主体で、刺激は少ない。舌の上でほろ苦さと軽い甘み、フレッシュな酸味の味。酸自体が強いわけじゃなくて、味の中にあるという感じ。
喉越しもなめらかでとろっと落ちる。舌に苦味の余韻があり、米由来のコクが残る。

舌の上で転がして空気をまとわせると、青いバナナの香りが湧き上がる。よいですなー。

甘さ自体がしつこくなくて、後味の印象が独特で好みです。キリッとキレるというよりは、トロリと流れ落ちて、それがべたつかない感覚でしょうか。
華やかさもありつつ、それが味の主役ではなくて、味わいがあっても軽やかに流れていく感じは、「味の押し波 余韻の引き波」と謳うだけのことはあります。的確なコピーですな。

穏やかに飲み続けることもできて、食中にも良い存在感で、そして何より飽きがこない酒質は、多分我が家の定番酒になってくれる予感たっぷりです。
これは25BYなので、新酒が出たらフルラインナップを飲んでみたいものでございます。



若波 純米酒 25BY
若波酒造合名会社
精米歩合 65%
アルコール度数 16度


取手市 中村酒店さんで購入。

2014年11月22日土曜日

久礼 純米吟醸 無濾過生原酒 槽口直詰 25BY、米違いを味わう

新酒で飲み、一夏寝かせても飲んだ久礼の純米吟醸。実は秋にも発売されております。なんですが、お米が違うんですね。先の2つは吟の夢。これは松山三井なのです。

吟の夢の2本:
久礼 純米吟醸 無濾過生原酒 槽口直詰 25BY
久礼 純米吟醸 無濾過生原酒 槽口直詰 25BY、一夏を越えて


個人的に、松山三井というお米は大好きなので、これはこれで蔵元から夏越えのこのシリーズが発売されるのはとても嬉しいのです。いつもは新酒の頃のお酒って印象ですから。


冷蔵庫から出しての冷や冷やで開栓。

蜜系のピチピチした香り。印象は、先の吟の夢と似ています。

口に含むと、シュワッと発砲感。舌にぴりりと。まだまだフレッシュという印象がある舌触り。
その後すぐにジュワッと旨みが広がり、軽い苦味とともにさっと消える。ジーンと発泡感の余韻が口に残る。

酸がやや主張し、リンゴかなー。苦味がちょっとやんちゃだけど、心地よく切れていくらでも杯が進みます。


ホルモンと。
油を流す。力強い。

蒸しガキ。
美味いんだけど、なんかちょっとのぶつかる感じがもったいない。苦味の部分かなー。


吟の夢と比較して、やや大人しく、でもフレッシュ感は勝るという感想でした。

でも、面白いことに、全体的な印象は、両者はよく似ています。吟の夢と松山三井、お米としては系統は全く違いますから、これはもう蔵の個性ということなんですね。

結果、キレよくスタイリッシュに仕上がるのは松山三井の方でしょうか。つまり、この蔵の個性を鑑みると、甘みが強くでるリッチな味の酒米だとボリュームがありすぎるのかもしれません。バランス良く、そして軽快に仕上げるには、松山三井はいいお米だなぁと思うのでした。



久礼 純米吟醸 無濾過生原酒 槽口直詰 25BY
有限会社西岡酒造店
精米歩合 松山三井 50%
酸度 非公開
日本酒度 +5
アルコール度数 18度


取手市 中村酒店さんで購入。

2014年11月20日木曜日

久礼 純米吟醸 無濾過生原酒 槽口直詰 25BY、一夏を越えて

今年の1月に新酒で飲んでる久礼の純米吟醸、こっそり一本だけ手元で熟成させてみました。まぁ手元と言っても酒屋さんの冷蔵庫なんですが。

新酒の記事:
久礼 純米吟醸 無濾過生原酒 槽口直詰 25BY


というのも、新酒を飲んだ当時、ちょっと蔵元に聞きたいことがあって、不躾ながらメールをしたんですね。そしたら丁寧なお返事を頂戴しまして、まぁ聞きたかったことは内緒なんですが、その時に純米吟醸は夏を越すと更に旨味が乗って美味しいよってお話も聞きまして、それなら一本やっときますか、ということなのです。


やや冷たい程度の常温に近い状態で開栓。

濃密な立ち香、まさに艷やかという言葉が似合う、香りが見えるかのような存在感。濃いりんごを想起する香りです。

口に含むと、じゅわじゅわと濃密なコクが広がる。甘み、辛味、酸味、全てのバランスよく、そしてすべてが濃密。いやー、すごく美味しい。
久礼は数年前に出会った時にも、とにかくバランスが良くて完成度が高いって印象だったのですが、今回はそれを思い出しつつ、更に一歩深みが増した、美味さを押し進めたという感じでしょうか。感動。


もう少し冷やしてみる。

後味がややスッキリして、完成度が高くなる。常温に近くても美味しいけど、少し冷たいほうが濃密さに対して味が締まる感じでしょうか。密度が高くなった印象です。

香りはりんごだけど、味はもう少し違った果実感。甘みの奥にあるジューシーなのは何だろうなぁ。ゆずかな?ゆずに近いんだ。

味の深みは亀齢とかの濃密さにも通じる感じもありつつ、酸のタイプが違うとは奥さんの言。


とにかく、バランスを保ったまま、ぎゅっと濃密になった味は、一夏を越す意味を如実に感じさせてくれます。えぇもう、感動の味でございました。



久礼 純米吟醸 無濾過生原酒 槽口直詰 25BY
有限会社西岡酒造店
精米歩合 吟の夢 50%
酸度 非公開
日本酒度 +5
アルコール度数 17度


取手市 中村酒店さんで購入。

2014年11月18日火曜日

梵 純米吟醸 ときしらず 長期氷温熟成 特別熟成酒

お初にお目にかかります、梵。

いや、名前も姿も見たことはあったのですが、なぜかずっと未飲だったんですよね。それがたまたま友人が遊びに来た時の手土産に持ってきてくれまして、頂いたわけなのです。


えぇ、もう2ヶ月以上前の話でして、けっこううろ覚え。


香りはまったりとそれほど華やがないけど、吟醸香と熟成香が合わさったしっとりとした印象。

口に含むと思ったほど熟成感はなくて、みずみずしさとコクが同居した風情。梵自体がそれなりにしっかりした味わいと聞いていたので、その意味では意外なほどに爽やかとも言えます。

温度が上がると熟成感がじわじわと出てきて、それに伴って米のコクも強く感じるように。どちらかというと、冷えすぎないほうが真価を発揮しますな。多分ぬる燗とかも美味しそう。


スペアリブ。
実は夏の終わりのBBQのお供だったのですが、肉に負けない酒質です。味自体は脂の乗った魚とかのほうが相性が良さそうな気もしますが、肉の脂でも大丈夫って感じでしょうか。流すというよりは溶かすといった合い方でした。



梵 純米吟醸 ときしらず 長期氷温熟成 特別熟成酒
合資会社加藤吉平商店
精米歩合 55%
アルコール度数 15度以上16度未満

2014年11月16日日曜日

醸し人九平次 純米吟醸 rue Gauche 2013

土佐しらぎくと一緒にもう一本の戴き物、九平次でございます。

リュ・ゴーシュってなんやねんと思って調べると、裏書きにある通り、左へ曲がる角のこと。なるほど、左党でございますな。

九平次も久しぶりだなー。十数年前からずっと飲んできてたのに、ここ数年ご無沙汰になっております。以前は近場で購入出来たのだけど、今ではすっかり人気のレア物となっちゃいましたし。

まぁ美味しくて大好きな銘柄だけど、九平次じゃなきゃダメって感じがないものまた事実。優等生ってそんな扱いになるのが天邪鬼な我が家でございます。


ともあれ、冷蔵庫から出しての冷や冷やで開栓。

軽くガス感のある立ち香。ラムネだなー。

口に含むと、まずピチピチ感が軽く刺激する。そんな刺激はすぅっと消えて、酸味でコーティングされた豊かな甘みが舌の上で広がります。後から味が弾ける感じがそう思わせるのかな。

質感は滑らかで艷やか。さすが50%まで磨いてあるだけのことはあります。あぁ美しい。

そして、受ける印象、佇まいがワインっぽい。低アルコールのせいもあってか、日本酒の味なのに日本酒らしくない。物足りなさはないけど、後味が果実感のある香りな上、早く余韻が収束するから、コシがないようにも感じる。それがマイナス点にならないから、全体としてバランスよく仕上がってるなという印象でした。

低アルコールの日本酒って最近よく見るようになってきましたが、これという落とし所がよくわからないままだったんですよ。そんな中で、この九平次はひとつの形として完成されているなと。ワインと同じような度数にして、それでいて日本酒の味を出すことで華やぎすぎず、軽くなり過ぎないというところを目指したのかな?と妄想します。長年独自に海外展開している蔵ならではの回答といった印象でした。うん、美味しい。




醸し人九平次 純米吟醸 rue Gauche 2013
株式会社萬乗醸造
精米歩合 山田錦 50%
アルコール度数 13度

2014年11月14日金曜日

土佐しらぎく 美潮 純米吟醸 雄町 2014

いくつになっても誕生日のプレゼントは嬉しいわけでして、それがまた美味い日本酒だったりした日には、えぇもうありがたやーって話でして。

土佐しらぎく、ずいぶん昔にお店で飲んだ経験はありますけど、瓶で飲むのは初めてです。なのでそもそもスタンダードを知らないのですが、今回のは美潮というちょっと別ブランド的な一本。楽しみです。


冷蔵庫から出しての冷や冷やで開栓。

パンみたいな香り。酵母の香りと言いましょうか。この温度でもキレイに立ち上がっています。分かりやすい吟醸香よりは控え目かつみずみずしい印象でもあります。

口に含むと、アタックから最後まで、引っかかるところなくするっと入る。後味に含み香に熟したようなカラメル感があり、それが遅れて後から主張する。

舌の上で転がすと、軽い酸味と甘みが。心地よいバランスで、最近の日本酒の傾向を抑えた味わいと言えるのでしょうか。雄町っぽいパンチはあんまり判らず、むしろ爽やかさ寄りの味わい。なんか飲んだことある味に近いなーって考えてて、なんとなく相模灘に近い印象なのかな。しっかりした味があってもスッキリキレイで、甘すぎずくどすぎずといった感じ。


生しらす。
心地よく流してくれますけど、それほどベストマッチでもないかな。でも肉より魚かなーって印象は間違ってない気がします。

鯛のホイル蒸し。
良いですな。ほろりとした身に染み入ると、魚の甘みと米の甘みが合致する感じ。それを流す軽い酸味は、地味な食中酒じゃなくて派手な食中酒って言えるのかもしれません。


温度が上がってきても甘さはだれず、やや苦味を含む後味の厚みが増して充実感が強くなります。食中に良し、だらだら飲むにも良しと、非常にバランスが良い一本でした。

強いて不満を上げるなら、王道とうか良い子過ぎて、どの部分をピックアップして人に薦めたら良いか難しいですな。




土佐しらぎく 美潮 純米吟醸 雄町 2014
有限会社仙頭酒造場
精米歩合 雄町 50%
アルコール度数 15度以上16度未満

2014年11月12日水曜日

外飲みメモ:新政・三岳@つくばみらい やきとりバンクさん

このところ、近場で美味しい焼き鳥に出会えなくて悲しんでおりましたが、そんな僕を慰めてくれるお店がありました。みらい平駅から徒歩3分、やきとりバンクさんです。


なんせこの日は僕の誕生日でして、鶏肉祭りとならざるを得ないわけですよ、えぇ。


お通しは二種。魚の甘露煮的なものが激ウマで、あぁこのお店はあたりだったと確信です。



焼き鳥屋さんだけど、魚も美味しいと聞いてまして、この日のおすすめで盛ってもらいました。
確かに評判になるのもよく分かる美味しさでして、その上、見ての通り盛りが良い。このケチらない感じは田舎住みの特権かもしれません。



本題の焼き鳥。まずは5種類お任せで。

砂肝、かしら、ぼんじり、スタミナ(にんにく)を塩で。
大ぶりの肉は外パリ中ジュワ。良い焼き鳥屋さんのポイントが肉の大きさってのが持論なのですが、もうホント久しぶりにこのサイズを美味しく焼いてくれるお店に出会えました。

(゚д゚)ウマー

肉の大きさに対して塩気が調度よくて、鶏肉の味がぐいっと出てくる塩梅ってやつです。絶妙に火が入った焼き加減は、プロの業に感服でございます。

いやまぁ当たり前やんって話なんですが、小さめの肉の焼き鳥は焼くのが簡単なんですよね。それが大きくなればなるほど、焼きすぎず、しっかり火を通す見極めが比例して難しくなるわけでして、えぇ、そんな実体験からの感想なのです。



ねぎまはタレ。
タレは甘さが控えめでさらっとしつつ、香りが高い一品。お酒のツマミにはタレよりも塩のほうが合いやすいと思ってますが、こういうタイプのタレだとむしろ酒が進みます。



他にもせせりとか。



皮とか。



つくねとか。



やげんとか。



鶏以外のものもガツガツと。

レタスと肉味噌。
この肉味噌がまた美味しくて、肉の合間の野菜っていうよりも、肉味噌食べたくて野菜食べるって感覚なのです。



唐揚げ。
これまた一切れがきちんと大きい。そしてまたプリっとした食感がたまりません。鹿児島空港の近く、食楽々さんの激ウマ唐揚げを思い出しました。



定番の煮込みたち。

もつ煮込みは、もつの味が臭くないのに濃くて、めっさ好みです。

実は最近、浅草で煮込みなお店をハシゴしたことがあったのですが、1軒目は空いてるお店に行ってみたんですよね。そしたらまぁ、夢に出るほどまずい料理たちで、特に衝撃的やったのは煮込みの不味さなのです。
で、混んでる2軒目に行ったら、そこがまぁまた美味しくて、いやー客足って大事やねーなんて思ってたわけですよ。

酒場放浪記なんかで居酒屋の看板メニューが煮込みですなんてのを見ると、正直なんやねんとか思うんですよ。酒場の煮込みはうまくて当たり前やし、そもそも大抵のお店で出してるやん。それを看板って言うなやとかとか。
でもまぁ、あんなに不味い煮込みが存在するんだから、うちのは美味しいって言いたくなるってのもようやく理解出来たわけでして、まぁ要するに、ここの煮込みはほどほど程度のイチオシ具合でメニューに載ってますが、もっとアピールしたらいいのにってくらい美味しかったって話なのです。



こっちは牛スジ。
味にはなんの不満もないのですが、スジよりもちゃんとした肉が多い内容は、実はスジ肉好きにはちょっと残念だったりします。ただの贅沢ですな。



なんだか食べ物の話ばっかり書いてますが、こちらのお店は日本酒も焼酎もなかなかの銘柄揃い。どこのお店で仕入れいているのかは飲兵衛なら一目でして、なるほどな内容のお酒が飲めるのです。

スタートは新政のNo6。最近は人気っぷりに拍車がかかっておりますが、久しぶりに飲んだら納得の出来栄え。青りんご系の軽い酸が美しく、それが適度な華やぎとなって舌も鼻も満足。でも飲み飽きしない味わいです。クオリティ高いなぁ。

焼酎もいろいろ、ボトルもいろいろ。
最近は日本酒だと量を飲めないので焼酎に移行。三岳の5合瓶が2500円でボトル。適正ですなー。ということで、お湯割りでぐびぐび。


聞けば、もう長いこと別の場所で営業されてて、それからこちらに移転されたんだとか。昔からのファンの方も多く、愛され具合がよく分かるお店でした。我が家もこれからお世話になるですよ。


やきとりバンク
茨城県つくばみらい市陽光台1-252-1
0297-58-9036

2014年11月10日月曜日

外飲みメモ:龍宮・錫釜・萬年・屋久の石楠花・日南娘@柏 やまんさん

とあるゲストとご一緒して、やまんさんで焼酎三昧でございます。


屋久の石楠花。
コセド酒店さんのPB。他のお店でも買えるらしいんですが、まぁでも関東では目にしない銘柄。優しく柔らかで、非常に整った印象の良酒。



日南娘。
宮崎焼酎は門外漢なのでお勉強。
宮崎では、地元酒は20度を割って飲むのが一般的なんだそうですね。そのせいもあるのか、宮崎の芋焼酎って線の細い美しい印象が強いのです。ということでこれもロックで。
引っかかりがなく、するすると。お湯なら濃い目でぬる目、もしくは水割りでぐびっと飲むのが良い印象。



萬年大古酒。
蔵の100周年を記念して出荷された33年もの。
これがまたびっくりの、美しい芋の香り。寝かせた感じが薄く、後味に香る程度で、かと言って新酒のような感じでもなく、エイジングの不思議さを体感です。これってどうやって寝かせてたんだろう。芋の香りがしっかりというか爽やかな印象で残っていて、一般的な古酒のイメージとは全く違ってて面白いですなぁ。

ちなみに、50年、100年のタイミングでも出荷する予定なんだとか。50年ものは飲めるかもしれませんが、100年ものは無理ですなー。





他にも寒くなってきたら龍宮はお湯割りで。何杯のんでも飽きないから困る。

錫釜は薄濁しか飲んだことなかったのでこれもお湯で。思ったよりも特徴がでなくて、ロックの方が良かったのか、濁りのインパクトがありすぎたのか。


料理もお任せで。

お通しの酢卵。毎度すっごく美味い。



カルパッチョ。
えぇ、写真を撮るのを忘れてがっつくからこんな惨状。ほんとこのタレは売ってくれないからって毎回書いてる気がします。



今日はグリルではなくて唐揚げ。
独特の捌き方でからりと揚げれば、骨まで美味しい絶品に。これはグルクンの揚げ方なんだそうで、霧島酒造さんのページに載ってると教えてもらいました。これはぜひ家でもやらねばですな。



カラアゲー。
数日前が僕の誕生日でしたから、当然のこと( ー`дー´)キリッ



締めは常陸牛の握り。
11/16のイベントで出品予定の一品。行けない人たちばっかりだったから、超嬉しい。超うまい。



まぁ他にもサラダとかもずく天ぷらとか、えぇ、写真を撮る前にがっついてしまったお皿も多々ありまして、ほんと落ち着け俺って話なのです。

毎度のことですが、だらだら延々飲み続けて、ごちそうさまなのでありました。


やまん
千葉県柏市東上町2-3
04-7163-6602

2014年11月4日火曜日

外飲みメモ:Strong・Ginger@浅草 Campion Aleさん

連れ立ってカンピオンエールさん。

ビールって、人数が増えれば増えるほど美味しくなる気がしますが、あ、そんなに友達いなかったわ、ひきこもりやし。


ハロウィン最中のカンピオンエールさんは4種類。

その中でも飲んでなかった2種を。

左がStrong、右がGinger。



Strong。
その名の通り、アルコール度数が6%超えの、ここのビールにしては高めの数値。
とは言っても香ばしさとほんのりの苦味は舌にまったりで、いつもと変わらずまったりと飲み進みます。
味は最初に酸味のような一癖、その後はしっとり香ばしさ。度数が少々高くても、炭酸感が薄いと爽快感的な方向にはならず、味わいの王道感からはある意味優等生的な印象の薄さにもつながります。ちょっと特徴を掴みきれなかった。1パイント飲んでるのに。


Ginger。
アタックに結構しっかり生姜感。やり過ぎじゃね?って思ったのですが、二口目以降はそこまで感じないから、びっくりしたんでしょう、単に。
生姜感は甘みを足すような印象で香り、全体的に薄めのスタイルは、アイリッシュビールじゃないみたいな軽快さ。

軽快って言っておきながら、生姜はやっぱり秋から冬の印象です。夏場だって薬味にさんざん使うのですが、生姜湯とかのせいですかね。

お店の方と話してて、やっぱり夏は出ないかなって思って、秋になってそろそろかなと。

ちなみにこういうフレーバーって何時どういう感じで足すのかなと思って聞いたら、生姜の場合は最後に5分位だけ、付き過ぎないようにって感じとのこと。なるほど、出過ぎるとしっかりとした生姜フレーバーになって、そうなるとこういう軽さにはならなくなっちゃうのかな。エグミみたいなのって、ホップの苦味とぶつかりそうですし。


BitterもPorterも飲んで、至極満足。2パイント飲んでるのに、お腹がタポタポって感じにならないのが不思議です。のんびり飲めばそんなもんなのでしょうか。


Campion Ale
東京都台東区西浅草2-2-2
03-6231-6554

2014年11月2日日曜日

本格焼酎と泡盛の日、2014

11/1は本格焼酎と泡盛の日でして、ぐびっと飲んどかにゃいけんというわけです。



本日はお湯割りデー。

大和桜を飲もうと思ったら、スタンダードが切れたままになってて叶わず。しまった、何たる失態。

八千代伝の熟柿の23BYもの。あ、写ってなかった。(゚д゚)ウマー

天下一。やっぱり(゚д゚)ウマー。

龍宮。もちろん(゚д゚)ウマー。

長雲一番橋。とろけて(゚д゚)ウマー。

芋焼酎の仕込みは今が最盛期ですかね。今年も美味しい焼酎をおねがいいたしまする。

2014年10月29日水曜日

山間・越の白鳥を楽しむ会@取手市 中村酒店

久しぶりの中村酒店さんの酒の会は、巷で人気の山間と越の白鳥を飲み比べる企画でした。

はじめは5種類をブラインドで比較。種明かしをすると、同じタンクの詰め方違いが4本と、全く同じスペックの仕込み違いが1本。お酒の味の違いを楽しむまたとない機会なのでした。

出品酒は以下の通り。
  1. 山間 特別純米11号 かめ口直詰め無濾過生原酒 
  2. 山間 特別純米 11号 かめ口瓶燗
  3. 山間 特別純米 7号 かめ口直詰め無濾過生原酒
  4. 越の白鳥 特別純米 11号 無濾過原酒
  5. 山間 特別純米 にごり酒11号
1番のお酒を基準として、2-5と比較していく方式。

1-2の違いは熟成&瓶燗火入れ、1-3は同スペックの仕込み違い、1-4は中取りの山間(生)か荒責の越の白鳥(火入れ)か、1-5は別取りするにごり。



詳細な分析はお店のページにあります。
山間・越の白鳥の呑み比べを楽しむ会


個人的な感想は、火入れによる穏やかさがしっとりじっとりと美味しかったBがイチオシでした。まぁ山間は本質的にウマすぎるんですよ。ちょっとくらい穏やかになった方が、食中には向いてるなと。

Aなんかは、ロックで飲んでも美味いかも。


なかなかこういう比較は個人ではできませんから、お店でやってくれるのがとても嬉しいのであります。


取手の地酒や 中村酒店
茨城県取手市戸頭3-33-13

2014年10月17日金曜日

外飲みメモ:IPA@浅草 Campion Aleさん

すっかり書くのを忘れてましたが、浅草のカンピオンエールさんでIPAがリリースされたので、その直後に飲んできました。所要で浅草に出たのでちょっと寄ってみたら、新たに出てたって偶然なんですけど。

IPA、よく見る字面ですけど、Iがなんの略なのかを知らない程度の酒飲みです。聞けば、India Pale Aleとのこと。その昔、アジア方面へ行く船乗りのための腐らない飲み物として、ホップを多めに醸造されたビールが始まり。なのでインディア。最近のクラフトビール界隈では人気のタイプなんだそうです。今ではその頃の製法だったりスタイルからは変わってきてて、醸造家により結構違いがあるそうですが、でもまぁ基本は苦味増量って意味合いなんだとか。

カンピオンエールさんのレシピだと、ゴールデンの倍程度のホップ、一般的な日本の大手メーカーのビールの数倍という量なんだとか。へー。


ということでぐびっと。

ほう、確かに比べると苦味がやや強い。苦味というよりも、全体的に味が強い印象。度数もやや強いとのこと。とは言ってもそれはBitterやGOLDENと比べるとって程度で、想像ほど苦くなく、Bitterで感じるトロピカル感は少し減って、柔らかな甘みと香り。

印象的なのは爽やかな酸味。苦味と合わせて印象をドライに倒す感じでしょうか。
(日本人的には、ビールのドライってアサヒスパードライのイメージがありますが、無論そんなことを言いたいわけじゃないんですけどどうしたもんかw)


一緒に飲んでたスコティッシュと比較すると、この酸味はやっぱり爽やか。癖は少なく、初心者向けの美味しさだなぁ。柑橘系の風情に終止します。


味の強さはツマミいらずでして、ワンパイントをだらだらと飲み続けるのに大変よろしい味でした。もともとペールエールは好きなので、そのもう一段階濃ゆいってのはストライクにも程がありましたよ、えぇ。




後日、BitterとIPAを並べて飲むの巻。

左がBitter、右がIPA。こうやって並べると、色の違いがよくわかります。ちなみにBitterはほぼ終了っぽいので、並べて飲めるのは今回は1ヶ月もなかったようです。



もうちょっと飲みたくて、ハーフでGOLDEN。

カンピオンエールさんではポイントカードがありまして、どのサイズを飲んでも1ポイント。8杯毎にビールが貰えるというかなり太っ腹なシステム。しかもサイズが増えていくように見えるけど、どういう制度なんだろう。

ということで、好みだったGOLDENをぐびり。



そういえば、初めて2階に上がりました。これまたまったりな空間。窓際を陣取れば、ほんのり聞こえる下町の喧騒。ブリティッシュな音楽と合わさって、妙にしっくり、居心地がいい。

思わず資料を広げてだらだらと仕事なんぞを始めたりしつつ、いやー幸せ。




その後、すっごい訛りと声のボリュームの(多分)オーストラリア人が中心の集団が来て騒ぎ始めて、えぇ風情も何もあったもんじゃなかったのですが。
(訛りは関係ないだろ、茨城人)


アジア圏なお店に行って店内がうるさいとかいうのは、野暮というか、まぁそういうものって諦めが肝心なのですが、アイリッシュパブとかってどの程度までの騒がしさが許容されるんですかね。

僕の持論で、バカはお店で声がでかいってのがあるのですが、酔っ払って声がでかいのはバカになるからってことでして、まぁそれはしょうがないというか事実バカですし。いや、あいつら入ってきた時から声がでかかったな。

まぁバカだなぁと思われない程度の姿勢は崩したくないなと思った宵の口なのでした。


Campion Ale
東京都台東区西浅草2-2-2
03-6231-6554

2014年10月15日水曜日

ケンムン龍宮 15度

昨年の夏の龍宮ニュースと言えば美山錦だったのですが、今年の夏のニュースはケンムンなのです。

黒糖焼酎の日に柏のやまんさんで飲んでますが、瓶で我が家にやってきてくれました。

龍宮は決まったお店で買ってないので、いつも買うお店のどれかに行けば売ってるかなと思ってたまま3ヶ月が経過。えぇ、出会えない時はそんなもんです。まぁ中身は蔵和水ですから知ってますし、そもそもやまんさんで飲んだし、でもなーラベル欲しいんよなー。

なんて思ったり忘れたりしてたら、ふっと出会えたのです。おいでませ。


ロック。
たっぷりの氷にダボダボっと並々と注ぐ。氷が溶けすぎて薄まらないうちに、グビリと。感覚的にはワインよりももう一弾低いアルコール度数って感じでしょうか。濃密でも軽やかで、気づくと空いちゃいます。

龍宮は何と飲んでも美味しいのですが、これくらいのキレだとやはり油物との相性が素晴らしい。熱々の揚げ物をぐびっと流せば、ビールいらずの夏の日でございます。


ストレート。
冷蔵庫でキンキンに冷やして、そのままぐびっと。
15度って日本酒程度なんですが、以前蔵和水を飲んでた時は度数を低く感じる記憶。でも今回は相応の感じで、キレの良さはアルコール感にも影響しているんだなぁと。味自体は、ロックの時よりも黒糖の香りが強く、小さめのグラスでクピって飲むのがよろしいようで。


蔵和水は身近に買えるお店がないからめったに買いませんが、たまに飲むと家で前割するのとはまた違った美味しさでして、実は常備したい味なのです。それがケンムン印でちょっと爽やかさがましてて、いやもう夏の名残に最適なのでした。






龍宮 妖怪ケンムン 15度
有限会社富田酒造場
アルコール度数 15度


松戸 日暮酒店さんで購入。

2014年9月25日木曜日

相模灘 純米大吟醸 美山錦 25BY

高級酒シリーズ第二弾は、相模灘の純米大吟醸です。

もう随分前のことになりますが、中村酒店さんで開催された相模灘の会がありまして、そのときに蔵元が持ってきてくれたのが相模灘の純米大吟醸でした。隔年でしか発売されず、まだそれほど量を仕込んでない頃のこと。まぁ今どれくらい仕込んでるのか知りませんけど。

その時は利き酒程度を頂いただけですが、今回はぐびっと一升瓶でございます。


冷蔵庫から出しての冷や冷やで開栓。

香りは優しく、ほんのりと。それも冷えが収まったくらいにようやく立ち昇るか細い印象。そう言えば美山錦ってあまり香る印象がありませんけどどうなんでしょうか。そもそも、美山錦の大吟醸って見たこと無いなぁ。でも相模灘は美山錦が一番美味しい蔵だし、安易に山田錦に流れなくて好印象(笑)

口に含むと普段の相模灘より数段濃厚な甘み。舌の上でわずかに米の香りが爆ぜて、感じ方によっては苦くもあり、単純な綺麗さに終始しない。喉に落とすとくわっと鼻に甘み主体の香り。吟醸香はあるけどしつこくなくて、主体はお米の味と香りという印象。

純米大吟醸の凄みよりも、相模灘の食中酒としての愛され方の方が強く出ている一本でして、甘みだけがやや気になるものの、料理に合わせやすい味でした。

その意味では、美味しくもやや立ち位置がもったいない印象もあり、もっと大きく振れてもいいんじゃないかって気もしますけど。まぁ日頃こういうクラスを飲み慣れてない人種が何を言っても説得力はありませんが。

ともあれ、鑑評会に出てくるような味とは一線を画した美味しさがそこにあったのでした。




相模灘 純米大吟醸 美山錦 25BY
久保田酒造株式会社
精米歩合 美山錦 不明
アルコール度数 16度

2014年9月21日日曜日

鳳凰美田 大吟醸原酒 別誂至高 雫絞斗瓶取り 25BY

めったに書かない高級酒のお話。今回は鳳凰美田の中でも究極の一本、別誂至高でございます。

このお酒は、昨年開催された中村酒店さんの試飲会で初めて飲んで、いやまぁこれは素晴らしいと感服した記憶なのです。今回は改めてグビリと飲める幸せ、至福でございます。

試飲会の記事:
大吟醸立ち飲み試飲会@取手市 中村酒店


冷蔵庫から出しての冷や冷やで開栓。

立ち香はいつもの鳳凰美田よりも優しく勢いは柔らか。でも一嗅ぎで判る美田香。吟醸香がもう一段凄みを増したかのような濃厚さ。

口に含むとトロリとした食感があり、ジュワッと甘みが広がる。和三盆のイメージがぴったりな、儚げな甘みがタップリと。

そのまま何一つ引っかかりがなく喉まで通過して、最後にフワッともう一度香って喉を通り抜ける。

余韻は意外と長くなくて、心地よく消えていく。この辺りのスマートさはアル添による調整なのかな。美しい余韻なのです。


ほんと、至高の名に相応しい佇まい。いわゆる高級日本酒の部類の中でも、完全に頭ひとつ抜け出てる素晴らしさでございます。

毎日飲みたいお酒とは全く違う、しみじみとこの味を楽しむためのお酒としては、真っ先にこの一本が浮かぶようになってしまうのでした。





鳳凰美田 大吟醸原酒 別誂至高 雫絞斗瓶取り 25BY
小林酒造株式会社
精米歩合 山田錦 35%
アルコール度数 17度以上18度未満