えぇ、我が家で喜久醉といえば特別本醸造のことなのですが、先日蔵にお邪魔したときに並べて試飲させてもらったら、あら不思議、喜久醉にしてはちょっともっさりイメージのあった純米が軽やかじゃないですか。特本から辛さを抜いたと言いますか、その分ちょっとグラマラスな味でして、記憶っていい加減やなぁと思った次第なのです。
ということで、改めてちゃんと飲まなきゃってことで一升瓶でございます。
うん、所謂純米酒でイメージする感じはほとんどなくて、ただただひたすらに美しい。純米酒ってどうしてもお米の味が強く出る傾向ですから、下手な純米酒だとぼんやりするんですよね。
そんな感じは皆無でして、端正で整った、辛くないけどエッジの立った、磨かれた鏡のような印象なのです。
ほんのり吟醸香が香りますけど主張は強くない。だから飲み飽きしないどころか癖になる。先日伺ったときに聞いた話では、甘さはドライに倒してるってことでしたので、以前よりも好みに合致したということなのかもしれません。
そんなこんなで、ドライさと香りのバランスがよくて、全体的な印象は以前よりも華やかな気がします。だけど、華やいだけど、飲みくちはスマートさを増して美しく軽やかなんですよね。吟醸香の部分だけ置いておけば、多分そこら辺の大吟醸クラスに負けないどころか遥か上を行くクオリティなんですよ、えぇ。
せっかく久しぶりにちゃんと飲みますから、今回は酒器というか口当たりの違いを確認します。
一般的な利き猪口と、うすはりグラスを用意。
圧倒的にうすはりグラスが美味い。うすはりグラスに比べれば丸みのある利き猪口のエッジ部分は、味を柔らかくする印象です。それがせっかくの端正な佇まいを崩すんですね。あまりの明確さにビックリなのです。
この酒器の特徴を浮き彫りにする感じって、ドナルド・フェイゲンのThe Nightflyが音質チェックの定番とか言われるみたいに、一つの基準点のようなお酒だなぁとしみじみ感動なのです。
青島酒造株式会社
精米歩合 60%
アルコール度数 15度以上16度未満
取手市 中村酒店さんで購入。
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