2013年2月4日月曜日

裏ろまん 一火 24BY

先日飲んですごく美味しかった花泉の蔵元さんのブランド、ロ万。最近ちょくちょく見て知ってましたが未飲でした。ということで飲んでみます。

しかし初回が裏ってのはどうなんでしょうかね。表も知らないのに。

お店で伺って知ったのですが、吟醸以上をロ万シリーズにしてるんですね。とは言え、これって何なんだろう…スペックがないし。


ともあれ飲んでみます。玄関放置の冷や冷やから。

香りはおだやか。吟醸香もさほど感じない。

口当たり、驚くほどなめらか。やさしい。アタックがない。ちょっとアルコール感のあるものの、サラリとしつつもしっかりとした甘み。リンゴ系?もうちょっと甘いかな?官能的というか。あぁあれだ、洋なしのかおりだ。

うーん、美味しいんだけど、いまいちはっきりしない。ぼやけるなぁ。花泉の印象を引きずってるからかなぁ。ちょっと温度が高かったのかな?もう少しきっちり冷やし直す。

甘みが消えて酸味がうっすらと、苦味が出てくる。アルコール感も増したかも。中途半端な温度がわるいのかな。もう少し冷やそう。

きっちり冷やしきってみる。でも苦味がやな感じ。後味に残るなぁ。結果的に冷やしたのは失敗で、程々温度を上げていかなきゃいけなかったということかな。

こんな時はエアレーターの出番かな?ということで、エアレーションしてみる。後味の苦味が旨味になる。開けたてじゃなくて、空気に触れさせないとダメなのか。花泉も二日目のほうが落ち着いてよかったし、この蔵はそういう特性なのかも。

苦味が消えた分、甘みの旨みがわかりやすくなる。エアレーションは諸刃でもあるなぁ。十分美味しいんだけど、キリッとした感じがないせいで甘みが輪郭をボヤカしてしまう感じ。


ねぎ牛鍋と合わせる。砂糖の甘みとお酒の甘みが喧嘩するなぁ。

二日目のアジの南蛮漬けと合わせる。肉より合うなぁ。でも酸味がちょっとぶつかる気もする。

自家製塩辛とあわせる。美味い。合う。ありゃー、これは合わせるものが悪かったのか?こってりしっかりとした味、そして甘くないものとの相性がよいのか。花泉のときは肉と合うと思ったけど、肉か魚かというよりも濃い味わいとの相性がいいんですかねぇ。

ともあれ、一晩置いてみることにする。



昨日と別人。

立ち上る吟醸香。鼻の調子がいまいちなので詳細がよくわかんないけど、いい香りが出てるのはわかる。きついわけじゃないけど、ゆらゆらと立ち昇る感じ。

アタックの優しさは昨日のまま、そこから雑味、特に後味の苦味がなくなった。ほんのりと乳酸の味わいも出てくる。酸っぽくはないのだけど、コクが乳酸系の味わい。

完熟リンゴ。でも甘さはごくごく控えめ。昨日の甘みはどこに行ったのか不思議。

ガッツリした旨味を期待すると肩透かしを食らうけど、上質な食中酒たり得る優雅な佇まい。昨日は輪郭がはっきりしないって言ったけど、今日はそのふわふわ感がいっそうの柔らかさに感じる。

伯楽星の純米吟醸に近いのかな。輪郭が優しい分だけ軽快というか暖かい感じがあるけど。口悪く言えばキリッとしないけど、になるのかな。
伯楽星の例えには、奥さんはあまりいい顔をしなかったけど。

温度が上がると甘みが復活するけど、昨日のようなベタツキはなくて旨みに昇華しきる、程よい程度。喉に甘みが残らないといいますか。

温度が上がりきって常温になると、少し酸味が立ってきて古めかしい雰囲気も出てくる。表情がコロコロと変わり奥が深くて面白い。


マリスさんのクラッシックショコラと合わせる。チョコのビターな甘さが、酒の甘み、旨味と交じり合って、新たな大人な旨みとなって期待以上のデザートになる。

経験上、デザートまで引っ張れる日本酒はあたりが多いと思ってます。でもこやつは扱いが難しいなぁ。正直、一日目についてはメモを残したけど書くべきかどうか迷ったくらい、期待はずれだったんですよね。別にまずいわけじゃないけど、褒め称える程でもないというか、値段を考えると結構残念な勢い。
でも、エアレーションしてこれはしばし置いたら変わるなと思ったのがよかったですねぇ。なかなかの一品に出会えました。デキャンタして一日置く、これがこのお酒の飲み方かも知れません。





冒頭でも書いたのですが、スペックが非公開なんですよね。
なんで非公開なのか、先入観を持たずに飲んで貰いたいから。
なるほどなるほど。
ではなぜ先入観が生まれてしまうのか、なぜその先入観が問題なのか、その理由もお店の方に教えてもらいましたので、まぁそうしたい気持ちはわかります。

でも、これは個人的な考えですけど、僕はいかなる理由があっても一定のスペックは公開すべきだと思っています。このあたりのことは、一度考えを整理したいなと思っています。


裏ろまん 一火 24BY
花泉酒造合名会社

水戸市 地酒蔵きなせさんで購入。

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