2013年2月12日火曜日

寒燗BBQ、5本のお燗の飲み比べ

酒仲間とお燗を楽しむ企画をしてみました。冬の寒空の下、昼間から肉を焼いて燗酒を飲むというまぁなんとも頭の悪い企画なんですが、総勢8人の酒好きが集合、5本の一升瓶を燗酒で飲むというなかなか出来ない楽しみ方をしてみました。


伯楽星の特別純米。
伯楽星って冷で飲む食中酒って思ってましたが、去年の冬に実は燗をつけるとすごいって話を聞いて試したところ、もうほんとにビックリでして。なので僕のリクエスト酒にしました。
お燗の伯楽星を飲んだことなかった皆さんは、一様に去年の僕と同じ反応でしてちょっとうれしい。

去年初めて燗をつけた時は、どの温度帯が一番美味しいかなって思いつつ、おっかなびっくり人肌くらいからだんだん温度を上げていったんですよ。そしたら結局飛び切り燗までずっと美味さが増していくという以外な結果でございまして。
でも燗上がりとか燗映えするみたいに、この温度帯が一番美味いとか一番味が引き出されたっていうポイントが飛び切り燗ってわけじゃなくて、ずっと美味いまま普段は飲まないような温度までたどり着けたといいますか。なかなかこの温度まで上げて本当に美味しいお酒って少ないですから、今回も熱々で頂きました。

あとですね、今回はなんせ寒空の屋外。飛び切り燗もそれなりにすぐ冷えちゃうんですよね。でもでも燗冷ましがまた美味い。伯楽星はほんとグビグビダラダラと飲み続けてしまう魔性の食中酒で、一杯目よりも数杯目、杯を重ねた後の方が美味しいと感じるんですね。味が変わるわけじゃなくて、こちらのコンディションが伯楽星に合っていくといいますか。そんなときに味わう感覚に近い味が燗冷ましにはあったんですよ。全くヘタれないしダレないし、どう飲んでも美味い酒という実力を再度見せつけられてしまいました。




奥能登の白菊の純米。
非常に美味しいお酒だと思ってますが、ちと甘みが気になるせいで一升瓶ではなかなか買わない一本。アタックの優しさと甘みは稀有な味なんですけどね、ちょっと縁遠いんです。でもでも仲間内では推薦者が被る人気者。

アタックの優しさは燗をつけても変わらないですなぁ。お燗酒はどうしてもアルコールのカッとする感じが強くなるんですが、その印象が少ないままでして。

ぬる燗が最高。燗をつけたことにより湧いてきた辛さによって、旨味と甘みを絶妙なバランスにしてくれます。
温度を上げ過ぎるとちょっと旨味が減ってしまい物足りなさを感じるので、人肌からぬる燗くらいまでがいい温度帯でしょうか。




正雪の辛口純米。
今回の僕の一番のお気に入りだった正雪。このお酒もキリリと冷やを楽しむ印象があったのですが、かなり広い温度帯を楽しめる良酒なんですねぇ。

ぬる燗で香りを楽しみ、上燗で旨味を楽しみ、熱燗で辛味を楽しむって感じで、各温度帯で楽しむポイントを変えて美味しいままです。さすがに飛び切り燗までいくとちょっともったいなかったのですが、それより下の燗ならどの温度でも美味しい。しまった、冷やでも飲んどきゃよかった。

ちなみに誉富士、最近よく目にするようになりました。愛する静岡酒のお米ですからちょっと気になってたんですけど、なぜか今まで飲む機会がなかったんですよね。お燗で飲むのは美味しいんですけど、普段が冷やで飲んでるせいでいまいちお米の特徴とかを掴めない。改めていつもの温度でも飲んでみないとです。




私的生酛の代表格、麓井。
生酛が得意じゃない僕ですが、麓井はとても好きな銘柄。特に夏酒と輝ら星は毎年のお楽しみです。が、この圓とかになるとそれほど触手が伸びないんですよね、綺麗といっても生酛ですから。でもお燗すると美味いとは聞いていましたし、結構楽しみにしていました。

お燗をつけると生酛の酸が軽くなって鼻に抜ける香りになる。なんだろう、普段の酸の重さがなくなって、旨味とのバランスがよくなってるからなのか。
これも上燗くらいまでが美味しかった。それより高い温度だと酸がちょっと刺々しくなっていくのかな?






さて今回のお燗の本命、ひこ孫純米。
安心と信頼の一本ですね。普通に美味い。予想通りに美味い。そういう意味では一番感動が少なかったとも言えるのですがそれはお酒のせいじゃない。

しかし随分ひさしぶりにひこ孫を飲みましたが、こんなに穏やか、柔らかだったんですね。それなりにどっしりとしたお米の旨味はあるものの、神亀ほどの荒ぶるお米感ではないといいますか。それがちょっと物足りなくも感じるんですが、まぁ勝手な思い込みとの比較ですから失礼な話です。

熱燗くらいまではOKと書いてありますが、温度を上げ過ぎると旨味が逃げてしまう感じでもったいない。熱燗までいかないくらいが一番だったかな。あと燗冷ましが美味かったですよ。旨味が軽くなって浮いてくるといいますか、冷えてもふわっとしたまま益々優しい旨味になって面白い。

あ、35才は超えましたけど人生の機微はわからないからこういう評価なんですかね。出なおして参ります。







11時くらいから飲み始めて、5本がほぼ空いてお開きになったのが19時半。ちびちびダラダラだからいつもほど皆さん酔わず。

一本くらいお肉の脂に負けちゃうお酒があるかな?って思ってましたが、どれもそんなことなく。
お肉が更に引き立つという意味だと、伯楽星とひこ孫は全く引き立たせ方が違うのにこの二本が際立ってた気がします。

あ、そうそう、お肉は守谷市民御用達の藤井商店さんで購入。牧場直売でとても美味しい牛肉と豚肉が破格の値段で買えます。もちろん輸入物なんかは他のお店でもっと安かったりもしますけど、味が全然違うんですよね。本日もガッツリ頂きました。


何はともあれ、美味い酒に感謝でございました。



伯楽星 特別純米
株式会社新澤醸造店
精米歩合 60%

奥能登の白菊 純米酒
株式会社白藤酒造店
精米歩合 五百万石/山田錦 55%

正雪 辛口純米
株式会社金沢川酒造場
精米歩合 誉富士 60%

麓井 生酛純米 本辛口酒 麓井の圓
麓井酒造株式会社
精米歩合 美山錦 55%

ひこ孫 純米からくち
神亀酒造株式会社
精米歩合 山田錦 55%


取手市 中村酒店さんで購入。

0 件のコメント:

コメントを投稿