2013年11月3日日曜日

磐城壽 純米吟醸 夢の香 24BY

2013年の冷卸第12弾は、磐城壽の純米吟醸、夢の香です。

ひやおろしとはどこにも書いてないですけど、秋出荷で春火入れの一夏貯蔵とのことですから、まさにひやおろしのはず。

夢の香は福島の酒米で、八反錦と出羽燦々を親に持ち2003年に登録された比較的新しいお米。このお米のお酒は多分初めて頂くと思います。


冷蔵庫から出しての冷や冷やで開栓。

しっかりと立ち上る香り。少しの甘さと旨みがわかる香り。吟醸成分はそれほど強くなく、香りの立ち方に対して派手さはさほど感じない。

口に含むと濃い旨み。軽く苦味。輪郭がはっきりした硬い印象で、甘味も苦味もコクも、それぞれがはっきりとわかる。

含み香はアルコール感が立ち、酸味が出てくる。爽やかさというより奥深い味の重なり。

温度が上がると苦味が落ち着き、バランスが良くなる。バラバラに出てた味がまとまったという印象。そのためか舌触りも柔らかくなり、でも表面はつるりと薄い膜があるようにまとまって凸凹がなく、穏やかに飲めるようになる。美味いなぁ。

口に含んでも吟醸香は控えめ。でもその少しの香りが良いアクセントになってるなぁと。強くない吟醸香を上手に使う技なんですかね。

後味は苦味を含んだ塊が短い余韻の中に主張する。苦いと言っても嫌な感じではなくて、甘さを残さいないためのもの。辛さで切るのではなく、苦味で抑えこむといった感じでしょうか。

口当たりの柔らかさ、そして柔らかくもつるりするりという味をまとめる印象は出羽燦々に由来する印象でしょうか。
そして旨みの広がりは出羽燦々、奥行きは八反錦由来かな。とくにこの苦味に通じる一癖は、八反錦のお酒で感じることが多い気がします。


ハンス・ホールベックさんのツンゲンロートヴルスト
スパイスとお酒の苦味が絡み合って、新しい味になる。これはなかなか面白い。


振り返れば、海のものがあるときに開ければいいのに、何故か肉なんですよね。計画性が全くありません。でも震災以降の磐城壽のぎゅっと詰まった酒質は、山のものと合わせても美味しく頂けます。

冷蔵庫に入らないから四合瓶で買ったんですよね。でもやっぱり一升瓶にすればよかったかなぁと、一晩で空いてしまうと思うわけですが、物理的な要因で断念してるんですから後悔の持ってき場所もないわけなんです。







磐城壽 純米吟醸 夢の香 24BY
株式会社鈴木酒造店長井蔵
精米歩合 夢の香 55%
アルコール度数 16度以上17度未満


水戸市 地酒蔵きなせさんで購入。

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