2013年9月4日水曜日

あたごのまつ 特別純米 ひより 24BY

2013年最初の冷卸は、新澤醸造店さんの新作、あたごのまつ特別純米ひよりです。
以前はひよりを使った大吟醸を醸されていたそうですが、特別純米で冷卸として出るのは初めてのとのこと。

ひより、存じ上げませんでした。ちょっと調べてみると、まだ新しいお米なんですね。山田錦を母、ササシグレを父に交配され、平成12年に登録公開されたとのこと。
ちなみにササシグレはササニシキの親である食用米です。以前は良く作られてたんだとか。でもいもち病に弱いから、ササニシキが開発されてその座を譲ったんだとか。ササニシキはササシグレとハツニシキの交配で生まれてます。結構安直な名前ですねぇ。

そんなひよりですが、なかなか栽培が難しい品種とのことです。背は高いし倒れやすいし。その代わり、酒造にはとても良い品種とのこと。期待が膨らみます。


冷蔵庫から出しての冷や冷やで開栓。

さわやかヨーグルトを思わせる香り。品良く立ち上がります。
いつものあたごのまつほど青くフレッシュな感じではなく、伯楽星との間のような印象。

甘みも香りも控えめで、米のコクが乳酸となってドライに香る。軽い苦味が後味として残り、余韻は以外に長い。

舌の上で転がすとわずかに青さが匂い立ち、刺激となって口中を満たす。

余韻の後味にパンチがあり、苦味と辛味が尾を引く。温度が上がるとより顕著になり、甘さは抑えられたまま、後が伸びる印象。

涼冷えくらいまで上がると、苦味も辛味も消え、伸びやかに乳酸が香る。この辺り、新澤醸造店さんの特徴でしょうか。冷えが収まるまで待たないといけません。

夏酒のひと夏の恋の時も感じたんですが、あたごのまつの華やかさというか香る感じが以前より少なくて、伯楽星寄りの味に感じます。もう少し空気に触れさせるべきなんでしょうか。あ、次はエアレーションしてみるかな。


鯛の刺身、塩レモン。苦味が復活する。ちと合わないかなぁ。珍しい、新澤さんのお酒なのに。

生しらす3種盛り。こちらもしらすの苦味と米の苦味が喧嘩する。うーん、海産物ではありませんか。

ちなみにこのしらす、我が家では定番の塩オリーブレモンと、今回新作の2品。左上が辛味噌和え、右上が生姜甘味噌と卵黄和え。いずれもかなり美味しかった。



単体で飲むと非常に美味しいんですが、今日の魚|肴とはそれほど合わなかったようです。
そしてお店で試飲させて貰ったときよりも硬く感じるなぁ。もうちょっと置いてみるかな。



3日目。ちょっとだけ味見。
冷蔵庫直後でも苦味が消え、乳酸の香りが優しく主張する。ひと呼吸おいて一瞬だけフルーティーな香りが湧いて消える。りんご、仄かなレモン、うーん、ぴったりじゃないけど、一瞬の香りが爽やかさを振りまく。
やはり穏やかな味わいで、伯楽星に近いなぁと感じてしまう。美味しいんだけど、住み分けて買ってたからなぁ。もう少し瑞々しくじゅわっとなる旨みがあったと思ったのに。



4日目。
味が落着いたというか定まったというか。穏やかに旨みが湧き出て十分な味のり。
とても旨いんだけどなぁ、伯楽星の雰囲気になんだよなぁ。一歩華やかさにかける。あたごのまつの大吟醸をこのお米で作ってたらしいけど、華やぎより上品仄かなタイプだったということか、それとも今年の新澤醸造店さんの指向がこういう方向性なのか。
美味しいのに文句が出るのは、どうしたもんでしょうか。

チキン・チャルガと合わせる。まぁ要するにスパイスたっぷりの鶏の丸焼き。
スパイスの辛味を優しく流してくれる。鶏肉の漬け込みにはヨーグルトを使ってるはずなので、乳酸との相性がとても良く交じり合う。そして鶏肉の淡白な部分に染み入る感じがたまらない。

この酒質は、ワイルドじゃない肉とか、野菜に合ったのかもしれない。



5日目、最終日。
変化はなく、そして酒質は安定したまま。新澤醸造店さんのお酒はヘタレないから安心してのんびり飲めますなぁ。
そして最後までうまいなぁ。穏やかで主張しすぎない甘み。



ということで、だらだらと飲んできました今年の冷卸第1弾、旨みはあってもしつこくない新澤節でございました。
今年は新澤醸造店さんの冷卸4種をキープしてますから、この後が楽しみでございます。





あぁ、冷蔵庫から出すときにガリッとやってしまった…申し訳ない…



あたごのまつ 特別純米 ひより 24BY
株式会社新澤醸造店
精米歩合 ひより 60%


取手市 中村酒店さんで購入。

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