2013年9月28日土曜日

外飲みメモ:喜久醉・太平海・鳳凰美田・薄墨桜、長良川鵜飼いと天然鮎の塩焼き弁当@川原町泉屋

岐阜の実家に法事で帰省したんですが、お経もそこそこに、親族一同で鵜飼いを楽しんで参りました。

30年数年前に、今は亡き祖父が鵜飼船を仕立ててくれて、この時も親族一同で鵜飼い見物したことがあるのです。なんですが、僕はまだガキンチョでして、全く記憶がありません。写真の中にボヘーと写っているだけでして、今回が事実上初めての鵜飼いでございます。

ちなみに4歳上の姉が、幼稚園に入るか入らないかくらいだったとか言ってます。そりゃ記憶にあるはずもなく、両親の「あんた覚えてないの?」という言葉には苛立ちを覚えずにはいられませんw


さて鵜飼船なんですが、ツアーとかホテルのセットなら料理や酒がついてくるんでしょうけど、個人で船を仕立てる場合は船頭さんがいらっしゃるだけなんですね。知りませんでした。

なので、お弁当を鮎料理の名店の泉屋さんにお願いして、酒は適宜持ち込みです。

ということで、日本酒を持ってこいと言われまして、以下の3本をチョイス。

更に姉が、達磨正宗で有名な白木恒助商店さんで、
  • 薄墨桜 純米 ひやおろし 24BY
を購入してきたので、計4種類のお酒を長良川の天然鮎で楽しむというなかなか贅沢をした次第なんです。


乗り場に行くと、長良川艶歌の歌碑が迎えてくれます。えぇ、一度も聴いたことありませんけど。

近くのおみやげ屋さんには水森かおりさんのサインがありまして、さすがご当地ソングの女王だなぁと眺めておりましたが、後で調べたらこの方も長良川の歌を歌われてるご縁なんですね。
旅行する度にあっちこっちでサインを見てる気がしますが、僕の出身地もその餌食になっていた恩恵に預かっていたとは。

余談ですが、岐阜の歌で一番有名なのは美川憲一さんの柳ヶ瀬ブルースだと思ってますが、これも全く聴いたことがありませんし、今更YouTubeを検索する気もありません。
ただですね、今回10年振りくらいに柳ヶ瀬に行ったら恐ろしいほどのシャッター街で。地方都市の悲惨な現状を突きつけられてしみじみした次第でして、やななも引退した今、どうしていいのか途方にくれているわけなんです。

余談ついでなんですが、数年前、岐阜に出張で行った取引先の方から突然電話がかかってきたことあります。えぇ、駅前が寂れすぎててどうしたらいいか困ってるというお叱りの電話でございました。

散々ディスってますけど、岐阜はいいところですよ。名古屋近いし植民地やし。



まぁそんなこんなで夕方になりまして、屋形船の前に人が集まってます。
写真撮るの忘れましたけど、鵜飼いの前に鵜匠さんが色々と説明をしてくれるんですね。

長良川の鵜飼いの鵜匠さんは、宮内庁式部職という国家公務員なんです。岐阜市の長良川鵜飼いと、ここからもう少し上流の関市の小瀬鵜飼の鵜匠さんだけなんだそうです。

この話は、岐阜人が他の県の鵜飼いとは違うんじゃいって自慢するポイントですから、岐阜人の人間に会ったらこのネタで褒め称えておくといい気分になってくれるんじゃないかと思っております。県庁の裏金とか裏金とか、褒めてもらえるネタがない岐阜人に優しくしてあげてください。

ちなみに宮内庁の職員というだけあって、ここの鵜飼いで捕れた鮎は年に数回皇室に献上されます。その献上鮎を捕るための場所が今も御猟場として定められてまして、当然釣りとか出来ないんだとか。21世紀になった今も存在してるんですね、御猟場。



日も暮れて乗船。
一番小さな屋形船は15人乗りなんですが、このサイズだとモーターとかエンジンとか付いてないんです。なので、ゆったりと静かな舟遊びが楽しめるんです。



さてお弁当。鮎を始めとした川魚の数々。



お弁当に過度の期待は禁物と思ってましたが、いやはや流石は泉屋さん。非常に美味しかったですし、なんとも日本酒に合うモノたち。

子供の頃は食べ飽きるくらい鮎を食べてましたが、昨今はそんな贅沢も出来ない日々。久しぶりに美味しい鮎を頂きました。

あ、岐阜の人間がみんな鮎を食べ飽きるくらい食べれるかと言えばそんなこともなく、我が家は親戚に釣り人がいたおかげなんですね。

でも鮎の甘露煮は給食で出た記憶があるなぁ。



本題のお酒たち。

喜久醉。
さすがです。一番繊細かなと思って最初に抜栓したのですが、もちろん繊細さは言うまでもなく、そして美味さも言うまでもなく。いやぁ、他のお酒も良かったんですが、ちょっと格が違いました。わかっちゃいたけどビックリ。詳細は別のポストで。


薄墨桜。
白木恒助商店さんのお酒は達磨正宗しかないと思ってましたが、岐阜のお米であるハツシモを使った別の銘柄もあるんですね。存じてませんでした。
達磨正宗に通じる雰囲気はこのお酒にもたっぷり感じ、ひやおろしが故なのか蔵の個性なのか、ずんと舌に残る旨みが印象的です。きっちり冷えているくらいが美味しく、温度が上がると甘さが勿体無い印象。蔵のページには常温も推薦されてますが、きっちり冷えてるか、お燗するといいんじゃないかなと思いつつ。
それにしても、薄墨桜という名前と味の印象はかなり遠くて、うーん、ご当地的な名前はいかがなものかと思わなくもないわけです。つーか、蔵の場所と薄墨桜の場所は関係ないしなぁ。


太平海。
吟醸香担当として持ってきた一本。食中用というよりはまったり味わい用のつもりだったんですが、予想に反して食中でも面白い存在感。香魚と呼ばれる鮎とガップリ組ませるのにふさわしい一本でございました。


鳳凰美田。
ワイン好きがいるのは知っていましたので、ちょっと変化球として用意。
夏を越してちょっと米の旨みが出過ぎてたのが予定と違ってましたが、それでも白ワインを思わせる舌触りは鮎との相性良く、鳳凰美田と川のものというのはちょっと掘り下げてみたくなる内容です。


鵜飼いって、なんだかんだ言っても遠くの篝火をぼんやり見る程度なんだろうなぁと思ってましたが、意外と近くで見ることが出来るんですね。

火の粉舞い散る中、浮かび上がる鵜匠と鵜のシルエットはなかなか味わうことが出来ない日本の伝統美でございました。

そんないいタイミングの写真は撮れませんでしたけど…



そんなこんなで、秋の気配を感じつつの川遊び、美味い料理と美味い酒で堪能した次第でございます。


お弁当:
川原町泉屋
岐阜市元浜町20
058-263-6788


お酒:
喜久醉 純米吟醸
青島酒造株式会社
精米歩合 山田錦 50%
酸度 1.2から1.5
日本酒度 +3から+7
アルコール度数 15度以上16度未満


太平海 純米吟醸 四十日もろみ 濾過前取り生詰 24BY
府中誉株式会社
精米歩合 五百万石 50%
アルコール度数 16度


鳳凰美田 純米吟醸 無濾過本生 WINE CELL 24BY
小林酒造株式会社
精米歩合 山田錦 50%
アルコール度数 16度


薄墨桜 純米 ひやおろし 24BY
合資会社白木恒助商店
精米歩合 ハツシモ 70%

0 件のコメント:

コメントを投稿