最近ずっと飲みたかった雪の茅舎、新酒を飲むことが出来ました。
ちょっと前に、齋彌酒造店の高橋杜氏を書いた本、「美酒の設計」を読んだのです。
美酒の設計はあいにく未飲なのですが、雪の茅舎は居酒屋で何度もお世話になってるお酒。もちろん美味しいことは存じておりましたが、近場で買えるところがないこともあって、瓶で買ってじっくり向き合ったことはありませんでした。
そんなわけで、出来れば美酒の設計が飲みたいし、まずは久しぶりに雪の茅舎も飲みたいなぁとか思ってた折、しぼりたてが売ってるじゃないですかということなのです。
玄関放置の涼冷え程度で開栓。
立ち香は濃く少なく、まさに積もった雪のよう。
口に含んだ瞬間から花開く旨み、フローラルな香り。華やかなのに芯の太さがあるためか、飲み心地は腰が入った味に感じられる。
余韻はそれほど長くなく、雪解けという感じにサラリと消える。味のボリュームに反した後味の淡さが印象的です。
立ち香は、品の良い吟醸香の後に米の旨み、苦味がじんわりと広がり飽きさせない。
記憶の味よりも甘さというか派手さが控えめに感じます。正しくは、その甘さ旨さは同じだけあっても、強く長くは主張しなくなったという印象でしょうか。よく飲んでたのか7,8年前だと思いますから、本に書いてあった話とも合致する部分がある気がします。
蒸し牡蠣と合わせる。
ジューシーな牡蠣のうまみを邪魔せず、スープを薄め、口の中を至福にする。
最初少し苦味が立つからイマイチな相性かなと思ったが、次からはそんなことなく個体差だったのかな?
でも、レモンがいるかいらないかは悩ましいところ。酒を中心にするとレモンは邪魔かな?牡蠣を大事にするとレモンは欲しいけど。
…
2日目。
昨日よりやや落ち着いたか、よりキレイさに磨きがかかった印象。研ぎ澄まされたという意味ではなくて、淡くなったというキレイさかな。
馬刺し、桜納豆と合わせる。
悪い相性ではないけれど、同時に試している会津のお酒である「風が吹く」に比べると、綺麗すぎて交じり合いが足りない印象。お酒としての完成度やクオリティは雪の茅舎のほうが高いと思うんだけど、組み合わせではあちらに軍配というのが日本酒の面白さでございますなぁ。
…
5日目。
酸味が出てきた。冷えの苦味と合わさって、まさにブドウの果実のよう。スマートさに磨きがかった印象。
焼き鳥。
鳥と合いそうな気配があったので試してみる。良い相性、すごい。鶏の脂の溶け込み具合が素晴らしい。
馬スジ煮込み。
味噌のコッテリとした味にも悪くない。でも今日は鶏肉との相性の方が印象的だったなぁ。
…
ということで、随分久しぶりの雪の茅舎でしたが、記憶の味よりも甘味が控えめでスマートでした。これが蔵の最近の姿勢なのか、新酒なのでこうなのか、今年は是非味の変化を追ってみたいなと思った次第でございます。
雪の茅舎 純米吟醸 生酒 しぼりたて新酒 25BY
株式会社齋彌酒造店
精米歩合 55%
アルコール度数 16度
印西市 酒乃なべだなさんで購入。
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