2014年5月30日金曜日

波花 2013 Spring 30度

日本ではなかなかお目にかかることが出来ない焼酎を、友人から頂きました。ハワイ初の焼酎、波花です。

波花は、万膳酒造さんで修行された平田さんご夫妻が、ハワイの芋と水、そして伝統のカリフォルニア米である国宝ローズを使って作られた芋焼酎です。

経緯とか色々なことは、現地のペーパーに載ったり、色々な方のブログ等で記事になっています。

ハワイ初の焼酎がノースショアで誕生!
ハワイ初の芋焼酎「波花」
波花 ハワイ産の芋焼酎
ハワイ初の芋焼酎「波花」
ハワイアン 焼酎 カンパニー
ハワイの空の下、夫婦で造り上げた珠玉の芋焼酎「波花」ー「ハワイと日本、人々の歴史」第5回

JALの機内誌にも載ったそうですので、それで知ってる方も多いかと。

そんな波花、ハワイに住む友人夫婦が入手してくれました。貰ったのは2月末なんですが、ビビって開栓できず。いつ飲もうかなと思ってた頃に、鹿児島に行って芋焼酎をしこたま飲んできました。そんなわけで、今は正に、このお酒を味見するにはちょうど良い味覚環境なのです。


香りは強め、麹と芋の両方の香りがプンプンする。
アタックは麹、その後舌の上でまろやかな旨みがタップリ。じわっと後味に広がる甘み。甘さを湛えた長い余韻。でも痺れるような感じはあまりなく、穏やかに長い。

いい意味で30度らしくないなぁ。アルコールのカッとするような強さはなくて、でも30度らしい贅沢な旨味はちゃんとあるし。でも旨味のリッチさを「リッチ」って書くとなんかちょっと違って、そういう主張のいやらしさは感じない。旨味自体も穏やかで美しいんですね。

ロックかなぁ。ストレートかなぁ。薄まらない方がいい気がする。

そしてとにかくアタックの柔らかさが特筆もの。舌触りがなめらかで優しく、これがハワイの風土なのかな。


使われている芋はオキナワンスイートポテトという紫芋。
仕込中の写真を見ると、鮮やかな紫色です。好みもあると思いますが、個人的には紫芋の焼酎は冷たい方が美味しいことが多い。表面がつるりとした端正な印象なので、お湯でそれを崩したくないという感覚なのです。この波花も、第一印象はストレートかロックが良い気がします。

お米は国宝ローズというカリフォルニア米の最高峰。
友人から波花の話を聞いた時に、この国宝ローズについてちょっと調べたら、これがまた色々な逸話のある素晴らしいお米。日本のお米と同じ短粒種で大量生産に成功したことで有名でして、とても美味しいお米だそうです。
ちなみに日本の米のデータベースには、国宝ローズを親に持つお米が4種類登録されてました。品種改良に用いられるくらい良いお米なんだろうなと想像してるのですが、このお米自体のデータが無くて、どういう系譜なのかよくわからないのが残念なのです。

麹は黒麹。
味わってみると、ほんとに黒麹?って思うくらい、繊細でやさしい味。一般的によく聞く、黒麹の太いとかパンチがあるとか、そういう形容詞はふさわしくありません。この味わいは造り手のスタンスなのか、ハワイという気候がそうさせるのか、興味深いことでございます。

そして水。
ハワイの水は、軟水なのか硬水なのか、どっちなんでしょうか。黒糖焼酎では水の硬さが如実に蔵(というか島)の特徴となって現れてくるのですが、芋焼酎ではあまりそのあたりの話を聞かないなぁ。

今は3回目の造りの最中で、2回目の仕込みを販売されているところなんだとか。2回目の仕込みは白麹で芋もモロカイパープルという芋をブレンドしたものとのこと。それはまた楽しみなのです。

そしてそれ以上に、ハワイに行って、ハワイの陽の下で、ハワイの食べ物を食べながらこのお酒を飲みたいものですなー。








波花 2013 Spring 30度
ハワイアン焼酎カンパニー
アルコール度数 30度

2014年5月28日水曜日

かせだんもん 25度

コセド酒店さんでお薦め芋焼酎を買うシリーズの3本目は、宇都酒造さんのかせだんもんです。おねーさんが、今ハマってますとお薦めしてくださいました。

宇都酒造さん、存じておりませんでしたが、名代の銘柄が天文館と聞いて、あぁあれですかと。正直、ちょっと見た目が美味しそうじゃなくてどうしたもんかなぁって思ってた天文館、あれの蔵元ですか。

なんて失礼なことを思ってましたが、このかせだんもん、試飲させて頂いたらもう即決。すごい、一口で激ウマが分かります。他にもどうしようかなーって迷ってた銘柄もありましたし、そもそもこのかせだんもんは一升瓶しかもうなかったんですね。4合瓶で種類を飲みたいと思ってましたから一升瓶はなぁって思ってたのもなんのその、買わねば飲まねばいかない焼酎に出会ってしまったのでした。

加世田の蔵だから、かせだんもん。頂いてみるですよ。


ねっとり甘さが特徴的。香りは赤ワインのよう。渋みと甘さの印象が近いんですよ。
重くも太くもないけど、みっしり詰まったキレイな旨みは強い。ロックで濃い目、もしくはそのまま冷やしてストレートでもいいかも。
優しくなめらか、雑味や癖がないのに物足りなさもない。素晴らしいバランスであり、十分なオリジナリティもある味。感服でございます。


鶏刺し、鶏炭火焼、鶏皮刺し。合わないわけがない。
炭火焼きの香りとのせめぎ合いは、肉と赤ワインの組合せを再現するかのよう。このお酒の味は、独特の香りと味わいがある味でもキレイさも同じくらい特徴的だったので、炭火焼きでこんなに楽しめるとは意外でした。相性だけなら刺身の方がいいかもしれませんけど。

ちなみにこの日の鶏刺しは、地鶏の元で購入したもの。刺身が500円、炭火焼きは300円、鶏皮刺しは200円。えぇ、1000円で食べても尽きない鶏メニューなのです。鹿児島は鶏好きの聖地ですな。



アクアパッツァ。
もう一段お酒を濃い目に作った方がいい、というか、この酒にはもう少し優しい食べ物の方が映えるかな。

ちなみに魚はアラカブ、アサリと共に、朝市で購入。いやー、鹿児島って羨ましい環境です。食べに行って美味しいお店が一杯あるんだけど、同じくらい料理する楽しみが湧くですよ。鮮度とか質とか良い食材が格安で手に入るですから。



一升瓶が3日で空く。危険極まりない美味しさでした。

香りの素晴らしさ、口に入れた瞬間のインパクト、口の中での変化。次から次へと迫り来る美味しさにやられっぱなしです。結局お湯で飲まなかったのですが、まぁそれは次の機会としたいと思います。えぇ、次また出会えたらまた買いたい、飲みたいお酒なのです。






かせだんもん
宇都酒造株式会社
アルコール度数 25度以上26度未満


鹿児島市 コセド酒店さんで購入。

2014年5月26日月曜日

BAR S.A.Oさんで芋焼酎を復習する

一年ちょっと前にお邪魔して、いも焼酎について色々と教えて頂いたBAR S.A.Oさん。習ったことを一年間実践してきましたので、改めて復習に行くのです。

昨年は実は2回おじゃましてまして、本日は1回目に伺ったときのバーテンダーさんがいらっしゃいました。1年ぶりくらいですか?と、プロは違いますねぇ、まさかの覚えててくださいました。

そんな再会の一杯目は、見たことない安田のロック。
国分さんのでした。杜氏が安田さんなんですね。これがまぁ素晴らしい。マンゴスチン、パッションフルーツ、そんな感じの南国感が満載です。実際に酸味があるわけじゃないけど、酸味のような雰囲気を感じるのです。すごい。

後日、コセド酒店さんでこの安田の話を聞いたのですが、これは蔓無源氏の芋麹全量なんですね。昨年から造られている商品とのことで、きっかけは蔓無源氏がたくさんあったから造ってみたんだとか。そして国分さんは芋麹全量の焼酎のパイオニアなんですね。知りませんでした。蔓無源氏の復活、芋麹全量、2つが合わさった至高の一品なわけです。でも、杜氏もこんな味になるとは思わなかったというくらい、やっぱり衝撃的な味だったそうです。

いやー、ほんと唯一無二の素晴らしい味でした。感動。




昨年も飲んだ屋久の石楠花。これもロックで。
これはほんと鹿児島に来ないと飲めない焼酎。辛さがなく、粉を吹くような芳ばしさ、後から甘味が湧いてきます。これも記憶に残る味ですなぁ。





知覧酒造を続けて。
まずは武家屋敷の紅芋の30度、長期熟成もの、ロックで。
これも南国感があり、知覧酒造の特徴だと思ってる後味のキレる苦味が心地よい。度数の高さは感じないなぁ。美味い。




正木、これも知覧酒造。紫芋の一本、ロックで。
甘さが印象的で、そしてフルーティー。香る香る。これは美味い、心地良い爽やかな味。





昨年飲んださつまの恵もそうですが、知覧酒造ってどうやら好みのようです。瓶で購入したことはなくて、お店で見かけたら飲む程度ですが、結構記憶に残る味なんですね。揃えてみようかな。

次は島酒、甑島の甑州、お湯で。
仄かに硫黄の香り、丸い塊のような旨味がぷりっと印象的。このお酒はフィルターではなくて濾布を使用してるとのことで、そのためか荒々しさも感じる。これも美味しいなぁ。




さつま寿の桜、お湯で。
我が家の愛飲酒である寿ですが、この桜は半寝かせの、要するに新酒なわけです。しかも普段の寿と違って黒麹。寿の柔らかな甘味が黒麹だとどうなるのか楽しみなのです。
ふむ、粉物食べてる感じの独特の舌触り。旨味は普段よりも一段濃く、密度が濃い印象。




久しぶりの大海酒造さん、海王の黒いやつをお湯で。
ジョイホワイトって綺麗な焼酎になる印象。そして名前のせいで白麹の印象で、まぁこれは単に名前に引っ張られてるだけですが、そうだとしても黒麹とジョイホワイトの組み合わせは多分飲んだことない気がします。
ふむ、スマートというか、ツルっとした舌触りで端正。ジョイホワイトっぽさがあるけど、その膜のような感じの中に詰め込まれた圧力が強いって感じでしょうか。面白い組み合わせでした。




千秀、アサヒの蔵元である日当山酒造さんのお酒です。ロックで。
まったく知らない銘柄でしたが、スマートでやさしい味。アサヒはお店で飲んだことしかないのですが、その印象に少し華やかさを足した感じです。優しすぎて特徴が掴みづらい、そんな不思議な感覚でもあります。




芋焼酎しか飲まないつもりだっんですが、飲みたかった一本があったので。
長雲の長期熟成をロックで。
いやー、とろとろ、ミネラルが厚いという感じ。でも尖ったりミネラル感が突出したりはせず、全体では丸い印象。
比較対象が長雲原酒の自家熟成のせいか、想像よりも甘味はねっとりしない。そう言ったら、マヂで?それはその原酒が超当たりの一本だったんじゃないかと。なるほどー、我が家はいいもん持ってますなぁ。



小牧のワールドカップ酒、お湯で。
思ったよりもシャープ。辛くないしキレるって感じじゃないけど、ツルっとスマート。記憶の小牧よりもずいぶん端正だなぁ。





食後なのでアテは軽めに。いい加減、写真を撮り忘れてがっついちゃうクセを何とかしたいものですが。

上が鶏ユッケ、下がサメ軟骨。どっちも焼酎に最適でございます。



今回もなかなか面白い焼酎に出会うことが出来ました。移転されて少し狭くなった気もしますが、雰囲気は以前と変わらず。また次回を楽しみにするのです。


BAR S.A.O
鹿児島県鹿児島市千日町8-14 貴剛ビルB1F
099-239-4461

2014年5月24日土曜日

薩摩乃薫 純黒 25度

花蝶木虫と同時に購入のお湯割り向きのお薦め商品、薩摩乃薫の純黒です。

お湯割りで飲んで美味しくない芋焼酎ってないんじゃないかって気がしますけど、まぁそれはさすがに言い過ぎでも、お湯割りって芋焼酎に対しては万能な飲み方だなぁと思ってます。

それでもお湯よりロックやストレート、水割りの方が美味しいってのはありますし、同様にお湯だとより一層たまらなく美味いってなる銘柄もあるわけで。

そんなやつお願いって注文にお薦め頂いたのが、薩摩乃薫の純黒です。名前の通り黒麹仕込みの一本。


ぬるめの5:5。
芳ばしく、粉を吹く旨み。濃厚さはクリームのよう。マロンケーキ。後味は爽やか、ハッカのような爽快感。薄っすら昆布系の旨味もあり、味自体は太いんだけど、印象は爽やか、旨い。

少し温度を上げる、まだぬるめだけど。辛い。ふむ、温度が難しいな。

通常程度のお湯割り、香りが立つ。ぐんと美味しい。ぬるめ自体は悪くないけど、ほどほどちゃんと熱いほうが相性がよい。この温度だとやや独特の香りが立ってくる。カルダモンとか、ハーブ系。昆布系の旨味が少し変化すると面白いのかも。
それにしても香ばしい。麦じゃねーの?ってくらい。

更に少し熱め。香りは立つけど揺らぎは減り、安定した印象。代わりに辛みが更に湧き、甘辛のバランスが濃厚にせめぎ合って良い。
芳ばしさが強いとむぎ焼酎のような印象も出てきて、全体としては軽く感じる。もう少し深みが欲しくなるのは、麦を飲まない人間の勝手な言い分かもしれませんが、これが好きって人もいるだろうなという美味しさはよく分かるですよ。

どの温度からも、少し冷えたところが旨いとは奥さんの言葉。なるほど、雑味が目立たなくなるからかな?

一応ロックでも。
刺激が主張する。もちろん美味しいんだけど、お湯の美味しさには全くかなわない。

美味いですな。香り高く軽快な甘さ、でも味の芯は合って物足りなくない。それでも最終的な印象は、芳ばしさが特徴的。なにより、お湯割りのそれぞれの温度で美味しいお酒でした。





薩摩乃薫 純黒 25度
田村合名会社
アルコール度数 25度


鹿児島市 コセド酒店さんで購入。

2014年5月22日木曜日

花蝶木虫 25度

鹿児島に来たので、コセド酒店さんの天文館店へ。昨年鹿児島に来た時は、ちょうどオープンちょっと前でして、今回はじめておじゃまできたのです。

せっかくの鹿児島ですから、いも焼酎のお薦めをいくつか教えてもらい、その中で飲んだことないもの選択してみました。まずは冷たく飲んで美味しいお薦めから、白石酒造さんの花蝶木虫。

白石酒造さんといえば天狗櫻が有名ですが、結構色々な銘柄を造られています。我が家は天狗櫻は美味しいけど綺麗すぎてちょっと物足りない印象でして、お店で飲むに留めてる銘柄。この花蝶木虫はどんな感じか楽しみです。


ロック。
キレる。味も香りも強いけど、輪郭がぼやけない。後味にやや辛味。軽快で旨辛。甘味はしっかり、表面は艷やかで丸く、柔らかいけどほころぶ感じではなくて美しい。白石酒造さんの味だなぁと思いつつ、天狗櫻よりもやや強い印象になるのは香りのせいなのかな。


鳥刺し。
帰り道のスーパーで買っても、鹿児島の鶏刺しは美味い。そして芋焼酎と甘醤油の鶏とは素晴らしい相性。鹿児島で鶏を食べる場合は、刺身の他に炭焼きもあるんだけど、この花蝶木虫は焼いた鶏よりも刺身の方がツルっと同士で相性が良い気がします。

高菜醤油漬け。
鶏よりもこっちのほうが合うなぁ。心地よく切れる後味には硫黄系の雰囲気があるけど、鶏とかもう少し濃い味のものだと気付かない程度。しつこくなく、味を下支えする程度のバランスの良さなんだろう。


あっという間に5合瓶が開いてしまった。鹿児島の食は反則級の美味しさだなぁ。まだ本気出してないのに。

ともあれ、クイクイいけて飲み飽きしない良酒でございました。個人的には、白石酒造さんのお酒では、天狗櫻よりもこの花蝶木虫のほうが印象に残ったようです。

本来の好みで言えば、もう少し芋の風味が強いほうが好きなのですが、要するに軽めだと飲み過ぎるから、パンチがあるお酒でのんびり飲みたいってことなのかも知れません。なんて身も蓋もない感想になるくらい、キレイで品の良い芋焼酎だったのです。芋焼酎が苦手な人に是非オススメしたい一本でございます。

余談ですが、コセド酒店さんでこれを薦めてくださった店員のおねーさんの説明がものすごく的を得ていたのです。飲んで味わったら、聞いてた通りってのが真っ先に思った感想でして、こんな風に人にお酒の味を伝えられたらなぁと思った次第でございます。






花蝶木虫
有限会社白石酒造
アルコール度数 25度


鹿児島市 コセド酒店さんで購入。

2014年5月20日火曜日

有泉 20度

黒糖焼酎の語り部になったからには、味見程度しか飲んだことがない黒糖焼酎を順に学んでいかねばいけないわけです。そんなシリーズ第一弾は与論島の有泉。

一般的な黒糖焼酎の度数は、25度か30度がスタンダードなのですが、有泉はスタンダードが20度。というのも、与論献奉で使うお酒だからです。

与論献奉。
詳しくは検索してもらえば色々な解説とか動画とかありますが、まぁ要するにお客さんを歓待する儀式。僕は一度だけ遠目から眺めたことがあります。
延々と自己紹介をしつつ飲み続けるので、度数が高いお酒だとしんどいわけでして、そんなことから世論のお酒である有泉は、低めの20度になったとか。


さて開栓。まずはロックで。

甘みが強い。有泉独特の香り。例えば喜界島のお酒ほどもミネラル感が立たず、もちろんその爽やかな青さはあり、ねっとりしないのに妙に濃く感じる甘味。

そう、甘味というか黒糖の風味の印象が強い。
有泉は仕込みの際の黒糖の比率が高く、米麹1に対して黒糖2の割合。奄美群島の他の島のお酒は、スタンダード商品だと1.5から1.8程度なので、黒糖リッチな仕込みだからなのかもしれません。

壱乃醸朝日(比率は1:4というすごく黒糖リッチ)みたいにねっとりするタイプで風味が強いのは想像も出来ますし、ある意味しっくり来るというか理解しやすい。でもこの有泉の軽やかさと風味の立ち方というのは、過去の黒糖焼酎の経験からするとちょっと面白いなぁと感じたわけなのです。

いい意味で軽いお酒で、くいくい飲んでも心地よく、食べ物と合わせてよく交じる。


炭酸割り。
元が20度と低いので、濃い目に作ると薫りが立ち上がって、それでいて薄く感じない爽快さがある。
氷を入れると溶け出して薄まるので、有泉も炭酸水も冷蔵庫でキンキンに冷やして氷なしで作ると大変おいしゅうございました。

欠点は、本当にさくさくと飲み進むからあっという間に一升瓶が空くことでしょうか。いいやほんと、焼酎なのに2日で飲み切るって、龍宮以外では初めてじゃないでしょうか。まぁ龍宮ならいいのかって話はあれでそれでバカなんですが。

有泉はお店で置いてるところが少くて、これまではあまり飲んだことがありませんでした。この軽快さはそうやってたまに一杯飲むには印象が薄くて、美味しかったけど鮮烈な記憶はない、という感覚だったのです。

黒糖焼酎の語り部になって、改めて色々ちゃんと飲んでみようと瓶で飲んでわかるのは、有泉は、まさに生活のお酒なんですね。与論島唯一の蔵元ですから、みんながいつも飲むお酒であることがスタートなんだなと。派手でも強い主張でもなく、日々飲み続けられるお酒。我が家の日々にも欠かせない味になってくれそうです。








有泉 20度
有村酒造株式会社
アルコール度数 20度

つくば市 たがみ酒店さんで購入。

2014年5月18日日曜日

鬼山間 赤 純米 無濾過生原酒 25BY

このところ続いております、山間。今回は、山間の鬼、赤の鬼山間です。

もともと本醸造規格で造られてたシリーズらしいのですが、赤鬼は昨年と今年は純米なんだとか。青鬼を飲んだことないので違いとかはどうなのか、まぁこれから学んでいくですよ。


冷蔵庫から出しての冷や冷やで開栓。

ボシュっと強めのガス圧。振りまかれるのは濃密な香り。甘い印象があるんだけど、ねっとりと言うよりはややフラット。

口に含むと想像通りの強めの発泡感。そして舌触りは度数の通りの強い印象。後味までカッと締める、痺れる。

苦味とコク、その裏にひっそり甘さ。前に出てこない。旨い。

秋鹿とか亀齢なんかと似たような方向性がある。もちろん味はそれぞれ違いますけど、甘さが苦味やコクの裏に潜んでる感じなんかがそう思わせるのかもしれません。まぁ秋鹿の名前を出すには、山間の酸味はグッと控えめですが。

それにしても強い味。濃いとはちょっと違う強さを感じる。


メヒカリ唐揚げ。
良いですなー。しっかりとした味の食事と合わせると、懐の深さが出てくると言いますか。肉、濃い野菜、出汁。その辺りと合いそう。


涼冷え程度になると、ますます亀齢とかと近い領域。そう、エロい味。



3日目。
濃くなった。甘さも旨味も増して、初日ほどのキレはなく、代わりに充実の旨味。
結構変化がありそうなので、もう少しのんびり飲むことにしてみる。



10日目。
いやー、濃いなぁ。でもキリキリする。苦味が心地よい。余韻というか余波というか、味がよく残る。

聞いた話では、鬼山間はどちらかと言うと早飲みのお酒とのことでしたが、寝かせても美味しそうな気がします。確かに初日の鮮烈な印象は日に日に減っていきましたが、根幹の苦旨はしっかりとダレずに残ってましたからねぇ。どうなんだろう。



このお酒は70%精米の、所謂低精米タイプに近い位置づけのもの。昔(と言っても10年くらい前の印象)はm70%精米のお酒ってあからさまに雑味が気になったもんですが、最近は低精米ならではの味が楽しめることが多くなりました。

単に僕の経験値が上がっただけなのか、低精米でも以前のような美味しくない雑味ではなく、美味しい旨味を醸すことができるようになったのか。そもそもこういう味は以前はあったのかどうなのか。

高精米のキレイな美味しさとは別の味が、もっと広まればいいのにと思った次第なのです。






鬼山間 赤 純米 無濾過生原酒 25BY
新潟第一酒造株式会社
精米歩合 五百万石/こしいぶき 70%
アルコール度数 18度


取手市 中村酒店さんで購入。