2014年5月20日火曜日

有泉 20度

黒糖焼酎の語り部になったからには、味見程度しか飲んだことがない黒糖焼酎を順に学んでいかねばいけないわけです。そんなシリーズ第一弾は与論島の有泉。

一般的な黒糖焼酎の度数は、25度か30度がスタンダードなのですが、有泉はスタンダードが20度。というのも、与論献奉で使うお酒だからです。

与論献奉。
詳しくは検索してもらえば色々な解説とか動画とかありますが、まぁ要するにお客さんを歓待する儀式。僕は一度だけ遠目から眺めたことがあります。
延々と自己紹介をしつつ飲み続けるので、度数が高いお酒だとしんどいわけでして、そんなことから世論のお酒である有泉は、低めの20度になったとか。


さて開栓。まずはロックで。

甘みが強い。有泉独特の香り。例えば喜界島のお酒ほどもミネラル感が立たず、もちろんその爽やかな青さはあり、ねっとりしないのに妙に濃く感じる甘味。

そう、甘味というか黒糖の風味の印象が強い。
有泉は仕込みの際の黒糖の比率が高く、米麹1に対して黒糖2の割合。奄美群島の他の島のお酒は、スタンダード商品だと1.5から1.8程度なので、黒糖リッチな仕込みだからなのかもしれません。

壱乃醸朝日(比率は1:4というすごく黒糖リッチ)みたいにねっとりするタイプで風味が強いのは想像も出来ますし、ある意味しっくり来るというか理解しやすい。でもこの有泉の軽やかさと風味の立ち方というのは、過去の黒糖焼酎の経験からするとちょっと面白いなぁと感じたわけなのです。

いい意味で軽いお酒で、くいくい飲んでも心地よく、食べ物と合わせてよく交じる。


炭酸割り。
元が20度と低いので、濃い目に作ると薫りが立ち上がって、それでいて薄く感じない爽快さがある。
氷を入れると溶け出して薄まるので、有泉も炭酸水も冷蔵庫でキンキンに冷やして氷なしで作ると大変おいしゅうございました。

欠点は、本当にさくさくと飲み進むからあっという間に一升瓶が空くことでしょうか。いいやほんと、焼酎なのに2日で飲み切るって、龍宮以外では初めてじゃないでしょうか。まぁ龍宮ならいいのかって話はあれでそれでバカなんですが。

有泉はお店で置いてるところが少くて、これまではあまり飲んだことがありませんでした。この軽快さはそうやってたまに一杯飲むには印象が薄くて、美味しかったけど鮮烈な記憶はない、という感覚だったのです。

黒糖焼酎の語り部になって、改めて色々ちゃんと飲んでみようと瓶で飲んでわかるのは、有泉は、まさに生活のお酒なんですね。与論島唯一の蔵元ですから、みんながいつも飲むお酒であることがスタートなんだなと。派手でも強い主張でもなく、日々飲み続けられるお酒。我が家の日々にも欠かせない味になってくれそうです。








有泉 20度
有村酒造株式会社
アルコール度数 20度

つくば市 たがみ酒店さんで購入。

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