2013年10月26日土曜日

伯楽星 純米吟醸 冷卸 24BY

2013年の冷卸第10弾は、伯楽星の純米吟醸です。
今年の新澤醸造店さんの冷卸は全部で4種類、今回全て入手しておりまして、その3本目でございます。

伯楽星はなんとなく特別純米を飲むことが多いのですが、たまには純米吟醸も飲みたくなります。今回はたまたま冷卸の時期。24BYの純米吟醸は初めて飲む気がします。こう振り返ると、新酒も飲んどきゃよかったって思うんですが、そんなこと言い始めたら世の中の全てのお酒を飲んでみたくなるわけですから、バカに付ける薬はないわけなんです。


さて、冷蔵庫から出しての冷や冷やで開栓。

香りはごく控えめ。まぁこれは冷えすぎてるせいもあります。ちょっと置けば、あの乳酸系の優しい香りが、何時もよりキレイに立ち上ります。吟醸香自体は薄いのですが、上品さやキレイさに昇華されて含まれている印象です。

口に含むと濃厚爽やか。フルーティーで香り高く、甘みと乳酸系のコクが舌をじんわり刺激する。

後味は、鼻に抜ける吟醸香を含む米の香りがリッチで芳醇。でも辛味というには繊細な切れ味がもったりさせない。
空気を含ませ鼻に抜くと、ネーブルのような甘みの強い柑橘の薫り。

結構濃厚で旨みがあるのですが、べたついた感じが全くないのは業界平均の半分ほどに抑えてるという糖度コントロールの妙なのでしょう。さらりと喉に落ち、いつまででも飲み続けられます。

新澤醸造店さんのお酒は冷えがキツイとどうしても苦味が出る印象が残ってるんですが、これはそんなことなく初っ端から美しい旨みが楽しめます。よく乗った旨みのおかげなのでしょうか。やっぱり新酒との比較をすれば良かったとグチグチ言いたくなります。


真鯛の中華風サラダ。
まぁ何味というと奥さん謹製のオリジナルな味なんですが、胡麻油が香るから中華風と言っておきます。真鯛は3時間くらい前まで生きてたやつですから、鮮度のおかげでプリっとした佇まい。皮を残して炙り薄造り。充実の旨みと香りと食感です。皮目から滲む脂と胡麻油が絡んだ旨みは、伯楽星の米味が程よく溶かして新しい味に。伯楽星はドレッシングなんじゃないかと思える溶け込みっぷりです。

同時にシンプルなイナダの刺身(これも活き締め仕立ての激ウマ食感)と合わせてまして、もちろんこの組合せも美味しかったのですが、色々な味が入っている中華風サラダのほうが相性がよかったんですね。
和洋中を問わず、どんな料理にも寄り添うどころか新たな境地を見せてくれるのは、伯楽星の妙技なんじゃないかと思った次第なんです。こういう味わいを知ると、伯楽星には和食よりもフレンチとかイタリアンと合わせてみたくなります。



2日目。
昨日と同じく冷や冷やだけど、今日は苦いなぁ。まぁ、新澤さんらしいということなんですが。

しばしおいて温度を上げてみる。
苦味は程々落ち着くけど、アルコール感が気になる。

もう少し上げて涼冷え程度。
妙に酸が強い。いつもの乳酸ではなくて、割りとがツンとしびれる酸。

今年のあたごのまつの夏酒ひやおろしについては、伯楽星に寄った印象を受けてるんですが、一方で伯楽星はあたごのまつに寄った印象なんですね。妙にジュワってくる。今日の酸味もその一環でしょうか。

だからといって、伯楽星とあたごのまつの味が近づいたかと言われるとやっぱりちょっと違って、そこが糖度の差なんでしょうかどうなんでしょうか。やはり一度お話を伺ってみたいと思います。



5日目。
3日目に飲んでた奥さんが、妙にアルコール感が強いと言ってたんだけど、適度に冷えてるうちは気にならない。

開けたてに比べて旨味と苦味がやや強くなり、キレイさを飛び越えてきたかな。
純米がそんな感じじゃなかったから、吟醸香がこの要因なのかなぁと邪推する。


サルエビの塩茹。
海老の旨みが酒のビターな部分と結びつき、非常に美味しい。好印象な組合せ。

戻り鰹の刺し身。
ちょっと苦味とぶつかる。

今年の伯楽星は旨みが強い気がしてて、それが表に出過ぎると感じるとき、まぁお酒の温度帯とか自分の体調とかですけど、食べ物とぶつかる時がある気がする。

とは言え、大変美味しく頂いたわけですが、特別純米の方が食中酒を標榜するにはふさわしいかなという認識でございます。





伯楽星 純米吟醸 冷卸 24BY
株式会社新澤醸造店
精米歩合 55%
アルコール度数 16度


取手市 中村酒店さんで購入。

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