2013年7月4日木曜日

稲花 純米 1787 炎 24BY

danchuの日本酒特集で、吉田類さんがコメントしてた銘柄である1787の、炎でございます。
えぇ、夫婦揃って吉田類さんのファンでして、それなら飲んどかなきゃいかんだろということなんです。

1787は東京四谷の鈴傳さんのPBなんだそうですが、千葉県内の数軒の酒販店さんは取扱えるんだとか。そんなわけで、銚子の酒屋さんで偶然見つけたので、味見味見でございます。


購入してから帰るまでにちょっと温度が上がって、涼冷え程度で開栓。

度数の高さがよく分かるアルコール感がキツメの香り、若干のセメダイン系。

辛味、軽い苦味。何に似てると言えない、独特なコク。強いてい言うなら、青くない大根おろしというか。
ちゃんと甘くて辛味もそれほどではないんだけど、ほろ苦さが締めて飲んでる最中の印象よりはよりはキリリとする。
酸味はアタックに感じて、それが全体をまとめ、そしてちょっとしびれるような感じで後味にほんのり残る。


豆もやしのナムル。青臭さと混じり良く合うなぁ。
カツオの竜田揚げ。醤油の香ばしさと酒の苦味が一体化して、残る酒の味が爽やかに浮き上がる。



2日目。
昨日より濃くて甘い。その分苦味も少し強い。

せせりの唐揚げ。油/脂とよく合う味の強さがあって、さらっと流すというよりも油を溶かして美味くなるって感じかな。

でもアルコール感が強く立つなぁ。しかしこの度数はなんの理由で狙ったんだろうか。杯を重ねるとちょっと邪魔に感じるなぁ。



3日目。
香りはやはりアルコールが立つ。

味は落ち着いてきて、最初の酸も強くは主張しなくなった。反面、苦味が後味で目立ち過ぎて、最後にバランスを崩す。全体的な印象としては、今日くらいが非常に飲みやすいんだけど、ちょっと惜しいなぁと。


山仙蒲鉾店さんの蒸しちくわ、「せんちく」と合わせる。小魚のような魚の香ばしさが強めのアルコール感を中和し、甘みに魚のコクを足して美味い。

イワシ刺し、脂ともあうけど、それ以上に醤油と合う。

ホタテの燻製、あぶりと合わせる。濃厚な貝の旨みが濃い目の味に溶け美味い。

海産物と相性が良く、さらに醤油とよく合うということかな。



4日目。
カラメルのような焦げた香りも。
甘さも落ち着き、爽やかさも減り、古き良き時代の香りが沸き立つ。古すぎるとまでは言えない香りも残っていて、今が正に融合点か。これ以上古めかしさが立ってくると、ちと残念な味わいになるなぁ。というのも、純米だけどアルコール度数の高さから本醸造のような佇まいになってるせいでもある。


今の時点でも美味しいけど、まだまだ美味しくなるんじゃないかなーと思う一本でした。
甘さをもう少し抑えて、奥にある香ばしさがもっと出てくるといいなー。きな粉みたいな、ちょっと豆を煎ったようなかおり、あ、別に米を煎ったと言えばいいのか。
そういう味の重なりというか奥行きがあるんだけど、甘さと度数の強さがそれを覆い隠してるのがもったいないなぁと。
そしてそれが出てきた頃、すでに酸味が落ち着き古めかしいというのではやや本末転倒でございます。

でもまぁ今後も味見していきたい出会いでございました。でもPBだとなかなか入手できないなぁ、普段行かない酒屋さんだしなぁ。


あと、「炎」の部分がスペックで変わるらしいですね。24BYもそうなのかはわかりませんが、21BYを飲まれた空太郎さんの話では、無濾過生原酒槽場詰めが「息吹」、ただの無濾過生原酒が「鼓動」、火入れの無濾過原酒が「炎」なんだとか。
どうせ酒飲みは飲み比べるためにスペックを気にするんだし、ちゃんと情報公開すればいいのに。空太郎さんの意見の至極同感です。

っていうか、日本酒の名前っていろいろとサブタイトル的なのを付けたがるじゃないですか。まぁそれはそれで分からなくもないですけど、たまに恥ずかしいがあるんですよね。力はいり過ぎちゃったみたいな。
「息吹」「鼓動」「炎」って、個人的にはなかなかな中二病っぷりで、ちょっと微笑ましく思ってしまいます。えぇ、僕もまだまだそこから脱してませんし。

あぁ、ちがうんです、ディスりたいわけじゃないんですよ、期待したいんですよ。ラベルやタイトルがこうなら、中身も尖ったままもっと美味しくしてねってことなんです。






稲花 純米 1787 炎 24BY
稲花酒造有限会社
精米歩合 扁平60%


銚子市 酒のたかしまさんで購入。

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