赤坂の名店、まるしげ夢葉家さん。何度も行こうとしては満席等々で振られ続けておりましたが、この日は龍宮を醸す富田さんがいらっしゃるとのことでして、気合を入れて予約。めでたく開店と同時に行ってまいりました。
翌日に某有名酒販店のお酒の会がございまして、富田さんはそのゲスト蔵元としていらっしゃってるんですね。毎年その前日はまるしげ夢葉家さんで蔵元料理の特別献立の日があるんだそうです。
我が家もその話は蔵にお邪魔した時にも聞いてましたが、昨年は都合がつかず断念。今年は満を持してというわけなんです。
特別献立。
富田さん直筆の献立は、もうそれだけで奄美全開なんです。
あおさの酢の物。
プンプンと香るあおさの香りが、奄美を思い出させてくれます。
スタートはもちろん蔵元モヒート。
今回は底に黒糖がちょっと沈んでます。元々の蔵元モヒートに黒糖は入ってなかったんですが、なんでもお店でこうやって提供してるのを見て、これはいいと許可を貰って盗んじゃったんだってお茶目に話してくださいました。
なんで家で作るのとこんなにも違うんだろうねぇってしみじみしつつ、さっくりと飲んでしまって未練たっぷりでございます。
この日多くの龍宮ファンが集まるわけですので、蔵元お手製のお酒と料理は各品一回までと勝手にルール付けしております、我々。
島の塩豚。
いやー、島豚ってちょっと脂の質がすごすぎる。とろける甘い濃厚な脂。身ももちろん美味しいんですが、それ以上に脂が癖になります。ちょっと口に残るこのオイルを、キリリと龍宮で流すと素敵です。
このころは蔵和水のオンザロック20回ステアを飲んでましたか。
富田さんが、10回ステアしたものを持ってきてくださいまして、まぁちょっと飲んでみてと。そんであと10回ステアして飲んでよと。
ビックリするほどわかりやすく味が変わるんですよ。棘が抜けて、丸くなって、不思議な事にステアが多くなった方が甘味を強く感じるから全体的に濃く感じるという変化が。
このステアの回数については、以前も蔵元がFacebookとかに書いてて知ってるんですが、蔵和水がなくて試してなかったんですよ。いやはや、楽しい。
島豚は、他にも炙りのものがあってですね。
蔵元曰く、つけダレは奄美のなり味噌を龍宮で溶いたんだと。そしたら苦くてダメだったと。だから黒ゴマペーストでごまかしたんだって。でもなかなかだよって。
えぇ、癖になる味でございました。なり味噌は美味しいけどダメな人もいるだろうなって一癖があるんですよね。僕は好きですけど。ゴマと龍宮がそれを程よい調味料に変えてて大変おいしゅうございました。
えぇ、そんなことを蔵元と話しながら食べてたので、誰一人写真を撮っていなかったというオチなんです。
豚軟骨としぶりのとろとろ煮。
昆布の効いた出汁に豚の旨みがたまらん溶け出しっぷり。それを吸った冬瓜が勝者でござる。
おだやかーな味で、龍宮に負けちゃうかと思うんですが、出汁が濃ければそんなことないんですね。いつも龍宮には味がしっかりしたものを選んでましたが、ポイントはそこじゃなくて旨みの量だったのかもしれません。
このころは、まーらん舟の25度をロックで。
まーらん舟はずっと33度とか原酒とかの濃いやつしか買ったことなくて、いまさらながら初飲みでございました。
これがまた想像と全然違った味でビックリなんですよ。度数が高いまーらん舟はねっとりとした甘味とコクがたまらないんですけど、25度だと甘さよりも黒糖のミネラル分、つまりその黒糖の特徴が浮き彫りになるんですね。海藻だったり青草だったりと、甘みの奥にある味と香りが主張してきて、なんともめまぐるしく口の中で味わいが変わり楽しめるんですよ。
知らなかったなぁ、この風情は。25度のまーらん舟も常備しないといけないですなぁ。
島の魚とスガリの唐揚げ。
魚はアカハタ。カリッと芳ばしく、ふわほろの身。淡白なんですけど、ジューシーな身質がとっても素敵。小さい骨はいけるかと思いきや、めっちゃ固いんですね。知らなかった。
そしてスガリ。テナガダコって仰ってましたが、調べたら正式名称はウデナガカクレダコという言うんですね。
これを取って市場に出す漁師さんはいないんだそうで、まず地元でしか食べられないタコ。というか島でもなかなか食べられないんだとか。
これがまた食感と味が強くて濃くて。タコは鹿島の地ダコを食べてるので結構舌が肥えてる自負がありますが、これはまた全然違うタイプで美味しかった。
固いとも言いがたいしっかりした食感。ブリっと噛み切ると中の身質は結構柔らか繊細。そして旨みがその細かい
そんな旨みと油を流すのは、龍宮の30度を炭酸割りで。
最近ようやく割って楽しむことを覚えた龍宮。黒糖焼酎は炭酸割りも美味しくて夏には最適なんですって言ってみたいお年頃、というか奄美シマ酒案内人ですから、自分。
その割に家では美味しく作れないんですよね。結局はバランスの問題なんでしょうけど。なのでここでしっかりお勉強なのです。
しかしまぁ、切れ良く、香り高く、もちろん薄く感じることもなく。目指す味は判りました。これから精進でございます。
まぁあれですよ、比率を聞いておけばいいだけなんですけど、全くそんなことすら思い浮かばなくてぐびぐびと飲んだだけでして。
他にも通常メニューから、お刺身を頼んだり。すごく美味しかった。
黒糖焼酎の長雲を醸す山田酒造さん直伝の豚足煮を頼んだり。
そう、この豚足はレシピがdanchuに載ってるんですよ。先日からずっとこれを作りたいんですが、鹿児島の甘い醤油が切れてて断念してたんですよね。
ここに来る前、鹿児島のアンテナショップで買ってきましたから、近々我が家でも食す予定なんです。
他にもいろいろ食べた記憶はありますが、そろそろみんな写真を撮るのも忘れて飲んでます。
蔵元は、料理を作り酒を作りの合間に、蔵元目当てで来たお客さんを回ってらして、我々も随分楽しい時間を過ごしたわけでございます。
そしてそろそろ締めるかと、鶏飯と油そーめんをお願いしたんですね。
えぇ、我を忘れてがっついたので、鶏飯の写真はありません。
油そーめんもほとんど食べてから気づいたのでこんな有り様。
しかしどっちも美味しかったなぁ。鶏飯は奄美で有名店のを頂いたことがありますけど、それと比べても主張が激しくない穏やかな味。そして油そーめんも優しい味わいなんですよね。
冬瓜の時も思いましたが、出汁と龍宮というは、龍宮ファンは今後よく研究しないといけないテーマだということです。至福。
そう、油そーめんについてはポイントを色々と伺いました。ポイントねぇ、オリーブオイルかなぁと。
なるほど。後は鷹の爪と、きびなごやねぇと。
きびなごかー、確かに食べてみるとわかる上品かつワイルドな出汁。出汁自体は濃いのに、エグみとか魚臭さって感じはないんですよね。
しまったなぁ、鹿児島のアンテナショップで見ればよかったなぁ、きびなご。
とまぁ、締めな料理を頂いて仕切り直し。
えぇ、帰る気が全くありません。色々と料理を追加して引き続き飲み続けたわけです。
かめ仕込み40度の炭酸割りに全員がどっぷりと浸かる時間帯。
いや、ほんとこれすごい美味い。かめ仕込みを炭酸割りって怖くて試す気もありませんでしたが、あまりの夏飲み物っぷりに感動です。
そんなこんなで、各自が7杯飲んだところでそろそろ閉店、というか終電。
さすがにこの時間ならいいかなって思って、スグリの唐揚げ、鶏飯、油そーめんを再オーダー。
残ってたスグリを贅沢に頂いたわけですが、旨さに瞬殺。蔵元もタコが喜んでるとおっしゃる食べっぷりです。
そして2回目の鶏飯でも写真を撮り忘れるがっつきっぷり。
そして締めはらんかん。お湯割りでほっこり頂きました。
ロックで飲むと感じる、ぎゅっと閉じ込められた濃密な味わい。それが正に今、解き放たれております。癒やしとはこういうことを言うんですよ、きっと。
いやはや、幸せな時間でございました。毎年恒例になってるよーって伺いましたから、ほんとこれは我が家も恒例行事にするであります。
ごちそうさまでした。富田さん。
ちなみに、僕以外は相当酔っ払ったらしいんですが、翌日に酒が残ることもなくさっぱりとお目覚めだそうです。
えぇ、僕はあんだけ飲んでもピクリとも酔ってません。緊張しちゃうんですよね、富田さんに合うと。
お会いすると、とても穏やかで細やかな方でして、緊張を誘う要素はないんですけどねぇ。
思春期が続いてるおっさんなんですよ、龍宮を想うと。
まるしげ夢葉家
東京都港区赤坂2-14-8 山口ビル 2F
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