2015年6月18日木曜日

愛宕の松 スパークリング

ちょっとおもしろい新商品、愛宕の松のスパークリングです。

松竹梅の澪が売れてるらしいですね。居酒屋でお客さんが興味を示してるのも聞いたりします。スパークリング清酒には、一定のニーズがあると判断されたんですね、きっと。

日本酒ファンなら、活性モノ自体は最近は目新しいものでもなくて、季節の楽しみでございます。ところがこれは炭酸注入のスパークリング。そう言えば新澤醸造店さんでは、活性ものって出してなかったなと。本生のおりがらみで微発泡感はあれど、発泡を標榜はしてなかったなと。

そんな新澤醸造店さんの新作が、炭酸注入の発泡物となれば、それはなかなか興味深い一本です。


瓶は完全にシャンパンボトル。口はコルクじゃなくてポリキャップ。初めてみましたが、こんなのあるんですね。情緒はないけど、日本酒だからコルクの香りも良くないのかもしれませんね。どうなんだろ。

ちなみに抜栓は結構固かったです。コルクよりも、最初が固い印象かな。動き始めてからは同じ感じでしたけど。



グラスに注ぐと、かなりの発泡。しまった、写真撮ればよかった。

でも、香りはそれほど振りまかないのは、見た目とギャップがありますな。

口に含むと、メロン系の甘みがたっぷり。愛宕の松のランクが高いタイプと共通します。そりゃそうか。ただ、新澤醸造店さんが作るにしては、やや品がないくらい甘みが強い印象。甘み自体は美しくスマートなんですけど、舌の印象として甘さが主張するなって感じなのです。愛宕の松でもここまでわかりやすく甘さが先には来なかったと思うんだけど、炭酸がそうさせるのかもしれません。

その点を除けば、非常に完成度の高い甘口スパークリング。日本酒に感じるような米、麹由来の後味もスマートにまとめて、炭酸との相性も素晴らしい。喉越しの清涼感はさすがです。だからこそ、ここまで甘めに倒した理由は何なんだろうな。

あと、思ったより炭酸が弱い。開けた時はキリッとしてたのに、すぐに優しくなっちゃった。 そうすると、やや水っぽい感じと、炭酸が抜けた飲み物共通の後味の物足りなさを感じてしまいます。

それでも、やや水っぽいと感じるぎりぎりのバランスのおかげで楽しめる清涼感もあって、素晴らしいバランスだなと感心するのですよ。ちょっと水っぽい?いやでもちょっとでも重いと甘さがダレるかな?って感じの繰り返しで、要するにやっぱり完成度は非常に高いという感想になるのです。


やや低アルコールなところも、美しい甘さが主体なあたりも、日本酒を飲み慣れていない人や女性向けの商品なのかな。いや、違うか、おねーちゃんと飲むためにおっさんが買ってく酒なのかもしれんですね。

前述の通りやや炭酸の抜けが早いため、大人数で乾杯で飲み切るのがお奨めな気がします。甘さが主体だと、どうしても味の幅が狭いから、飲み続けても飽きちゃいますしね。


まぁ一番改善して欲しいのは、キャップを覆うラメラメが細かく剥がれて手にくっつくことなんですけどね(笑)






愛宕の松 スパークリング
株式会社新澤醸造店
精米歩合 55%
アルコール度数 13度


2015年6月6日土曜日

射美 特別純米15 槽場無濾過生原酒 H26BY

極小蔵で有名な射美。岐阜出身としては飲んでみたい銘柄だったのですが、なんせ買えるところが少ない上、造ってる量も少ないときたもんで、なかなか飲めませんでした。

が、佐野ラーメンを食べに行った栃木県で発見するという予期せぬ出会い。最近は日本酒をほとんど飲んでないのですが、そういうことなら飲まねばいけません。

射美の特別純米15。今思えば、射美の王道ではないようなので別のにすべきだったのです。裏書ちゃんと読めばよかったんですけどね。

通常の射美よりも酸味に重点を置いた甘酸っぱさ、イチゴを標榜するお酒ですが、どんな感じでしょうか。


冷蔵庫から出しての冷や冷やで開栓。

立ち香は穏やか。もっとねっとりと香るかと思ってたけどそうでもない。

口に含むと、やや渋みに近い酸味が表にあり、裏にはねっとりの旨味。後味にはりんごのような甘みと酸味のまじり方。言わんとするところは判るけど、イチゴじゃないかな(笑)

全体的にやや薄いというか水っぽい印象があるのは、味自体の本質がかなり甘くねっとり系だから、酸味による軽やかさがちょっと裏目に出てということでしょうか。せめて後味がもう少しパンチがあると、できれば甘さじゃない風情が残ると、印象が変わるのかもしれないですな。


佐野のお土産、芋フライ。
ソースとの相性が良い。ソースの酸味がいろいろ足すのかな。

しらすの漬け。
魚には厳しい甘さかと思ったが、意外とまとまる。タイプの違う甘みが被っても、ほろ苦さが締めて良い印象。

ベビーリーフのサラダ。
野菜、生野菜の苦味に良い。これが一番しっくりきた。


そもそも岐阜の酒ですから、海のものに合うとか合わない以前に海ねーしって話なのですが、意外と悪くなかったのが興味深い点。僕が水っぽいと評した部分は、実は甘さをギリギリに留めた結果なのかもしれません。

大変美味しいお酒ではありましたが、正直な所これといった射美ならではの特徴もなくて、最近はやりの味のお酒たちの枠の中に収まってる印象が拭えません。

量の少なさ、買い難さが、味の評価を厳しくしているんですけどね。


ちなみに蔵のある揖斐郡大野町ですが、なかなかの田舎らしいです。というのも、姉の同級生だか後輩だかに大野町出身の人がいて、いつも大野町やからやって田舎いじりされてた記憶が刷り込まれてるんですよね。

岐阜市自体田舎なので、目くそ鼻くそを笑うって言うのかなという思いつつ、そう言わせる何かがあるのか、何もないがあるのか、まぁいずれにしても、そのうち大野町に行くかもしれない理由が出来たのは、きっといいことなんでしょう。








射美 特別純米15 槽場無濾過生原酒 H26BY
杉原酒造株式会社
精米歩合 揖斐の誉「AMSM18」 60%
アルコール度数 16度


佐野市 吉川屋酒店さんで購入。

2015年6月2日火曜日

外飲みメモ:横山五十・ちんぐ色々・錫釜・龍宮@柏 やまんさん

ちょっと前にやまんさんにおじゃましたときに、ちんぐの蔵元である重家酒造さんの横山専務と同席させていただいたんですね。

麦焼酎を飲まない我が家が、ほとんど唯一と言っていいくらい定期的に欲する麦焼酎がちんぐ。そりゃーもう色々お話を伺って、引き止めまくってどうもすいませんということがあったのです。

えぇ、あまりに濃ゆいお話をさせてもらって、酔っぱらいの怪しい記憶では書けないなーとか思ってスルーしてました(笑)

そんな横山専務、実はここ数年は日本酒造りもされてらっしゃるんですね。もともと重家酒造さんは日本酒も造っていた蔵元。麦焼酎発祥の地と言われる壱岐ですが、実は以前は日本酒蔵も多数あったのです。後継者不足等々、色々な理由で壱岐の日本酒蔵はなくなっていって、重家酒造さんも20年くらい前(だったと思う)に杜氏さんの引退を機に日本酒を造らなくなってました。

それを復活させたのが専務なんですね。僕は復活の年から日本酒の確蔵を飲んでまして、あ、実は今年のを飲み逃してるんですが、まぁとにかく、ストーリーがある思い入れも深くなる銘柄なのです。

その時に、東洋美人さんの蔵を借りて造ってる別の日本酒銘柄があると伺い、それが横山五十なのです。ということで、やまんさんが入れた(入れろと言った)ので、飲みに行ってきたのです。

ちなみに過去の確蔵に関してはこちら。

H24BY:確蔵 僕らの想い 特別純米 24BY
H25BY:やまん@柏さんで龍宮三昧、2014年の黒糖焼酎の日
(黒糖焼酎の日だからタイトルに載ってない…)


ということで、久しぶりに日本酒を…と言いたいところなのですが、あほほど暑かった本日、まずは炭酸で涼を取らねばデブは死んじゃいます。

龍宮の炭酸割り、うめー、ほんとうめー。危うく一気に飲んでしまうとこでした。
まだ日本酒に合わせるアテが来ないし、もう一杯ぐらい爽やかに、となれば夏のちんぐでございます。

去年も飲んでますけど、今年のもちょっと違うよってことでして、4月の某試飲会で飲んでめちゃくちゃ美味しかった記憶なのです。やっと飲める。

冷蔵庫に入れたのがちょっと前だったので、ストレートでの冷えは物足りない、ということで、氷を2個浮かべてもらいました。

19度なので、そもそも軽めなのですが、少し氷が滲んでとても香りを立たせます。試飲の時の印象よりも、麹の香りを強く感じます。麦の甘さじゃなくて米の甘さ、そして吟醸香のような香味成分。

正直な所、昨今の夏の酒ブームってマンネリ感があって、特に焼酎は没個性の薄めりゃいいだろって感じのものも散見されてて、えぇ、なんだろうなーとか思わなくもなかったんですね。でもでも、この一本は唯一無二の味。激旨でございます。

奥さん的には常温で試飲したときの方が好きだったと言ってますから、冷やした佇まいは好みが分かれるかもしれません。でも、この麹の素敵さはぜひ一度飲んでみて欲しいと推薦しまくりたい一本ですので、ぜひぜひお好みの飲み方でどうぞなのです。




日本酒用の肴というか魚が届いたので、横山五十の生、おりがらみです。

ちなみに今の出荷は火入れになると聞いてますので、辛うじて生酒を飲めたんですね。

香りはしっかりとした甘味を含んだ佇まい。マスカットの香りですよって聞いてましたが、立ち香ではそこまで感じません。

口に含むと、いやなにこのマスカット香。鼻に抜く前からブワッと香ります。素敵。

甘さも香りも強いのですが、酸味がとても上手にバランスを取ってる印象で、重たさはない。

後味にはちょっとしたにごりというのか、雑味というには美味しい成分が漂ってて、このあたりは精米が50%だからかも。山田錦ファンじゃないんから思うのかもしれませんが、もしもっと磨いたお米だったら、この余韻がべったり甘くなるのかなという気がしますから、50%はちょうどよかったのかなと思うのです。

奥さん的には白ワイン、リースリングとかって言ってましたが、1年目の確蔵の記事を読み返したら、白ワインとか書いてますね。アタックの果実感に通じる甘酸がその印象で、通じる味なんでしょうね。

三千円台の純米大吟醸ですから、コスパ含めてとても秀逸な一本だなと、美味しく頂きました。

|ω・`)火入れも飲みたいでござるよ。







日本酒を続けられない体質になってきたので(笑)、やっぱり続きは焼酎。ちょっとブレイクで、今年の錫釜の薄にごりを。

昨年飲んだこやつがめちゃくちゃ美味しくて、来年も絶対飲もうって思ってたんですよ。4月の試飲会で薄にごりじゃないやつは飲んできてて、美味しいけどあの感動はにごってなんぼやったんやなーとか思いつつ、超楽しみ。



うーん、軽い。なんかにごり成分が少ないんじゃないかなー。前回は氷にまとわりついてたんですけど、今回は足りてないなー。美味しいだけに、もうひと押しなんですよねー。

でも好きなんですけどね。




その後は、ちんぐを黒白とロックで復習して、黒を飲めば「俺やっぱ黒が好きやわー」 って言って、白を飲めば「やっぱ白が王道やねー」とかほざく有りさまでして、ほんとすいません…。


そして本日も幸せな料理たち。

昨年初めて食べたものの中でも一二を争う名品、冷汁が始まってまして、締めじゃなくて着席と共にオーダーしちゃうわけですよ。

(゚д゚)ウマー。



他にも、煮魚、焼き魚、黒はんぺんなぞ。えぇ、本日も満足でございました。

やっぱり両隣に龍宮とちんぐを薦め散らかして、楽しい出会いもあり、幸せな週末の夜が更けていくのであります。


やまん
千葉県柏市東上町2-3
04-7163-6602

2015年5月22日金曜日

外飲みメモ:花巴 山廃無濾過生原酒 宮下米自然醸造 酵母無添加@銀座 君嶋屋さん

久しぶりの日本酒ネタは外飲みです。ちょっと都内に用事で出かけた夕刻、時間があったので君嶋屋さんに寄ってきました。今回はお目当てがあって、それがこの花巴。

花巴自体はそれほど縁がある酒ではないのですが、今回のこのお酒はかなりマニアックな一本。というのも、お米が「龍の瞳」という食米なのですね。

「龍の瞳」、出自が謎な不思議なお米で、国内でも有数の高級米です。詳しくはサイトを見て頂ければと思いますが、以前このお米を実家からもらったことがありまして、すげぇなぁと記憶に残ってるのです。炊きあがりの米の粒の大きさが尋常じゃなくて、いやもうちょっと気持ち悪いくらいの迫力。僕はそれほど米好きの人間ではありませんが、確かに普段のお米とは違うなと関心したのでした。

そんなお米でお酒ですか、ということで、ちょうど時間が取れたので飲みに行ってきたのです。


グラスに注ぐと、かなり色味が付いています。その雰囲気に違わぬ熟成酒の系統の香り。

注いですぐは酸が強く、後味が妙に軽い。バランスはあまり良いとは言えず、ネタものかな?という感じもしつつ。

グラスを回して空気に触れさせると、膨らみが出て、香りと調和した味に。甘みはかなり控えめだけど、ドライな印象ともまた少し違う、旨味が主体で甘味がない味わいは独特です。

88%精米ですが、濁ったり雑味なんかはなくて澄んだ味わい。酸味のせいでよけいそう思おうのかもしれません。

お店では冷で提供されてましたが、常温からぬる燗の方が向いている気がします。

酒米と比べて甘味が伸びない印象ですが、それを補う濃い旨味は独特の存在感があります。これが新酒というのですから、寝かせてコッテリさせたい気もします。生生で熟させたいですなぁ。





銀座君嶋屋
東京都中央区銀座1-2-1 紺屋ビル1F
03-5159-6880


2015年4月29日水曜日

外飲みメモ:長雲長期熟成貯蔵・夢鏡・その他焼酎いろいろ@柏 やまんさん

都内某所の利き酒会に行ってきまして、そりゃー帰りは美味いものと美味い酒を飲みたくなるわけでして。

えぇ、毎度ここしか浮かばない、柏はやまんさんでございます。


数時間前に蔵元とお話したあとに飲む長期熟成は格別ですな。まだビンテージ表記が無い時代のもの。



見たら、2008年の詰口じゃないですか。つまりは十数年物ということですね。濃密で、豊潤って味わいは満足度が高いどころの騒ぎじゃないと。



見たことない芋焼酎があったので。夢鏡。聞けば園乃露でお馴染みの植園さんのでした。最近流行りの華やかタイプ。安田よりは正木の方が印象が近い味でしたが、一段濃いかもしれません。旨すぎて、終盤飽きちゃうタイプかなぁ。最近思うのは、このタイプの味の他の飲み方ってどんな塩梅なんだろうかなと。この日の利き酒会でも安田が出品されてたけど、温かいのは提供されてなかったからなぁ。

あとで思い出したけど、danchuの焼酎の回で一押しだったやつですな。






その他、何のんだっけ。龍宮は炭酸で飲んで、うーん、なんかカパカパ飲んでます。開店すぐにおじゃましてますけど、それまで午後からずっと飲んでますから、そりゃー酔っぱらいですわ、えぇ。

いつもどおりお魚を食べて、手こね寿司も食べて、アンチョビポテトも食べて、えぇ、幸せでございました。



やまん
千葉県柏市東上町2-3
04-7163-6602

2015年4月11日土曜日

若波 純米吟醸 26BY

若波の新酒が来たので飲んでみました。初めて若波をちゃんと飲んだのは24BYの純米吟醸ですので、二年ぶりくらいのお久しぶりなのです。

冷蔵庫から出しての冷や冷やで開栓。
事前情報で、冷えすぎてるとイマイチとの話も聞いておりますので、のんびり飲んでいきますが…

確かに、冷たいとかなりあじがばらつきます。作りが甘いなって感じになっちゃうから、非常にもったいない。香りも立たず、冷酒では出しちゃだめですな。

室温くらいまで暖めると尖りが消えて旨味がわき、綺麗さが表に出てくる。
香りというか、風情は苺。メロンでもりんごでもぶどうでも、純米で感じたバナナの白い所でもなくて、いちごがピッタリとは奥さんの言。超なっとく。
舌先から後味にかけて一貫して残る酸味の印象からかな
吟醸香は淡く柔らかに香り、ちゃんとあるけど主張は強くない。このあたり、二年前と同じような印象です。

ちょっと甘酸っぱい今風の味でも、やり過ぎずしつこくない塩梅で留めてるのがこの蔵の好印象なとこかなと。


自家製のホヤの塩辛。
磯の香りに完敗。合わねー。


つうか、あんまり合うものが浮かばない。食中酒じゃない印象なのですな。強くないから、サラリとこのお酒の味を楽しむのが吉な気がします。吟醸香が強いわけでもないんですけどね。





おまけ。
若波 桃色にごり。200mlという小瓶での販売で、見た目も味もまぁ可愛らしいこと。
半分ずつ、シャンパングラスでおねーちゃんと乾杯するには面白いかもしれません。ちょっとやり過ぎ感がありますが(笑)




若波 純米吟醸 26BY
若波酒造合名会社
精米歩合 55%
アルコール度数 16度


取手市 中村酒店さんで購入。

2015年4月9日木曜日

山間 特別本醸造 仕込み7号 無濾過生原酒 鬼山間(青) H26BY

飲んだのはバレンタインデーなので、二ヶ月以上も放置しておりました。

山間の青鬼さんです。


我が家は赤鬼さんが大好物でして、去年は記憶にあるだけで3回は買ってます。日本酒購入量が劇的に減っている昨今の我が家で、3度の登場とはよほど気に入ったんですね、俺等。

そんな赤鬼さんにはパートナーがいまして、青鬼さんも当然いらっしゃいます。
規格は特本。でも赤鬼さんよりもお高いというなかなかやんちゃな一本です。


ということで、玄関放置の花冷え程度で開栓。

艷やかで甘味をはらんだジューシーな香り。割としっかり立ち上がる。期待を煽るいい香りです。

含むとピチピチが少し。甘みの後にビシビシ刺激。辛く苦く、キレよくさっぱり。でも旨味は十分で、舌にまとわりつく薄い層は旨さの膜。ジーンとしびれる余韻が長く、味の主体は苦味と旨味。

ちょっとおいて温度が上がると、旨味と甘味がじゅわっと湧き上がる。キレはやや鈍る代わりに、充実の甘旨。冷えてるほうが旨いけど、冷えかたで甘味のバランスを調節できるのかな。


浅草はセキネのシュウマイ。
悪くないけどそんなに合わない。なんだろ。

湯豆腐。
合うなー。淡白な味に旨味を足す感じ。

バレンタインガトーショコラ。
甘さを消して、ビターが重なり激旨。今日一の相性。

甘いものに日本酒って、わりとみんなに意外というかキワモノ扱いされることが多いのですが、実は結構相性が良い場合もあります。

チョコ系はもともと茶色いお酒たちに相性がいいわけですから、日本酒でも熟成系にはガッツリ合いますし、チョコの味をかき消すような強さのあるお酒とも合ったりします。

まぁこれが至上だマリアージュの極みだとはいいませんけど、そんな面白さもあったりするわけで、そういう楽しみが出来るお酒は、やっぱり懐が深い良いお酒だなぁと思ったりするのです。







山間 特別本醸造 仕込み7号 無濾過生原酒 鬼山間(青) H26BY
新潟第一酒造株式会社
精米歩合 60%
アルコール度数 20度


取手市 中村酒店さんで購入。


2015年4月7日火曜日

明鏡止水 純米 垂氷

最近あんまり日本酒飲まないのでネタがないのですが、たまに飲んだ日本酒くらいちゃんと書けって話もありつつ、数週間前のことでございます。

明鏡止水の垂氷。

明鏡止水って美味しいと思ってますが、なぜか買わない銘柄なんですよね。長野酒だからかなぁ、どうしてもハンディを背負ってからのスタートなのです、自分の中で。

でもですね、昨年の某試飲会(ひやおろし後)、先日の某試飲会(新酒)と飲んできて、まぁ美味しかった。とても美味しかった。ほんと、今までの扱いを詫びねばいけんという美味しさでした。

そんなわけで、久しぶりに明鏡止水を購入した次第です。


冷蔵庫から出しての冷や冷やで開栓。

立ち香は、柔らかいバナナ。ちょっと青いバナナ。

口に含むと、舌触りは柔らかなのに、味自体の印象は割とハード。米の旨味と苦味が甘さを抑えてしっかりと立ち上がる。

やや膨らみが足りない。硬い蕾な印象。温度が低すぎますなと。

しばし室温で放置。控えめな乳酸と甘味が湧いてきて、旨味十分でもバランス良い食中酒に。
涼冷え程度が一番美味しい気がしますが、ぬる燗くらいまではいいんじゃないかなと想像できる味です。


じゃがいものガレットと合わせる。
芋のデンプン質に染み入り旨いですな。双方の香りが引き立ちます。

レバーペースト。
うーん。ぶつかってダメですな。

山田錦とは思えない控えめな甘味だと、肉や魚より野菜が合うんですね。

そうか、これ山田錦なのか。べたつかずさらりと美しい酒質は、僕の嫌いな山田錦に振り回されたお酒のまさに対極。


劇的に、ハッとするような美味しさとは違って、まったりと食事の中にあるお酒ですね。とてもとても美味しかったです。









2015年3月31日火曜日

外飲みメモ:龍宮・薩摩おはら・月の中・竹鶴、他焼酎いろいろ@柏 やまんさん

ちょっと前に車で行ったから奥さんしか飲めないやまんさんが再びありまして、それを取り返すかのように飲んでまいりました。

えぇ、写真も取ってないし、正直なにを飲んだか覚えてない…

だって、焼酎の熱燗(ストレート)って、酔うんだもん。酔うよ、酔っ払うよって連呼して頼み続けて飲み続けたら、まぁそういうことになりますな。

覚えてるのは、

  • ホウボウの焼いたやつ、美味しかった。
  • 薩摩おはらのうすにごりは、去年飲んだ錫釜のうすにごりの方が好みだった。
  • 竹鶴のにごり酒は、濁濁してるのにキレよく面白かった。でも思い出せばそんなにもう一度飲みたいほどでもなかった気もする。マッサン、ごめん。
  • 結局乾杯の龍宮炭酸割りがいつも一番美味しいから困る。
  • 今日も手こね寿司を食べた。もう完全に中毒。
くらいで、もっと食べたしもっと飲んだんだけどなぁ。



やまん
千葉県柏市東上町2-3
04-7163-6602

2015年2月17日火曜日

外飲みメモ:浅草ぶらぶら(焼き鳥おか田・カンピオンエール・鈴芳)

お昼を食べそこねた午後、買いたいものもあるので浅草へ外出です。

どうせ浅草なら昼から飲めるだろうと、空腹を理由にまずは酒場へ。


14時も過ぎれば人気店も空いてるかなということで、焼き鳥おか田さんを選択。
それでも辛うじてカウンターに二人分が確保できるのみで、観光地の人気店ってすごいですなーというお上りさんでございます。

写真はありませんので食べたものと飲んだものの感想をだらだらと。

ピクルス。
キリッと透き通った味で、非常に美味しい。濁りがなくて脂と合わせるのに最適です。真似したい味。

セロリとみょうが。
これもピクルス的なさっぱり味。こっちはちょっと滋味深く、箸休めといういは美味しすぎる。

白レバー刺し。
秀逸ですなー。鶏レバ刺しはいつでも入手可能なんですが、若鶏だから脂は載ってないんですね。白レバーの濃厚さはやっぱりちょっと別物で、それでいてプルプルの食感は素晴らしいの一言です。丁寧な下処理のためか、臭みはなくて美味しさだけを凝縮した謎の物体って感じです。
岩塩でもどうぞって案内されるのですが、臭みを隠す醤油は不要で、むしろ塩最高。塩わさびをちょっとずつで、レバーの香りが引き立つのでした。

もも刺し。
こちらは一転ルイベ状態。冷凍してあるため食感には求めるところがありませんが、味の濃さは素晴らしく、なかなかの美味しさです。
逆に言えば、先の白レバーのクオリティに感服できるおか田さんでも、正肉の刺し身となると鹿児島の味には伍すことができないのかなぁという、本場クオリティを思い出したのでした。

串盛り10本。
おまかせなんですが、希少部位もふんだんに織り交ぜたバラエティに富んだ内容で、とても良心的です。その上、それぞれの串がまたちゃんと美味しい。これまでの焼き鳥ランキングでも上位に食い込んできます。
白眉は背肝。希少性が語られがちですが、味自体がこれでしか味わえない唯一なものと感服です。

お酒は、ビールに始まり、なかむらのお湯割り、もぐらのロックと芋焼酎三昧。お湯割りも美味しく、おいしい食事をおいしいお酒で楽しめる名店だなぁと。
あと、奥さんが飲んだ白州のハイボールが激旨でして、今回の一番の収穫だったと言っても過言じゃないですな。あのハイボールを飲みにおか田さんへ行けるなと。とにかく家で作る同じ白州のハイボールとは異なる飲み物でした。

もう少し食べたかったのですが、どうせ別のお店をめぐるだろうなと一先ず終了。立地と味と値段のバランスがとれた、大変美味しいお店でした。


その後はかっぱ橋を買い物がてらぶらぶら。買う予定のないものまで買いたくなってしょうがない、ほんと迷惑な場所ですよ、えぇ。


17時も近くなり、そろそろ次のお酒をと、いつもどおりのカンピオンエールさんへ。

左がコーヒーミルクスタウト、右がブラウン。

コーヒーミルクスタウトは、その名の通りコーヒーが入ってて、ミルクというか乳糖でほんのり甘みを付けたんだとか。もう終わりの頃なので、出来たてほどコーヒー感がなくて香ばしさになってるって伺いましたが、どうしてどうして、後味の更にあと、口に残った残り香には確かにコーヒー。すまん、ミルクはわからんかったw

ブラウンはその名の通りの色合い。非常に美味しいんだけど、優等生ってコメントに困るなぁという味。



つまみにローズマリー風味なフライドポテトを。マヨネーズなディップが美味しくて、久しぶりにポテト満足です。


18時も近くなったので、お目当ての○吉八さんを目指す。



不定休の壁は高いんですね…



気を取り直してホッピー通りへ。

ホッピー通りではこれまで数軒おじゃましてますが、わかったことがひとつ。混んでる店が旨いということ。当たり前ですね。素直が一番です。

という真理を見出した恩人ならぬ恩店、鈴芳さんに。辛うじて座れる席を陣取り、きろくのお湯割りを。当然のようにもつ煮込みを頼み、前回美味しかったハチノスもオーダー。

もうね、ここのもつ煮はお手本の美味しさですよ。特徴的な味ではなくて、王道で旨い。

そしてお気に入りのハチノス。ピリ辛の…漬け込んであるのかなんなんのかよくわからない激旨な一皿は、これを食べにこの店にこれるなという逸品。もつ煮込みとすじ煮込みが当然の定番なんですが、両雄に負けず劣らずの名品だと思ってるですよ。


今日も浅草で満足でございます。

え?ホッピー通りを一軒で終えたのかって?そんなことあるわけないじゃないですかー。


本日の美味しい記憶を台無しにしてくれる大ハズレな2軒目に行きましたよー。どことは言いませんが。まぁそれもまたホッピー通りなのです。


焼き鳥おか田
東京都台東区浅草2-5-8
03-3844-0965


カンピオンエール
東京都台東区西浅草2-2-2
03-6231-6554


鈴芳
東京都台東区浅草2-5-1
03-3841-6081

2015年2月5日木曜日

美丈夫 特別純米酒 しぼりたて生原酒 H26BY

美丈夫はいろいろ飲んできてますが、このラベルはお初にお目にかかります。美丈夫の特別純米の新酒、生原酒です。

勝手な印象ではあるのですが、美丈夫のラベルって淡い色のものをよく見てきたせいもあって、この青色はなんとなくイマイチ感があったりなかったり…

まぁIngress的にはレジスタンスブルーなんでいいんですけど。


冷蔵庫から出しての冷や冷やで開栓。

ジュワッとジューシー。果実味が強く、ほんのりピチピチ感。香りはそれほど強くないのだけど、口に含んだときの印象は強い。

余韻に程よい酸味。余韻自体はそれほど強くないのだけど、細く残る印象。

温度が上がると旨みと甘みが増すのだけど、爽やかさは変わらず、食中でも心地よいまま。


刺身。脂を流して良い寄り添い方。マッチするとはちょっと違う気もするけど。



3日目。コクは減ったけど、果実感は相対的に強く、爽やかさはより一層際立ってきた。メロン系の佇まいは確実に女子向けですな。

何かに合うというよりも、単体でクイッと飲みたい味。

と思いきや、魚、というか明太子やけど、乳酸の酸味も奥底にあるおかげで、魚類の生臭さを流して素晴らしい相性。単体で飲んでる時とは全く印象が異なり、爽やかさが影を潜め、底から味を持ち上げるような組み合わせ。


美丈夫は美味しくて大好きな銘柄ですが、日持ちしないイメージが自分のなかでついちゃってるのがなーと思うのですよ。でも今回の一本は、3日目で飲みきっちゃったから続きはわかんないんですが、それでも今までのちょっと弱々しくなっていくだけとは異なる印象があって、新しい出会いでもありました。うまかねー。





美丈夫 特別純米酒 しぼりたて生原酒 H26BY
有限会社濱川商店
精米歩合 60%
アルコール度数 16度


取手市 中村酒店さんで購入。

2015年1月24日土曜日

外飲みメモ:まーらん舟・遊穂・白隠正宗・櫻井・龍宮・八幡・薩摩茶屋・球磨の泉@柏 やまんさん

先日、車だから飲めないのにおじゃまして苦行をこなしたやまんさん。本日は電車ですよ。飲みますよ。


お通しのポテサラ。
すまぬ、美味しすぎてやっぱり写真を撮るのを忘れてがっついた。どんぶりいっぱい…以下省略。



白菜サラダ。
なんでこんなに美味しいんだろうなぁ。家で食べる新鮮白菜でも、こうはならない。なんだろうなー秘密は。



今日のお魚はグルクン。揚げてもらいました。
正直、すまんかった、この状態なら撮るなって話ですが、まぁ、記録ということで。

それにしても美味い。完全に頭からしっぽまで、キレイに食べられます。家でもこの捌き方で揚げるんですけどね、フライヤーみたいな大きさじゃないからキレイに開かないんですよね。結果、骨への油のまわりがいまいちになるのかなぁ。

そんであれですよ、やっぱりタレが違うんよね。もう絶品。魚の捌き方とか揚げ方とか、練習したからちょっとは上手になってきたんですけど、このタレは真似できません。



手こね寿司。
やっぱり今日も食べた。前回と魚が違うためか、印象もちょっと違ってワイルド感があります。今日も美味い。あかん、書いてるとまた食べたくなるですよ。



正直、ここからは何を頼んでいいか迷いすぎるので、お任せでなんか出してと頼むことに。

鶏もも肉のあぶり。
めっちゃ味濃い、超濃厚。やまんさんの料理はお酒に合うのはもちろんなんですけど、単純に食事として食べても美味しいものばかり。なんですが、これはあれやね、酒とセットじゃなきゃもったいないというか怒られるというか、別にこれで白米掻っ込んでも美味しいんでしょうけどねぇ、えぇ、でもやっぱりお酒じゃなきゃって味でございます。



写真撮るの忘れたけど、やっぱり唐揚げも食べてます。毎度毎度、感服でございます。
あ、カツオの腹皮も食べたんだ。塩味がキツすぎず、今まで食べた腹皮の中で一番美味しいとは奥さんの言。至極同意でございますな。

黒はんぺんフライ。
そういえば、食べたことありませんでした。地味な味なんですよね。それがまたお酒を呼び寄せるといいますか。日本酒でも焼酎でも、どっちにも合う味ですが、ガツンと辛子を付けるなら焼酎のほうが楽しいですな。



めっちゃ食べてますが、それに見合っただけ飲んでもいますよ、えぇ。

スタートは、25度のまーらん舟のソーダ割り。
あんまり飲んだことないんですよね、25度は。近場で買えないからしょうがないんですが。
そして謎の華やぎ。南国フルーツ的な酸味と甘味が感じられます。いつもの龍宮よりも夏向きの味かもしれません。家にも常備したいなぁ。


珍しく、やまんさんで日本酒。だって気になる銘柄がいっぱいでして。

遊穂の熟成酒。
遊穂自体それほど馴染んでませんが、キレイでも骨太の印象がある、確かに熟してもよさげな風情だなーとか思い出しつつ。なんでも、イベントとかで出してたものを販売したんだとか。




60度ですが、なかなか強気の温度が指定されています。さすがにそこまでじゃないにしても、熱めの燗をつけてもらいました。

思ったより熟した印象ではなくて、旨熟レベル。酸味の名残のようなものが、独特の香りとなって主張します。辛味もあとから湧いてきて、確かに熟成酒だけど、ピークはもしかしたらまだなのかもしれない力強い旨味です。

冷め始めると、酸の名残が輪郭を強くして、旨味を掻き消す印象。熱めのままが良かろうもん。

冷めきって常温の燗冷ましは、また別の旨さに落ち着く。旨味復活、香り控えめ、酸味はさらりと流すアクセントで、コシが座った味でございますな。うまー。



白隠正宗も好きな銘柄ですが、なかなか飲めないんですよね。そんな久しぶりの一杯は、初めてのお米、愛国のきもとでございます。





愛国、全く聞いたことがありませんでしたが、古いお米なんですね。

ちょっと調べると、身上起(しんしょうおこし)というお米の選抜米なんですね。早生のものを選抜したから、身上早生と呼ばれてたそうです。それが愛国という名を持つんですね。愛国としては宮城県から広まったお米なんだそうですが、由来は南伊豆が発祥の静岡のお米なわけです。

そんな愛国、登録上はかなりの品種の親になっています。でも子の一覧を眺めてみると、現在主流として使われる酒米は見当たりません。というか、そもそも酒米として広まったわけじゃないくて、病気に強くて多く収穫できることから広まった食米なんですよね。

まぁそんな感じのお米なんだそうですが、飲んでみての感想はなかなか不思議なものでした。

すっきりとした生もと。これは白隠正宗の特徴が強いのかもしれません。軽くて、なんなら爽やか。
お米の印象は、甘さが控えめで、旨味も伸びない。でも満足度があって、カツオの腹皮なんて濃ゆいものにも負けない不思議な美味しさです。飲んでいてしみじみ旨いって感じるような強さはないのですが、余韻が思ったよりも長くて、そこが最終的な味の強さ、満足度の正体なのかもしれません。ドハマりする味ではないのですが、経験値としてはとてもおもしろい一杯でした。



焼酎に戻って、飲んだことないひとたちを。

櫻井の雄町。結構前から限定品として出てるんだそうです。櫻井はそれほど経験値がないからなー。
お湯で飲みましたが、美味しいんだけどやや物足りない印象。龍宮の美山錦のときも思ったのですが、酒米を使うと青いというか若いというか、まあちょっと固めの風情になるんですね。芋でもそれは同じ印象。でも、芋だと甘みや風味の物足りなさが顕著に出て、バランスがいまいちに感じます。

ちなみに美山錦の龍宮も寝かしたら青さが取れてきましたから、この雄町の櫻井ものんびり数年熟成させたら面白いんじゃないかと思うんですよね。





ちょっと味見で頂いた謎のかめ仕込み。
この瓶のかめ仕込みは、通常はどこで入手できるのか、マニア心がくすぐられます。詰口は2014年なので味自体はまだ若め。というか、ずいぶん軽やかなかめさんですな。やっぱり美味しい。




ここからは愛する銘柄たちでまったりと。

八幡。お湯が映えますなぁ。ろかせずは、瓶で買ったことがないので、飲める時に飲んでおきます。この濃さ、香ばしさ、むふぉー。




写真がない前割の人達。

薩摩茶屋の前割り。ストレートでもらいましたが、もうね、完成度が違いますよ。この一体感。水割りと前割りは明確に別の飲み物であると、ここに宣言しますって立ち上がりますね、もう。

締めは球磨の泉の前割りで。
米焼酎はそんなに飲まないんですけど、球磨の泉はふっと飲みたくなります。軽やかで、締めにはふさわしい一杯。こちらもストレートで。
香りがたまらないですなぁ。吟醸香に通ずるエステル感、思い出したようにお米も穀物やねぇって感じの香ばしさ。前割りのおかげで、味も香りもすごくクリアに判ります。


いやー、よく食べてよく飲んで、ご常連のおじさまとかおにいさまとよく語らい、えぇ、久しぶりに心ゆくまで外飲みを堪能させていただきました。毎度ごちそうさまでございます。


やまん
千葉県柏市東上町2-3
04-7163-6602