2012年12月31日月曜日

旭若松 純米 生原酒 20BY

会いたくてもなかなか会えない代表格、旭若松。

会えないなぁ、このお酒には。石高が少ないからだろうけど、そんなにいろんなお店で扱ってないから仕方ないのですが、ほんと出会ったら即買の銘柄です。

なんて即買いとか言ってますが、実は居酒屋で飲んで以来初めて瓶で購入できました。その時と同じ純米生原酒。なので旭若松の他の味は知りません。が、もうこのお酒は一発で惚れてしまった一本です。

この瓶はお店で寝かした貴重な20BY。ありがたやありがたや。

香りは複雑。強くはないものの一般的に思う日本酒の香りとは一線を画す。ドライフルーツというかローストしたナッツというか、芳ばしくもありねっとりともする濃密な香り。強く香り立つわけではないけどしっとりとグラスの中に佇んでいる感じ。

味わいも濃厚。舌を痺れさすような刺激とカカオのコク。余韻が長く、喉を過ぎても口のいたるところに味の痕跡が残る。
強い主張なのに食べ物を邪魔しないのもまた不思議。



開けてからちょっとずつ、結局二ヶ月に渡って味わってきたのですが、全く劣化せず熟成というか進化していく。

よりフレッシュになっていくというか、アタックが弾けるようになっていく。空気に触れたせいなんだろうけど、熟成を経て濃密になった味や香りが再び弾けていく感じといいますか。

いやー、感動するなぁこの酒は。





旭若松 純米 生原酒 20BY
那賀酒造有限会社
精米歩合 雄町・日本晴 65%

横浜君嶋屋さんで購入。

屋守 純米無調整生 おりがらみ24BY

屋守のおりがらみ。結構しっかりとしたおりが楽しみな一本。

玄関放置の冷やからスタート。本質的な部分は、いつもの屋守が豊潤だから、おりがらみだから特段濃くなるということもなく、安定した甘み。

香りはさほどでもなく、ほんのりと。おりがらみらしいお米の香り。

ほんのりと微発泡感がる刺激と、おりによる薄い苦味が屋守の甘みとはまた違った味を見せてくれる。

温度が上がるにつれて、少し甘みがもっさりしてくる。
屋守はすごく美味しくて好きなお酒なんだが、一升瓶で飲むお酒じゃないというイメージがあるのはこの甘さのせいかな。

一方で、おりがらみのためか苦味もキツ目になってくる。そのおかけでいつもよりは飲み進められるですな。
実際、スペックを見るとかなり辛めの数値。温度がきちんと低めなら、甘くて苦くて旨くてキリッとする相反する味が同居する面白さが楽しめる。

旨味というより甘みの印象が鮮烈で心地良い屋守は、食中酒よりも食前酒、乾杯酒が向いていると思っていますが、今回飲んでもやはりそう思う。
一方で、このお酒と合う、すごくあうアテはなんだろうなぁとも。



二日目。ちょっとダレるなぁ。キリッとしたところが消えてしまって、苦味がくどくなる。おりがらみだから余計そうなるのかな。やっぱり抜栓後のフレッシュ感を楽しむのがこのお酒には似合うのかな。






屋守 純米無調整生 おりがらみ24BY
豊島屋酒造株式会社
精米歩合 八反錦 麹米50%/掛米55%
酸度 1.4
日本酒度 10.5

取手市 中村酒店さんで購入。

2012年12月26日水曜日

秋鹿 純米吟醸 山田錦 無濾過原酒 23BY

久々の秋鹿の吟醸、速醸もと。玄関に二時間放置で常温に戻しておいた。

2012年4月の上槽で、こんなに熟成感がある不思議。でも重たくないんだよなぁ。

香りはほんのり。口に含み、香りを鼻に抜くとむせ返る程の香りがするのだけど、直接香ってもほんのり。

アタックは優しい。すぐに口中に広がる米味、米香。喉を通した後も、発泡感のような刺激と共にじわじわと米味が残る。

イカワタ焼きと合わせる。脂の嫌な部分だけを流して、コク味を足してくれる。
イワシの生姜煮と合わせる。濃い目の醤油味が薄まらずにマイルドになる感じ。こういう効果もあるのか。まさにマリアージュ。

しかし秋鹿は山廃もとでも速醸もとでも基本の味が変わらないなぁ。なんだろう、山廃だけど秋鹿だねとか、速醸もとだけど秋鹿だねとかとかそういうことではなくて、秋鹿は秋鹿の味だなぁと。
もちろん、香りの感じや後味とかには速醸もとらしいいい意味の軽さ、綺麗さがあるんだけど、そして多分寝かしたら山廃とはまた違うんだろうけど。



一週間ちょっと寝かしてみた。冷蔵庫だけど。

喉越しが優しく、心地よかった刺激がなくなってる。物足りないかと思いきや、味のついた水と言いますか、旨味のある水といいますか。アルコールの感じが嫌な人に飲ませてみたいなぁ。カッと来る感じが全くなくて、なんか旨いものが喉を通り過ぎていくですよ。

温度が上がってくると、刺激が復活。つまりは、キンキンに冷やすと旨味だけが残り、温度が上がるに連れて旨味に加えて刺激が増してくる。
燗上がりの手前の温度でも楽しめるのに、その温度でも不足がないというのが秋鹿クオリティ。

じわじわ温度を上げて味の変化を見ていくと、一番変わるのは芳ばしさみたいな部分。温度が上がるにつれて、樽酒の樽香のような味わいと香りが増してくる。乳酸の香りだけじゃなくてこの芳ばしさがあるから奥深いのかなぁ。




秋鹿 純米吟醸 山田錦 無濾過原酒 23BY
秋鹿酒造有限会社
精米歩合 山田錦 60%
酸度 2.7
アミノ酸度 1.5
日本酒度 +6

大洗町 酒舗おそのえさんで購入

まーらん舟 2006

心の酒、龍宮の富田酒造場さんが醸す奄美黒糖焼酎、まーらん舟。

もう残りが少なくなったなぁ。久しぶりに少しだけロックで飲む。

とろける甘さ、しびれる香り。辛くて甘い、甘さにスキがない、この甘さは唯一だなぁと何度飲んでも思う。形容しがたい黒糖の香り。こればっかりは飲んだ人しかわかるまいと言いたくなる、唯一無二の味わい。だからみんな飲んで!

キンキンに凍らせて飲むのも美味しいけど、(場所の都合上)常温を冷し直すもよし。いやまぁ常温を生で飲むのも至高の一つなんですけど、ちょっとまったりなのでゆるゆる溶かしながら。

ものすごく甘くて、ものすごく辛くて、脳みそに響く味。心の味。




まーらん舟 2006
有限会社富田酒造場

瀧自慢 純米 しぼりたて生酒 24BY

去年美味しかった記憶の一本。今年も美味しい。

旨みたっぷり、芳醇、豊潤の酒。じゅわーって擬音がよく似合う。玄関放置の冷やからスタート。

香りは強くない。ごくごくわずかに甘い香り。

味わいは、したたる、とか、あふれだす、とかそんな感じ。もうじゅわーと。うまいなぁ。単に旨口なんじゃなくて、若くて旨いなぁと。
鼻から香るだけだとほんのりなのに、口にふくむとぶわーって、もうぶわーってなる。ほんと若々しさが楽しめる。

口中で転がすとほんのり乳酸の香りが立ってくる。ホエーのような。
ラベルには冷やのままお召し上がり下さいって書いてある、確かにこの味わいは単に旨味を求めるならぬる燗くらいまでは更に旨味を増すのかもしれないけど、冷たさによる引き締めが若さの演出なのかなぁと。旨すぎる、溢れ出る旨味を、冷たさが引き締めるということですなぁ。

この旨味は秋鹿をちょっと軽くしたようにも感じる。旨味と酸味のバランスがいいんだろうなぁ。温度があがるとこれが崩れるのかな?もったいなから美味しい温度で飲んじゃうけど。

といいつつ、最後の一杯は冬の常温まで上がり、あぁ確かに旨味が乗りすぎる。ちょっと冷やした位が飲み頃ですな。おっしゃるとおり。




瀧自慢 純米 しぼりたて生酒 24BY
瀧自慢酒造株式会社
精米歩合 60%

2012年12月25日火曜日

鶴齢 純米酒 雪男 活性にごり 24BY

にごりの雪を踏む雪男のラベルがかわいい、うすにごりの低アルコール発泡酒。

切れ味の良さはさすがの鶴齢。吹き出すほどじゃないけどしっかりした発泡具合も相まって心地よい。

香りは控えめ。鼻に抜いてもそんなに香らない。

味も控えめ。後味もさらっと消えてもたつかない。でもちょっと旨味が足りないのではと感じてしまうさっぱり感。
アルコール度数が11度と低いため、アルコール感による旨味がないからかな。呑兵衛にはちと物足りない。つまりは食前酒なんかに使っても良いかもしれないですな。

鶴齢の濁りはいつもの濁りのほうが良いかもしれない。美味しいんだけどリピートはないかな。上手に使いドコロを考えたい一本ですな。

キレイさといいさっぱり感といい、すっと消えていく姿は雪男より雪女。





鶴齢 純米酒 雪男 活性にごり 24BY
青木酒造株式会社
精米歩合 60%

太平海 本醸造 無加圧 24BY

この時期の贅沢、無加圧。以前蔵におじゃましたときに初めて買って飲んで以来、年に一度のお楽しみです。

ちなみに、今の今までこのお酒が本醸造だとは知りませんでした。値段も本醸造クラスじゃないですけど、それ以上にクオリティが高くて高くて。
まぁ本醸造大好きですけどね。

濃厚な香りがほんのり、香りすぎない。

酸味はごくわずか、新鮮味による弾ける感じがアクセント。五百万石ならではのおとなしい甘みが心地良い。濃厚でもあとに残る甘さはさほどでもなく、すっと消えていく。
まさにフラットというかマットというか、そういう味わい。

温度が上がるにつれ、味にツヤが出てくる感じ。ちょっと熟成したような。口に含んでいるとジーンとしびれる感じとともに鼻にもう一回り濃厚な香りが抜けていく贅沢。



二日寝かして再び。
引っ掛かりがなにもなく、口に入って喉に落ちる。うまい水。いやまぁアルコールはあるんだけど。ほんのりとした甘み、五百万石独特の甘さが際立ってくる。

タイ風サラダ、辛い、でも合う。甘さがほどよく辛味を消してくれる。ナンプラーの匂いは日本酒に合うなぁ。まぁ日本酒がそれなりのクオリティじゃないと保たないかもしれないけど。

平目の昆布締めと合わせる。魚の生臭い部分(まぁほとんどないんだけど)だけ流して、昆布と平目の旨味がお酒の甘さを旨味に変える、濃厚さが増す。




太平海 本醸造 無加圧 24BY
府中誉株式会社

取手市 中村酒店さんで購入。

2012年12月24日月曜日

墨廼江 特別純米 本生 24BY

墨廼江も新酒。墨廼江の新酒はBY1のイメージが強いのだけど、今年は特純でスタート。

震災以降、年々味がのってきている気がする。もちろん美味しいのだけど、墨廼江の端正な感じがちょっとずつ無くなっていっている気もしてしまう。
新酒でこの味のりだと、夏ごろにはさぞ芳醇だろうなぁ。

あ、美味しいんですよ。後味はあぁ墨廼江だなぁと感じる味ですし。ただ、アタックがちょっと強く感じてしまうのですよ。
一見(なのか一飲)すると薄くね?ってくらいの端正なイメージが特徴だったと思ってるので、ちょっと旨味に迎合しちゃいないかと思ってしまう。
いや、何度もいいますけど、美味しいですよ。

今日は玄関放置の冷やからスタート。いつもの墨廼江よりも酸味を感じる。甘みは上述の通り。だんだんこなれてるくるのは空気に触れたせいですかね。
後味はいつもの墨廼江。さらっと消えて仄かに酸を残す。

徐々に温度が上がるにつれて味が更に乗ってくる。美味しいんだけどなぁ。昔の墨廼江を思い出すと今のは旨すぎるというか、いや別に昔が旨味が足りなかった訳じゃないんですけど。軽く、キレイで旨いという絶妙なバランスは墨廼江しかなかったと言いますか。なんだろうなぁ、もどかしい。いや、何度でも言いますけど美味しいんですよ。

もう少し常温に近づいてくると、辛味が出てきて一転切れ味がよくなり、旨味の濃厚さが少しおとなしくなる。その代わりなのか、後味にも辛味が残り主張が出てくる。

平目の刺身と合わせる。寒平目の旨味と濃くなった旨味が交じり合って、残るのは墨廼江の爽やかさ。いつもながら海のものとの相性は素晴らしい。特に白身だなぁ。そこは昔から変わらない。
というか、今日はすごくいい平目を入手したらか墨廼江指名買いなんですけどね。

なんだろう、すごく美味しかったし、キレイで美しくて言うことないんだけど、ちょっと愚痴めいてしまって申し訳ないですよ。(´・ω・`)ショボーン



さて二日目。玄関放置で一日寝かす。

以外というかなんというか、墨廼江を寝かせる発想は今までなかったんだけど、たった一日はいえ日を跨いだらなにこれ。尋常じゃない味のり。旨味、甘み、コク、キャラメル?
今までこの旨味に気づいてなかったのは単に一日で飲みきってたのか、こんなふうに味のりしなかったのか。

いやーうまい。墨廼江の印象じゃないけど旨い。
古さというか、艶のある旨味が出てきている。なんだろうなぁ、こういう味が出てくるお酒とは思ってなかったけど、これはもともとそうなのか、最近そうなのか。
もしかしてお燗してもいいんじゃないかと思ってしまう旨味。

鹿島の地ダコを、唐辛子を漬け込んだオリーブオイル、バルサミコ酢、海塩で和える。二日目のこの墨廼江にはこれくらいの濃さにも負けない濃厚さが。



墨廼江 特別純米 本生 24BY
墨廼江酒造株式会社
精米歩合 60%

取手市 中村酒店さんで購入。

正雪 純米吟醸 うすにごり生 24BY

正雪、初めてのうすにごり。

しっかりした味わいの上に綺麗な味のイメージがある正雪だけど、うすにごりは意外やかなり爽やか。ほんのりの酸味が最初から最後まで口の中を引き締める。そのせいかな、さっぱりするのは。

購入後、4時間玄関放置の冷やからスタート。

香りはほんのり。開けてすぐは鼻に抜くとちょっとアルコール感があったものの、数分で柑橘系の香りに。

味わいも爽やか柑橘系。うすにごりの分だけ味のりはいいものの、ふっと旨味が消えていくから重くならない。ほんのり苦味にが残り後味がだれない。

温度が上がってくると味の底に吟醸香が出てくる。

ちなみにアテはおでん。静岡酒だもん、練り物に合うわけですな。

ほぼ常温まで上がるといつもの正雪の濃さが出てくる。ちょっとした苦味と旨味、飲みやすくて深みがある綺麗さ。

鹿島の地ダコと合わせる。地ダコは塩コショウで。コショウの香りと正雪の仄かな苦味が口の中をビシビシと刺激する感じ。タコの潮の香りとよく合うし、旨味を補い合う。

平目の縁側、即席の漬けと合わす。みりんの甘みと酒の甘みが交じり合って一体化する。熟成させた平目の縁側の旨味に、米の旨味が絡み取られる。口いっぱいに旨味が増幅される感じ。

いろいろ合わせてみて思うが、正雪を単体で飲んだ時の旨味ほど何かと合わせた時の旨味が強くない、強くないというか下支えになる。もう少し主張が強い酒だと思ってたけど、意外と常飲酒に向いているのかもしれないなぁ。

主張が強いものを食べて口中がビシビシしている時に飲むと、じんわりと優しい。

意外なほどにいろいろな面を持っていることを再確認できる、うすにごりの妙でしょうかね。美味しいことは知っていたけど、それ以上に知ろうとしなくてごめんなさいということで。




正雪 純米吟醸 うすにごり生 24BY
株式会社金沢川酒造場
精米歩合 50%
酸度 1.2
日本酒度 +1

取手市 中村酒店さんで購入。

2012年12月23日日曜日

武勇 純米にごり 活性諸白酒 24BY

この季節のお楽しみ、にごりの第二弾。武勇の活性にごり酒。

いつもの武勇の濃厚さがちょっと影を潜めて、爽やか芳醇程度。今年は例年より活性感が少なく、抜栓時も吹きこぼれることなく。

武勇の濃厚さと濁りのコクと合わさったらさぞこってりにごりになるかと思いきや、毎年驚く爽やかさ。

武勇さんは蔵におじゃましたこともあり、その際に仕込み水を頂いたことがあるのですが、このにごり酒はまさにそのお水にお米を溶きましたという感じの生々しさが楽しめるですな。

にごりの分だけ甘みが強く、酸味はほぼない。香りも薄っすら、というか、酒の香りではなく米の香りならするという感じかな。

四合瓶があっという間に消える、乾杯から食中までどこでも満足でございます。



武勇 純米にごり 活性諸白酒 24BY
株式会社武勇

取手市 中村酒店さんで購入。

2012年12月16日日曜日

磐城壽 山廃純米原酒 赤ラベル 23BY

磐城壽では初めての山廃。

冷蔵庫から出して直後からスタート。
香りはごくわずか。ほんのりスモーキー。五百万石らしいフラットな米の味わい。果物でいうならドラゴンフルーツのようなほんのりとした甘さと味わい。
でものどごしはきりりと爽やか。舌にはあまり来ないけど、喉を通るときに香る乳酸が引き締めるのかなぁ。もう少し温度が上がると変わりそう。

温度が上がってきても香りは控えめのまま。味に薄っすら苦味が出てくる。旨さの幅が広がるとてもいい苦味。伯楽星なんかは温度が低いと苦味が強いのだけど、そういう先に立つ苦味ではなく後に残る複雑さ。苦味ではなく山廃の旨味なんだろうけど。
だから飲んだ後にほんのりと乳酸が残るようになってきた。心地良い。

常温に近くなってきたら、キャラメルのような香り、味わいが出てきた。まぁ奥さんの言葉ですけど。キャラメルが好きじゃないからその例えをあんまり使えないのだけど、甘さに糖分が出てきたのはわかる。この甘さは五百万石特有の甘さだなぁ。フラットな、べたつかない上品な甘さ。口に入って、やさしく香って、口中を甘さで満たして、サクッと消える。五百万石は奥ゆかしいなぁと。

ブルーチーズと合わせるとちょっと負ける。出汁味には非常によく合う。

温度が常温に近づくにつれて、ほんのりとした乳酸の香りとともに苦味も消えていく。嫌なところがなくなっていくなぁ。

蒸し牡蠣と合わせる。磐城壽の海の酒の本領発揮ですな。
海塩の香りとの相性がたまらなくいい。喜久醉とのマッチングも良かったけど、福島海の酒との相性は当たり前だが合う。
喜久醉との合い方とちょっと違って、磐城壽を飲むと牡蠣のスープが増えたようになる一体感が面白い。
牡蠣の写真は喜久醉の記事の使い回し。まぁ同時に飲んでるからよしとするです。






磐城壽 山廃純米原酒 赤ラベル 23BY
株式会社鈴木酒造店
精米歩合 五百万石 65%

いわき市 酒のいとうさんで購入。

喜久醉 特別本醸造、蒸し牡蠣と楽しむ

多分これまでで一番飲んでる銘柄、喜久醉の特別本醸造。
この酒に合わないアテはなかったけど、なんとなく蒸し牡蠣には特に喜久醉かなと思って選んでみました。

大正義。大正解。

喜久醉の不思議さが本当によく分かる組み合わせ。
牡蠣の旨味を消さず、下から支える存在になるんだけど、自分の旨味も消えない。牡蠣のようなクリーミーな味には、酸が少ないお酒がよく合うのはわかってるんだけど、旨味がぶつからないのは喜久醉の素晴らしさなんだろうなぁ。相乗効果、マリアージュ。



このお酒が2,100円で飲めることを蔵元に感謝でございます。



喜久醉 特別本醸造
青島酒造株式会社
精米歩合 60%

取手市 中村酒店さんで購入。

2012年12月15日土曜日

美丈夫 純米 しぼりたて生原酒 24BY

美丈夫のしぼりたて。

高知酒らしい切れのよさと、美丈夫ならではのコクのバランスが相変わらず素晴らしい。
特にしぼりたてらしい爽やかさは、発泡性でもないのに弾ける印象。

香りはそれほどでもないのに、口に含むと鼻に抜けるメロン香。純米酒と思えない香りの高さだが、香り立たないあたりは純米酒の佇まい。

香りのメロン香と同じく、味わいも瓜系の爽やかさ。辛口ではないものの甘さの後に軽いピリッとした刺激が後味を引き締める感じがのどごしの理由ですな。

5,6度の屋外で数時間ほど放置したため、冷え冷えではないくらいで開封。濃厚な味から始まり、ちょっともたつく。温度が上がり過ぎかと思い冷蔵庫で30分ほど冷し直すと上述の素晴らしい状態に。



三日目、冷蔵庫から出した直後は苦味がでる。キレイなタイプのお酒には付き物な気がするけど、これはキレイなお酒の証明と思っていいのかどうなのか。
開けてから三日たってもだれない。味わいがほんのり濃くなった気がしなくもないけど、大きな変化ではない。変化を楽しむには向いてないけど、一人飲みでゆるゆる飲んでも美味しいままというのは素晴らしいですな。まぁ一人飲みでもなければゆるゆるともなりませんけど。



美丈夫 純米 しぼりたて生原酒 24BY
有限会社濱川商店
精米歩合 60%

取手市 中村酒店さんで購入。

2012年12月14日金曜日

麓井 輝ら星の如く 吟醸生詰原酒

2012年11月出荷の輝ら星、BYは23でいいのかな?

濃厚だけど古くない、麓井さんなので生もとなんだろうなーと思うけど、生もとらしさがいい意味で少ない。
乳酸の度合いが濃さの裏打ちをする感じで、旨口だけど単にアミノ酸系の旨さだけにならない複雑さがある。

冷やだけで飲みきったけど、お燗してもよかったんだろうな、この手合いの吟醸は。超ぬる燗くらいで。

香りは控えめ、旨口十分。旨口が重たくならないのは生だからかな。よく冷やしても、温度が上がってきても味がぶれない。
どっしりとした安定感があるのに重くない。こう、矛盾する言葉が感想に浮かぶ不思議なお酒、それが輝ら星。




麓井 輝ら星の如く 吟醸生詰原酒
麓井酒造株式会社
精米歩合 50%

取手市 中村酒店さんで購入。

2012年12月7日金曜日

相模灘 本醸造 にごり酒 活性生酒 24BY

今年もにごりの季節。

穴空いてるからなー、冷蔵庫で横にできないしなー、って毎年思って毎年飲み切る一本。

ガスが逃がしてあるから発泡感はそれほど強くない。微発泡レベル。

いつもの相模灘がしっとりしただけ、ほんといい意味でそれだけなので、食中酒として飲んでも違和感がない。

上澄みと濁りと分けて飲んでもよかったかな。もっとクリーミーでもきっとだれないだろうし。

しかしこのクオリティで2,000円ってほんと尋常じゃないコストパフォーマンス。


相模灘 本醸造 にごり酒 活性生酒 BY24
久保田酒造株式会社
精米歩合 美山錦 65%
酸度 1.2
日本酒度 -3

取手市 中村酒店で購入。

常山 純米 超辛秋熟成ひやおろし

初めての常山。最近良く目にしてたけど、はじめまして。

まったり古くて旨い。冷やし過ぎでは古さが匂い立つけど、落ち着いてくると旨みと辛さが立ってくる。
やっぱりお燗すればよかったのかなー。でも四合瓶だったからなー、そこまで酒が回らなかったなー。

ひやおろしよりももっと寝かしたもののほうがいいんじゃないかと思うけど、どうなんだろうか。


常山 純米 超辛秋熟成ひやおろし
常山酒造合資会社
精米歩合 山田錦 60%
酸度 1.6
日本酒度 +10

下館 天貝酒販さんで購入。

2012年12月4日火曜日

山吹極 生もと純米無濾過生原酒


よい、うまい。旨みたっぷりなのに、後味さっぱり。磯自慢に近い旨み、かな?あれほど綺麗じゃないけど。でもまぁよい。

山形酒らしい(と個人的には思っている)甘みの強さと濃厚さ。同じ甘いでも惣邑なんかは和三盆的甘さだけど、これは蜜的なもの。

山酒4号って初耳のお米だけど、最近各県で地元の酒米とか酵母とかやってるのの一環なのかな。

あとちょっと微発泡感があって弾けるから余計に爽やか。原酒じゃないとどうなるんだろうか。
上級者向けの意味はちょっとわかんなかったけど、食中酒になり得る濃厚さということなら成功してるなぁと。

あ、あとこの瓶は5合瓶だったから、コスパ的にも優れてますな。




山吹極 生もと純米無濾過生原酒
朝日川酒造株式会社

いわき市 大喜多やさんで購入。

2012年12月2日日曜日

宙狐 山廃純米原酒


何かに似てるとは奥さんの言。個人的には(悪い意味じゃなくて)薄めの旭若松というか。

温度の幅は狭いものの、それでも上がってくるとなかなか味がのってくる。格別、とまでは言わないものの、癖になる旨みと仄かな香り。多分燗すると変わるんだろうなぁ。

翌日、旨みが増す。常温まで行くと更に良い。マイルド。もう少し香りがあるとなお良いのだが。


宙狐 山廃純米原酒
有限会社田中酒造場

いわき市 大喜多やさんで購入。

磐城壽 本醸造 しぼりたて生 24BY


去年涙した復活の酒、今年もやって参りました。

去年より更に酒質がよく、旨くてサラッと、綺麗な海の酒といった趣。とにかく嫌な感じが全くない。

単に綺麗というだけではなく、旨みもあるのだけど、それがクドくならない。食中酒かといえばそうなんだけど、酒の個性も強くある。
飲み飽きせず飲めるくせに、伯楽星とか喜久酔より主張が強い稀有なタイプかもしれない。まぁ薄濁のアドバンテージはあるかもしれないけど。

喜久酔の特別本醸造と肩を並べる、ハイクオリティー本醸造ですな。

なかなか買えないのが個人的な難点。




磐城壽 本醸造 しぼりたて生 BY24
株式会社鈴木酒造店

いわき市 酒のいとうさんで購入。


2012年12月1日土曜日

千代むすび おやじ極楽 純吟


香りはほんのり。旨みというより米味つよし。苦味に近いコク。
奥さんはだめだったが。

飲むほどに癖になった。温度が上がるほど旨味が増して、常温がピークかな。多分軽く燗してもいいんだろうな。


ラベルで2割増な気もするけど。




千代むすび おやじ極楽 純吟
千代むすび酒造株式会社
精米歩合 50%

下館 天貝酒販さんで購入。

来福 純米 美山錦 生原酒

これはお店で量り売りしてもらったもの。相変わらずのフレッシュさ。

来福のちょっともっさりした甘さが影を潜めて気持ちいい。美山の優しい感じと相まって重くならない。

来福は美味しいんだけどちょっと味わいが強すぎて飲むときを選ぶと思ってるんだけど、まぁようは食中酒ではなくお酒を味わう時じゃないと旨すぎるんだけど、これは食中酒になるなぁと。


来福 純米 美山錦 生原酒
来福酒造株式会社

下館 天貝酒販さんで購入。