2014年6月27日金曜日

上野原 25度

中村酒造場さんの商品の中で最も特殊なというか変わり種の一本、上野原です。

なにが変わってるって、白麹で仕込んだ原酒と黒麹で仕込んだ原酒のブレンドなんですよね。赤ワインと白ワインをブレンドしてロゼとか言っちゃうのはどうなんだろうって感じがあるんですけど、これはそんなふうには思わないからなんなんでしょうねぇ。

これまでも何度か購入して飲んでる愛飲銘柄なんですが、久しぶりに購入したので改めて利いてみようと思うのです。


ぬるめのお湯、5:5。
豊かな甘みが香りと共に広がるけど、すうっと消えていき長引かない。変わって芋のクセと言われそうな香りと苦味がふつふつと湧いてきて、ピリッと辛くなって余韻となる。

白の端正な印象と黒のガツンと来る印象が、それぞれ個性として出ている。強すぎず軽すぎず、面白い。白黒それぞれ美味しさのポイントがあると思うけど、自分の好きなタイプが分かった中級者が飲むと、好きな方面を探って、でも探りきれない謎があって、結果面白い感想になるのかもしれないですな。

粉を吹くような舌触りは中村酒造場ならではの風情。やっぱりお湯になると映えるなぁ。

この日は他に、龍宮、長雲一番橋、八千代伝熟柿、大和桜匠とお湯割りで飲んできたんですけど、お湯割りだと中村酒造場が圧勝するなー。頭ひとつ抜け出るお湯割りとの相性の良さは、蔵の味の根幹なんだと思うのですよ。






上野原 25度
有限会社中村酒造場
アルコール度数 25度


つくば市 たがみ酒店さんで購入。

2014年6月25日水曜日

お湯割り祭り、2014梅雨

第三回龍宮研究会の前日は、芋焼酎のテイスティング大会でした。熟成と言う名の放置プレーの品々、たまには並べて飲みたくなるのです。

今回は全て5:5のお湯割りで。


八千代伝の季節もの2年分。
左から、H25BYのひとつき半むろか、H24BYのひとつき半むろか、H24BYの熟柿、H23BYの熟柿となっております。熟柿は見た目で区別がつかないから、減ってる量で判断するという大変危険な状態。この後シールを貼っておきました。

ひとつき半むろか。
両者とも、荒々しさというか、あの振りまきまくる濃厚な香りが減り、所謂美味しいきれいな八千代伝に。うーん、新焼酎は新しい内に飲みきらなければいけなかったという見本でございました。別に不味くなってるわけじゃないですけど、あの味がなー、しまったなー、もったいないとか言ってて飲み時を逃すとは、どれだけ反省しても…あぁ。

いやまぁ普段の八千代伝だと思えば何の問題もない愛すべき味なんですけどね。もちろん半年ものと一年半ものですから、両者に味の違いはあって、寝ただけの変化もあるわけです。でもなー、発売直ぐのひとつき半むろかの味を知っていると、あぁ、反省。


熟柿。
一転、これは寝かしてもよい酒。発売時点で1年寝てるのです。H23BYの熟柿を買ってなかったら、H24BYが発売される直前に偶然入手。並べて飲む楽しみがあるのです。

粉を吹くような甘みは共通してあり、H23BYは一段と舌触りが柔らかい印象。ベースは何が違うんだろうか、今度聞いてみなきゃですな。



久しぶりの大和桜匠。
このお酒も元々出荷の時点でかめで寝かせた2年モノ。なのでのんびり飲んで変化を楽しんでもいいんです。この一本は2012年に発売されたもの。

オレンジのような爽やかさ。その後のコクは、納豆のような醗酵感。まぁどちらも大げさに書いてますが、寝かせたのに爽やかさが増して、でも濃厚さも濃くなるというなんとも不思議な変化。凝縮されたって書くと爽やかさに対してなんか違うしなぁ。

買った当初の印象は、通常の大和桜に比べて丹精というかワイルドさが少なかった印象でした。それがそのままエッジが効いてきたのかなと思うのですよ。好みでは、今の方が好き。もう少し寝かしてもいいかな。



波花。
第一印象では冷たくって気分でしたが、これもお湯で味見をしてみます。

甘さ際立つ、香り気高く。

香りには軽く硫黄。その感じは舌の上では感じない爽やか甘さ。少しピリッと辛味があり芋の強さが出てくる。紫芋の焼酎をお湯割りした時に感じることが多い、「ちょっと膨らまないもったいなさ」がこのお酒にはないなと。これはビックリの美味しさでした。ここまで冷熱両対応だとは想像してなかった。これはポテンシャル高いお酒でした。すげー。



日用の酒が黒糖焼酎になってから、どうしてもお湯割りの回数が減ってしまってるんですよね。暑くなってきましたし。でもまぁたまにはこうやってイベント的に飲めば、比較検討が出来て楽しかったりするのです。これも定期的にやっていこうかな。

2014年6月23日月曜日

まーらん舟 25度 2011

随分前に購入したのですが、なぜか保管用のお酒たちと一緒に眠ってしまってて飲むのを忘れてました。まーらん舟の25度、2011年のものです

まーらん舟は40度強(原酒)と、30度強の2種類だと思ってたのですが、数年前からこの25度バージョンもラインナップに加わってました。

ずっと飲んだことなかったのですが、昨年赤坂のまるしげ夢葉家さんで開催された富田さんの酒の会で初めて飲んで以来、あーこれはまた度数が高い子達とはまた違った味でたまらんですなぁとなってたわけなのです。

初めて飲んだ時の記事:
外飲みメモ:富田さんの料理で富田さんのお酒をのむのだ@赤坂 まるしげ夢葉家さん


ということで25度のまーらん舟を買いたかったのですが、見かけるのは4合瓶のものばかり。まぁそれを買ってもいいのですが、というか買って飲んじゃったのですが、どうせ買うならグビリと飲める一升瓶で欲しかったのです。

今回入手のものは2011年のもの。昨年は同じく2011年のもので原酒を開栓して、今は主にストレートでちびちび飲んでます。

原酒の記事:
まーらん舟 原酒 2011

余談ですが、この2011年の原酒、結構ドライ。上の記事を書いた時は、爽やかで辛いと書いてますが、今はもう一段甘みじゃないミネラルと香りが辛く刺激しながら主張する印象なのです。
そして先日、蔵元にお会いした時に2012年の原酒を試飲させて頂きまして、2011年と比較しての感想を伝えたのですよ。そしたら、その頃は苦味の出し方にこだわってたから、甘さを立たせない方向になったんだよとのこと。なるほど、味の違いの裏にはちゃんと意図が隠されてるんわけです。


さて本題、25度。

ストレート。
麹と黒糖のバランスが素晴らしい。コメそのものを齧ってるような香ばしさと、黒糖そのものを舐めてるかのようなふくよかさ、丸さ、穏やかさ。
それを辛味がキリッと締めてズーンと重厚な余韻に変える。度数が下がっても、このお酒の本質は変わらないなぁ。お酒には度数に依る旨さが少なからずあると思ってまして、でもその意味での25度のハンディはこの酒には存在しない。

キリッと炭酸で。
なにこれ、とろとろ。炭酸なのにトロっとする。爽快感と充実した旨みが同居する感覚は、炭酸でしゅわっと油を流したり、喉越しを楽しんだりって感じでのむのが違う気がします。炭酸なのにちびちび飲めるし、ぐわって飲めばむはーって満足と言いますか。


先日やまんさんで飲んだときは、水割りとロックを試してます。うーん、どの飲み方もそれぞれの個性があるんですけど、イチオシはロックかなぁ。もしくは少しだけ加水とか。


度数の高いまーらん舟を知っている人には新しい味。知らない人には不思議なとろみ。どっちにしても絶品のお酒なんだと思うですよ。





まーらん舟 25度 2011
有限会社富田酒造場
アルコール度数 25度

横浜君嶋屋さんで購入。

2014年6月21日土曜日

朝日 30度

25度に続いて30度の朝日も。

一般的に焼酎は25度がスタンダードな印象ですが、奄美では30度もスタンダード。むしろシマではこっちが好まれてるんじゃないかと思ってます。我が家では、うーん、やっぱり30度の方がスタンダードになってるなぁ。


ストレート。
分かりやすく、25度の強化版と言った感覚。甘みもミネラル感も一段強い。

ロック。
氷が溶けて香りのたちが良くなると、泡盛みたいな感覚も。麹が強い。喜界島のお酒は、この朝日を醸す朝日酒造さんと、喜界島を醸す喜界島酒造さんがあるのですが、麹の香りの立ち方にちょっと共通した印象があります。喜界島の水がそうさせるのかなぁ。


炭酸。
いやこれは爽快で美味い。何もいれなくて美味い。25度はたんかんを絞ったほうが美味かったけど、30度はミネラル感と黒糖のバランスがいいから足すものは不要。水の味がするって印象。水っぽいんじゃなくて、島の水の味。飲みに行かなきゃですな。

日頃の炭酸黒糖焼酎は龍宮が多いのですが、同じくらい朝日でも飲んでます。どちらも硬質なミネラル感が爽快なのですが、キレが一段良い龍宮と、鼻に抜ける香りの爽快感が強い朝日。どちらも夏場の日用の酒なのであります。





朝日 30度
朝日酒造株式会社
アルコール度数 30度


取手市 中村酒店さんで購入。

2014年6月19日木曜日

第三回龍宮研究会

定期的に龍宮を研究するという名目の飲み会を開催しています。先日、数カ月ぶりの久々の開催と相成りました。

過去の研究会はこちら。
第一回龍宮研究会
第ニ回龍宮研究会


今回のテーマは、焼き鳥と龍宮。鶏肉は奄美でもよく食べる食材ですので、合わないわけがない。なので、もう少し色々な部位で掘り下げるのです。

こんな感じで用意。二軒の鶏肉専門店で色々な部位を購入し、自宅で処理して串刺し。
右の皿は軟骨入りつくね。真ん中のバットはレバー。左のバットは、上にあるのがヤゲンとハツ。下にせせりのねぎまとぼんじり。



本来は竹串でやるんでしょうけど、素人宅には焼き鳥の焼き台は無いわけでして、えぇまぁ何度も作ろうとしては奥さんに止められるんですが、まぁそんなわけで鉄串で網焼きです。一応ちゃんと炭火だし。



対する龍宮は、この季節に最高の炭酸割り。途中から栽培しているミントをちぎって洗って投入。

イメージ的には、夏の焼き鳥はビールなのですが、焼酎の炭酸割りの方がまじめに美味しいと思います。ビールよりも鶏肉の味が判りやすい。特に黒糖焼酎の炭酸割りだと、ビールや芋の場合のような強い香りがない分だけ、鶏肉を楽しめるという感じでしょうか。


部屋に戻って、焼いておいた手羽先とたんかんミント龍宮で。

干しておいたスライスたんかんを龍宮で戻して、ミントと炭酸を入れれば完成。もう一段南国感というか奄美感が強まる素敵な味になります。



えぇ、実際のところ、研究会と言ってますけどだんだん研究会しなくなりますな。単に飲んで食って美味いと。いやまぁそういうもんですが。

2014年6月17日火曜日

外飲みメモ:多楽喜・山猪・金峰@柏 やまんさん

疲れた日は、だれかが作った美味しい料理を食べたくなるのです。そんなときは、やまんさん。

Facebookで見たときから恋焦がれた冷汁。いつものグリルはグルクン。

透き通ってるのに味噌の風味、そしてイクラの程よい塩気と相まってもう爽快。大振りの丼を二人で分けたのですが、これは一人一杯いけましたな。いや、いきたかったな、か。

グルクン?言うまでもなく美味いっすよ。染みる油とレモンの香り。



マグロのカマのスペアリブ。
以前から気になってたのに何故か頼んだことなかった一品、いや逸品。絶妙に染みたタレの味と、これでもかというマグロの大トロ脂。半端ない旨さです。延々これで酒が飲めます。団体客や男子客にはもう最高な一皿ですな。えぇデブは夫婦二人でも食べきりますけど。



他にもポテサラとかフライドポテトとか。芋と魚しか食べてない気がします。


この日は携帯の調子が悪くて写真をほとんど撮らなかったんですが、毎度のようにカパカパ飲んでおります。奄美プラム酒、ハートランド、多楽喜、山猪、金峰。

多楽喜は最近お気に入りの知覧酒造さんの品で、鹿児島で飲んでこなかった銘柄。やまんさんでちょうど出してることを知ってたから後回しにしたんですが。
癖があるって聞いてましたが、そんなことなく。ロックで飲みましたが、知覧酒造さんらしい後味がちょっとだけ強めにでる程度の美味しさでした。

山猪。宮崎の焼酎はあんまり知らないのですが、これは初めて目にした銘柄。美味しかったですが、山猪というよりもうり坊って感じの味だったかな。

金峰も初めて見たのですが、実は天文館かせだんもんの宇都酒造さんのものでした。天文館より、一段濃いといった感じでしょうかね。これも氷が溶けかけたあたりのちょっとだけ滲んだくらいの時が美味しかったです。



この日は15日。やまんさんのある柏のいくつかのお店には、流しのパフォーマーが来る日なんだとか。

われわれが飲んでる時にも数人の方がいらっしゃいましたが、我々が楽しんだのはマジック。
うちの奥さんマジックキライなんですよね。とか言ってましたが、間近でやってもらうと楽しかったようで。それにしても、あそこまで目の前でやられてもわかんないもんなんですね。すげーすげー。

そんなわけで、食よし酒よし芸よしの一晩でございました。あー冷汁食いてー。


やまん
千葉県柏市東上町2-3
04-7163-6602

2014年6月9日月曜日

外飲みメモ:海賊船・黄猿・赤猿・桜島・濱崎太平次・三岳@天文館 居酒屋海賊船さん

天文館にある居酒屋海賊船さん、ろばた焼きがメインの呑処。

酒飲みにとってありがたいのは、こちらのお店の飲み放題、焼酎だけなら500円という破格なんですね。だらだらまったり飲むには最適なお店なのです。

ひたすらお湯割りで、まさにだれやめ。


海賊船。
甘みが映える。きりっと甘い。苦味がフワッと上顎にあり、最後は少しだけ辛くスッキリ。

醸造は大山甚七商店さん。問わず語らず名も無き焼酎とかの蔵元ですが、多分初めて飲むと思います。結構好みですし、本日ここで飲んだ焼酎の中では一番好きでした。五合瓶空けちゃったし。




お店のオリジナル焼酎以外にも、ぼちぼち棚に並んでます。飲んだこと無いのを適当に。


黄猿。
小正醸造さんと言えば小鶴。湯どうふごん兵衛さんで浴びるほど飲んだことありますけど、いやまぁそれは言いすぎですが、意外と他の銘柄は飲んだことありません。せいぜい蔵の師魂くらいかなぁ。他のはどんな感じなんでしょうか。

うーん、香り高い。こぶみかんとか、そういう一癖。コクに対して苦味がやや目立つものの、痺れるように残る香りが支配的で旨し。





赤猿。
黄猿が黄金千貫の黄なら、赤猿は紫芋、赤じゃないじゃんって言ってはあれなんですけど。

香りは一転薄く。ややぼんやりした旨み。冷のほうがいいかも。紅芋、紫芋の焼酎は、冷たいほうが美味しいオレオレ方程式が正しい気がしてます。





桜島の年号焼酎。2011年のもの。
甘さがねちっこい。その割に、芋の味より麹が立つのが気になる。お湯割りじゃなかったのかなぁ。なんかちょっともったいない味。








濱崎太平次。
苦味が面白い。香りは薄いけど、どしっと飲ませる。






三岳。
今更の定番ですが、菜々かまどさんで飲まなかったので久しぶりに。
今日ここまで飲んできた焼酎と比べると、こんなにも香ばしいのかと。美味いなぁ。




呑兵衛らしいツマミの数々。

ごぼうの唐揚げ。
海賊船には美味しいものは色々ありますが、昨年初めて食べて以来、これはもうこの店の名代なのです。カリッと、ジュワッとって、ごぼうに対する褒め言葉じゃないきもしますけど、いやまぁそんな感じで焼酎がススムですよ。



酢の物盛り合わせ。
まさかの魚介類。締め具合もとても良く、これに満足して刺身頼むのをやめてしまった。だってこれ美味しかったんだもん。



きびなごの天ぷら。
きびなごは火を入れたほうが美味い。観光客はありがたがって刺身を食べるけど、本当に美味いのは塩焼きだってだれかに教えてもらったんですが、残念ながら本日塩焼きのきびなごはなく。代わりに天ぷらを。確かに、鮎に通じる香り豊かな味わいは、火を入れた方がよく判るんですよね。



カマ焼き。
えぇ、いい加減食べる前に写真を撮れという話ですが、美味しくてがっついたら完全に残骸。ふかふかで大きなカマは、他のツマミを頼ませない満腹度だし、こういうシンプルな味は、芋焼酎の得意分野なのかもしれません。



飲み放題に時間制限があったのかよく分かりませんが、五合瓶を空け、一升瓶から注ぎまくり、満腹になったところで退店。

鹿児島でだらだら飲むには欠かせないお店なのです。


そういえば、どこのページを見ても定休日とか営業時間がわかんなくて、今回お店で聞いたのに忘れてしまった。しまったしまった。


居酒屋海賊船
鹿児島県鹿児島市千日町9-17
099-222-5749

2014年6月7日土曜日

天文館 25度

かせだんもんを飲んで、あぁ天文館の蔵元か、あのラベルっていけてないよなぁなんて、飲んだこともないのに思ったりしたわけですが、それなら飲んでみるかというお話な天文館なのです。

天文館を醸す宇都酒造さんは、南さつま市の加世田というところにありまして、正直何故に天文館という名前で造ってるのかはよくわかりませんが、まぁそういうことは往々にしてありますから、まぁこの際気にしないでおきましょう。

でもですね、この焼酎を始めてみたのは多分鹿児島のどっかのおみやげコーナー的なところだったと思いますが、正直食指は伸びない。えぇ、むしろ避けて通りたい雰囲気満載なのです。狙い過ぎのお土産過ぎといいますか。

でもですね、かせだんもん、まぁ美味しい、まぁ素晴らしい。ということは、天文館も美味いじゃなかろうか、飲まず嫌いはいけませんなのです。


ロック。
刺激が強く、ビリビリと刺激する。尖りも含めて強い印象。そして濃い。氷が溶けてきたら刺激が収まり、甘味がよく分かるようになる。ロックやストレートよりは、割水したほうが真価が判る気がする。

お湯、熱め。
酸味というか酸っぱさに近い新しい味が出てきた。まずくはないけど、思ったほどいい感じにならない。水割りの方が良かったのかなぁ。

クラッシュアイス。
これですな、最も甘みも香りも立ち、苦味が抑えめになる。旨い。この飲み方だった。
この、ロックから少し溶けて割水されて、なおかつキリッと冷えていると、要らない刺激が調度良く隠れてくれている気がします。酒質としてキレイなお酒とは言い難い風情ですが、冷やすことで味わいも落ち着くということでしょうか。刺激的な部分は軽い一癖程度になり、非常に美味しい。かなり好みです。

かせだんもんとはタイプが違いますが、一種独特のクセを纏った、そして芯のある味が美味しいお酒でした。芋焼酎にそこそこ慣れてきた人向けでしょうかね、とちょっと偉そうに言ってみます。いやいや、拙者、見た目に騙されて(まだ言うか)飲まなかった未熟者でございました。

値段もお安く、個人的には冷やして飲む芋焼酎ランキングでかなり上位に食い込みます。関東では目にしないなぁ、この蔵元。ちょっと探さなきゃいけません。






天文館 25度
宇都酒造株式会社
アルコール度数 25度


鹿児島市 コセド酒店さんで購入。

2014年6月5日木曜日

蔓無源氏 26度

BAR S.A.Oさんで飲んだ安田がすごかったって話をコセド酒店さんでしたら、それが蔓無源氏の芋麹全量ですよと教えてもらい、それは飲まねばいけんというお話だったのです。

実はこの蔓無源氏、BAR S.A.Oさんに行く前にも薦めてもらってたのですが、我が家が普段行く酒屋さんで見た気がするから、関東で買えなさそうなものを優先しようと却下したんですよ。でもまぁなんだかんだ巡りあわせなんでしょうね。やっぱりお薦めを頂くのであります。


ストレート。
香りは強くないけどフワッと爽やか。
安田の一歩手前、南国感満載、酸のない柑橘、パパイヤ。甘みの後には軽く麹の香り。

ロック。
ストレートよりもいいかな。氷が溶けてきて、味がまとまって飲み頃感が出てきても、味自体は薄まらない印象。あー、この感じだと水割り、特に前割もいいかもしれない。

お湯割り。
香り高く。華やいだ香りが鼻に抜けるともうたまらんです。冷たいのも温かいのも、美味しさでは甲乙つけがたいですが、このフルーツ感のある香りに対しては、冷たい味の方がちょっとだけしっくり来るのかもしれません。


鶏刺しとか。
もちろん美味しいんだけど、蔓無源氏は食中よりもデザートというか、一服まったりした中で飲んだほうが真価を発揮するんだと思うのです。この香りの美しさを邪魔してはいけないなと。



黒豚の冷しゃぶ。
まぁそんなことを言っても食中にも飲みますけど。黒豚は繊維が細かいって聞いてまして、確かに舌触りが違うんです。そしてその細かさには焼酎がよく合う。染み入る感じが、豚の旨味と芋の旨味をつないでくれるのです。芋感が強い、特に甘みが強い焼酎は、鶏よりも黒豚の方があうのかも知れません。えぇ、話の中心が鶏ってあたりが、すでに何かおかしい気もしますけど。



食中に飲んでますけど、それでもなんかちびちびやるほうが心地よくて、鹿児島滞在中に飲み終えませんでした。1/4くらい残ったのかな。せっかくなので、前割りにして持ち帰ることに。

一晩だけの前割ですけど、いやまぁ素晴らしい。予想通り、割水で度数が下がっても、不思議と味の密度が減った気がしません。華やいだ香りはロックの時よりも振りまかれ、お湯の時より艷やかでエロい。


ということで、どんな飲み方をしても味の根本が変わらず崩れず、正直どの飲み方が一番とも言えないオールラウンダーでした。それぞれに楽しみ方があるのです。
それでも自分の好みでは、ロックが溶け出したくらいのやや割水された辺りの濃密さは、他の飲み方よりも一歩記憶に深く刻まれたのでした。

また買おう。また飲もう。









蔓無源氏 26度
国分酒造協業組合
アルコール度数 26度


鹿児島市 コセド酒店さんで購入。