2013年2月28日木曜日

鳳凰美田 純米吟醸 芳 瓶燗火入れ 18BY


お店で寝かした5年もの。超貴重な一本です。

昨年、3年寝かした鳳凰美田の愛山で飲み会をしたんですね。このブログを始める前なので書いてませんけど。
以前、中村酒店さんが鳳凰美田の亀の尾を2年寝かせてたんです。それがすっごく美味しかったから、自分でも好きな愛山のお酒でやってみたんですよ。

一応写真だけ。左から20BYの瓶燗火入れ、22BYの本生、23BYの瓶燗火入れ。正確には3年じゃないんですね、蔵で1年半、自分で2年ちょっと。



で、そのきっかけとなった亀の尾の他にも、今回の「芳」も同時に寝かしてたとのこと。一年くらい前に、そういえば芳はどうなってるだろって味見したんですね。僕もご一緒させてもらったんです。
そしたらなんともスカスカな味で、芳は熟成に向かないのかってとても残念でした。

ところが最近、そのまま寝かされてたコヤツを中村酒店さんの奥様が飲んでみたところ、美味しいんじゃない?ってことでして、僕らも味見をさせてもらったんですよ。そしたら1年前の味の無さはどこへやら。あーこりゃいけるわってことで、一本分けてもらいました。


さてさて冷蔵庫から出して開栓。

あれ?店で飲んだ時より穏やか、と言えば聞こえもいいが、腰がない。うーん、あのボトルが奇跡の一本だったのかなぁ。
あ、でもお店の瓶は開けてから少しは時間が経ってるわけだし、開けたてとは違うか。

となればエアレーター。空気に触れさせてみます。おお、近づいた。腰が入った。

それでも香りは穏やか。アタックもはんなり、可愛い味。穏やかになった甘みが喉を通ると、苦味のような旨みに変わって舌に残る。開けたてはこれがなかったからヘタった印象だったんですね。
鳳凰美田らしい華やかさはちゃんとあるんだけど、年月がそれを主張しなくなってる。奥ゆかしい味、という印象と共に、味の奥行きも増えたなぁと。口の中で長時間楽しめるですね。ジュワジュワと米味を引き出すように舌で味わえます。美味いなぁ。


スペアリブの豆鼓蒸しと合わせる。



中華と美田はやはり良い。いつもの美田より穏やかな分だけ豆鼓の香りが引きたつし、脂とがっぷり四つに組むくらいの華やぎはちゃんと残ってる。


温度が上がるとさらに試飲した時に近づく。試飲したときは冷蔵庫直後だったから、開けてからの時間がコクを増したんだろうな。

若水って、どこか硬いままというか、甘みの割に輪郭がぼやけない印象なんだけど、五年も経つとその輪郭から粉を吹いてるような感じも出てくる。喉に落としたあとにほんのり痺れる後味が、そのほどけた輪郭の残滓なのか。

しかし日本酒の熟成は奥が深いなぁ。





鳳凰美田 純米吟醸 芳 瓶燗火入れ 18BY
小林酒造株式会社
精米歩合 若水 55%
酸度 1.4
アミノ酸度 0.9
日本酒度 +4

取手市 中村酒店さんから強奪w。


2013年2月26日火曜日

鳳凰美田 純米吟醸 無濾過本生 初しぼり 24BY

初しぼりは初めて飲むんじゃないかな。例年この時期は発泡にごりばっか飲んでますから。


ともあれ開栓。玄関放置の冷や冷やからスタート。

開けるとすぐ立ち上る華やかな香り。香り自体は強いけど重たくなくて爽やか。

口に含むと吟醸香、吟醸香味がブワッと広がる。とにかくジューシー吟醸。ある意味美田らしさ全開だなぁ。でも五百万石たから、口に残る最後の甘みに切れがある。

それにしても生らしい生酒。ピチピチとかのわかりやすい生感じゃなくて、味自体が生々しい。艶かしいというべきか。


鱈鍋とあわせる。ポン酢の酸味との相性がよい。
シフォンケーキと合わせる。バナナの香りと美田の吟醸香は相性が良いなぁ。


それにしても旨すぎて疲れる。2合くらいでお腹いっぱい。
ラベルには常温くらいまで温めるといいですよみたいに書いてあるけど、多分そこまで温度が上がるとちょっと僕には荷が重い。今回はそこまで温度が上がってないけど、既に僕には甘みも香りも強すぎるし。



二日目。キンキンに冷えてるからもあるけど、香りが落ち着いてある意味飲みやすい。

鳳凰美田ってすごく好きなんだけど、どうしても飲み疲れるから一升瓶であんまり買わないんですよね。でも開けて二日目とかになると香りも落ち着いてちょっと飲みやすくなる。初めからそういうつもりで買えばいいんですかねぇ。


イカシュウマイとあわせる。シュウマイの周りの餅米と合う。米と合うってまぁそうかもしれんけど、ご飯で酒を飲むって考えたことなかったなぁ。

美田って単独でうまい酒のイメージがあるせいで、何に合わせたらってあんまり考えなかったんですよね。でもまぁ以外と大丈夫。ただマリアージュ的な混じり合い方とはちょっと違うのかな。どうしても主張が強いですし。

思い出した。鳳凰美田って中華に合うよねって昔話してた。今回のイカシュウマイはガッツリ中華という味付けじゃないけど、まぁ一応それっぽいタレもあるからいけたのかも。



三日目。まだ抜栓するとプシュってなる。発泡感はないけど生酒はまだまだ元気ですなぁ。

平目の刺身と合わせる。なんだろう、この痛み分けみたいな感じ。合わないんじゃないけど寄り添いはしない。でも悪い組合せじゃない。うーん、難しい。

結構元気なのでもうちょっと時間をおいてみるかな。っていうか、旨すぎて一日に量を飲めないし。


あと書いてて気づきましたけど、これって発泡にごりとスペックが同じなんですね。知らなかった。なのでもう一度発泡にごりを購入して飲み比べもしないといけない。



一週間。まだ抜栓する時に微かにプシュッと。元気だなー。舌触りに発泡感はないんだけど、さすが本生、生きてますなぁと。

味自体は随分大人しくなってきた。もちろん鳳凰美田ならではの香りもまだまだ健在だし旨味も十分。でも主張が随分減ってきて寄り添いやすいといいますか。

発泡にごりと比べる。まぁスペックが一緒ですから、最終的な味はかなり近い。特に鼻に抜いたり喉を通るときの香りなんかは、おぉ同じだってなる。
でも発泡感による舌触りの違いは当たり前としても、やっぱりにごりの力強さはすごい。華やかさを抑えるお米の味。特に今回は五百万石だから、僕好みの粉粉しさ。五百万石だからか、米の甘みが強く出る前に消えていって、おかげでにごりの甘さが強くなりすぎずべたつかない。そのせいか、印象はつや消しホワイトって感じ。
なので飲み比べると益々わかる初しぼりの艶やかさ、艶めかしさ。こっちはツヤツヤパールホワイトとでも言いましょうか。


感想を振り返ると、やっぱり味や香りが強いものとのせめぎ合う感じの合わせ方が良いのかも。食べ物の旨味と合わせるというよりは、もっと尖った風味の部分と刃を合わせる感じでしょうかね。

なんか褒めてる感じが少ないなぁ。美味しかったし満足度は高いんですよ、と言い訳したくなる。




鳳凰美田 純米吟醸 無濾過本生 初しぼり 24BY
小林酒造株式会社
精米歩合 五百万石 55%

取手市 中村酒店さんで購入。

2013年2月24日日曜日

三連星 純米吟醸 荒漉しにごり生原酒 24BY

今年もにごりを色々飲んできましたが、この時期ですもの、まだまだ続きます。三連星のにごり。初めて頂きます。

三連星、最近結構人気みたいですね。数年前、中村酒店さんで取り扱い始めた頃は、悪くないけどまだまだのお酒やねぇなんて偉そうに言ってたものです。えぇ上から目線全開です。
それからちょくちょく試飲はしてきましたが、華やぎ過ぎてなかなか一本買うことはありませんでした。でもにごりですから、シュワシュワですから、久しぶりにちゃんと味わってみます。


おぉ、かなりドライ。舌に乗る甘みが少なくて、シュワッと喉を通ったあとに、じゅわっと苦味がひろがる。発泡感がキチッとあるから、かなりキツメの濁りでもサッと消えてもたつかない。それに余韻がほんのり苦味だからだれないなぁ。

口の中で転がすとお米の旨みが出てきて、ほんのりと瓜系の香りがひろがる。
お酒自体の味がドライでも、濁りがしっかり米味を保ってるから物足りなさはないってまぁ当たり前か。というか、すごくバランスがよい。

温度が上がっても発泡感のおかげもあってかキレがいいまま。


三連星は甘いというか華やぐ印象が強くて、その先入観で飲んだせいもありますが、なかなかどうしてドライで大人の味。久しぶりににごりじゃないのを買ってみようかなぁと。

しかし、にごりのお酒は飲む前に写真を撮らなきゃ意味ないやんって話でして。




三連星 純米吟醸 荒漉しにごり生原酒 24BY
美冨久酒造株式会社
精米歩合 渡船六号 55%

取手市 中村酒店さんで購入。

2013年2月22日金曜日

志太泉 本醸造生原酒 蔵出し濁り酒 24BY

久々の志太泉。でも濁りは初めて。

数多くの愛するお酒がある静岡県。普段近場で買えないからあんまり飲みませんけど、志太泉も好きな蔵元さんの一つです。

ちなみに志太泉さんのHPブログ、とても好きなんですよね。こう、お酒の造り手として伝えておきたいことをきちんと配信されていて。ちょっと見にくいデザインなんですけどね。
もちろんショップ併設だったりも含めてちゃんとHP運営をされている蔵元はいっぱいありますけど、中の人の顔が見えるようなHPはそんなに多くないなぁと思って。


ともあれ飲んでみます。購入後冷蔵庫で一晩寝かせて静かにしておきました。
あれ?いうほど発泡しない。お店の方にこれでもかってくらい吹き出すから気をつけろって念を押されてまして、まぁ確かにこの濁りの量ですし、かなりビビって開けたんですけどね。ちょっと残念。
12月の出荷から2ヶ月近く経ってますから、もう落ち着いちゃったんですね。

とは言えビビって最初は上澄みをちょっと取って量を減らす。だから一杯目はかなりさっぱり。奥にメロン系の味わい。やっぱり発泡感はそんなにないなぁ。

濁りがしっかりでなかなか混ざらない。トロトロ。

二杯目、たっぷりの濁りはもはやバナナジュースばり。飲むより食べるに近い感覚。濁りの甘さが湧き立つんだけど、ベースがキリリと辛口だからもたれない。
奥さんはここでお腹いっぱいってなってましたけど。

三杯目、ちょっと温度が上がってきたから甘みのほうが強くなる。きっちり冷えてる間が美味いですね。

先日の鳳凰美田の濁りも随分濃厚でしたが、結構印象が違うから面白い。志太泉はクリーミーというよりもお米を噛む感じが強い。なめらかじゃないというと聞こえは悪いんだけど、それが悪くなくて荒々しさが楽しめる。

これほどの濃厚濁りで、且つ発泡してた頃ならまた違った感想になるんだろうなぁと。来年はフレッシュな状態で飲んでみたいでございます。




志太泉 本醸造生原酒 蔵出し濁り酒 24BY
株式会社志太泉酒造
精米歩合 山田錦/日本晴 60%

野田市 Kハート藤井商店さんで購入。

2013年2月20日水曜日

南 特別純米 無濾過生 24BY

愛する高知酒、南の無濾過の生。

学生の頃からよく飲んでた南。僕の日本酒歴の中でも結構古い方です。しっかりした旨味があるのにきりりと綺麗でさっぱりした印象なんですが、無濾過生となるとちょっと違いました。荒々しい南といいますか。


冷蔵庫から出したての冷や冷やでスタート。

香りはうっすら。年明けに風邪を引いて以来、いかんとも鼻がすっきりしないから、もしかしたらもっと香ってるのかなぁ。

口に含むとほんのり苦味がじゅわっと美味しい。喉に落とすと、口の中には発泡感のようなしびれる旨みが残ってジーンと旨楽しい。甘みや華やかさが抑えられた硬質な感じが根底にあって、いつもの南より濃くても飲みやすくて食中酒たり得る。

温度が上がってきても味の変化が少ない。旨味は増してくるけど甘みは抑えられたままだからクドくならないしダレない。

松山三井の端正なかんじがよいですなぁって書いてみたけど、やっぱりこのお米の特徴がよくわからない。飲んであぁこれって松山三井だって感じるポイントがいまいちはっきり掴めてないですなぁ。
綺麗で端正で、結構旨味があるけど甘みが立つわけじゃなくて、香りは穏やかで華やかじゃなくって、五百万石ほど米の粉の感じというかフラットさがなくてちょっとはつややか、みたいに長々と説明したくなる感じ。なんかこうビシっと、これが松山三井の味じゃってならない。好きなんだけどなぁ、このお米のお酒。




南 特別純米 無濾過生 24BY
有限会社南酒造場
精米歩合 松山三井 60%
酸度 1.8
アミノ酸度 1.4
日本酒度 +8.0

2013年2月18日月曜日

鳳凰美田 純米大吟醸 髭判

鳳凰美田の純米大吟醸、お米は亀粋、亀の尾から選抜して分離したやつでしたっけ。JAL搭載選抜酒にふさわしいお米でございます。

髭判として一般販売してるものと一緒だと思いますが、純米吟醸ではなく純米大吟醸としての販売。あと瓶がJAL瓶、鶴丸が目印です。


冷蔵庫から出してきっちり冷や冷やからスタート。

開けるとすぐに美田らしい香りがふつふつと。でも強く香るというよりは線が細い感じ。上品ですなぁ。

味も穏やか。引っかかりのないするするとした感じは、香り強い鳳凰美田とは思えない穏やかさ。
冷えすぎてて出た苦味もすぐに落ち着き、ほのかな旨みに変わる。甘さはかなり控えめ。香りが穏やかだと結構辛口に感じるもんだ。

僕は鳳凰美田の亀の尾がすごく好きなので、亀粋も好みに合うですな。そりゃ元々は同じ米ですから系統は同じ。

そして大吟醸ですもんねぇ、徹底的に雑味を除きましたってのが一口飲めば感覚的にわかる味です。その分パンチは弱いですが、そりゃそういうのを味わうためのお酒じゃないし。

180ml瓶だから一瞬で終わってしまった。まぁこれくらいのランクのお酒はちょっと味わうがふさわしいと強がっておきます。






鳳凰美田 純米大吟醸 髭判
小林酒造株式会社
精米歩合 亀粋 50%

2013年2月16日土曜日

磐城壽 山廃純米生原酒 青ラベル 23BY

先日の赤いのの生バージョン。聞けば、赤はもう少し寝かしてから出したかったとのことで、その旨味を補う生バージョンだとか。


玄関放置の冷や冷やからスタート。

香りは穏やか。山廃らしい熟成感のような香りがほんのりねっとりと。生原酒ならではの立ち上り方。

口当たりは優しく濃い。舌の奥で濃密リンゴ。鼻から抜ける香りは強く濃厚。舌触りの酸味はないわりに、喉に落とすときにふんわりほんのり酸を感じる。

温度が上がるとキャラメル。そしてスモーキーな風合いもでてくる。


いかわた焼きと合わせる。わたのコクを流す爽やかさがでてくる。単独で味わうとかなりしっかり芳醇だけど、魚臭いのと合わすと途端に爽やかな佇まいも。そうよね、新酒だとさわやかだし、魚と合うし。

カリッと揚げたアジ唐揚げと合わせる。あんまり、というか味がばらばら。パサつくもの(というのは言い過ぎだけど)とはあわないのかな。

その鯵を漬けた南蛮漬けと合わせると、タレの酸味と辛味がいいアクセントになってよく合う。


火入れの赤と生の青、味の変化を楽しむならやっぱり生ですな。動きが大きいと言いますか。料理と合わせるなら火入れだったかな。



ちょっと置いた三日目。

味が複雑になった。ほの苦いカカオが強くなり、酸が少し強くなる。でもチョコまでいかない。爽やかさもあるし。ちがうなぁ、チョコでもこう、冷やしきったパリパリのチョコ?
あれだ、ラムレーズン、ラムが強いやつで。

カカオというよりコーヒーとは奥さんの言。たしかに。






磐城壽 山廃純米生原酒  青ラベル 23BY
株式会社鈴木酒造店
精米歩合 五百万石 65%

水戸市 地酒蔵きなせさんで購入。

2013年2月14日木曜日

悦凱陣 純米 オオセト 無濾過生 22BY、二度目の幸せ

幸せなことに、あの銘酒をもう一度飲むことが出来ました。前回はこちら

実は23BYを買いに行ったらもう売り切れちゃってて、先日の22BYならまだ出せますよって言ってもらえたから。いやー、まさか二度目があるとはなー。


香りが11月より濃厚な印象。購入後玄関冷や冷やで放置したから、ちょっと前回の印象より温度が高いからかな。

米の香りというより稲の香りに近い芳しさ。

熟成が進んで色も琥珀なら味も琥珀。ウィスキーの様相を呈してる。スモーキーな風合いまで。ちがうな、ウィスキーよりも紹興酒か。まぁいいとこ取りした感じかも。

後味に旨味の苦味。その一癖だけ残してシュワっと消える。口の中が香ばしくジーンとしびれたまま余韻が続く。


蒸し野菜と合わせる。野菜の甘味が更に増す。蛋白な味には旨味を足す。
特に百合根、染みこむ。和菓子になるというか。

平目の昆布締めと合わせる。昆布の旨味と凱陣の旨味が絡みある。旨味の種類が変わるなぁ。凱陣は味の主張が強いのだけど、その分食べ物との化学反応も楽しい。

タコの燻製と合わせる。スモーキーアンドスモーキー。香りが底上げされるといいますか。

塩麹鶏の燻製と合わせる。やっぱり脂との相性はいいなぁ。ぴりりとした苦味が鶏の脂を流してくどくない。旨味が口に残り、鼻に抜くと凱陣と燻製と鶏脂の3種類の香りがもふもふする。



開けて二週間。香りが益々濃厚。刺激が落ち着いた分、味も濃厚に感じる。


面白いというか改めて思ったのは、一年以上寝かしてあるこのお酒の一番美味しいかった瞬間は開けたてだったということ。

開けたてが一番美味いかどうかはそりゃまぁお酒次第でして、開けたて、そして空気に触れさせて一番良いタイミングを探るみたいな感じで美味しいポイントを探すのも、酒飲み、特に家飲み一升瓶派の楽しみなわけですよ。

でも、新酒なんかは口開けが一番美味しい、というかあの瞬間を味わう悦びみたいものがありますから、意識も開けたてに向いてるわけですね。

ところがこういう寝かしたお酒って、新酒みたいな鮮度がポイントになるわけじゃないと思ってましたから、開けて以降の変化が重要という先入観で開けたてを重要視してなかったというか。

でもでも、このお酒は新酒と同じようなフレッシュさが開けるまで封じられてて、まずやっぱりそれが一番のピークとして出てきたわけですよ。で、徐々にそれが抜けていきつつ、空気に触れて二度目の熟成が始まったんだろうなぁと。

まぁ何が言いたいかというと、飲み手の責任は開けた瞬間から等しく始まりますよね、先入観でこれくらいが一番美味しいとか思い込んじゃだめですよねって話でして。


写真は前回の記事の使い回しだけど一応。製造年月まで同じだったからという手抜き。






悦凱陣 純米 オオセト 無濾過生 22BY
有限会社丸尾本店
精米歩合 オオセト 55%
酸度 1.8
日本酒度 +11

横浜君嶋屋さんで購入。


2013年2月12日火曜日

寒燗BBQ、5本のお燗の飲み比べ

酒仲間とお燗を楽しむ企画をしてみました。冬の寒空の下、昼間から肉を焼いて燗酒を飲むというまぁなんとも頭の悪い企画なんですが、総勢8人の酒好きが集合、5本の一升瓶を燗酒で飲むというなかなか出来ない楽しみ方をしてみました。


伯楽星の特別純米。
伯楽星って冷で飲む食中酒って思ってましたが、去年の冬に実は燗をつけるとすごいって話を聞いて試したところ、もうほんとにビックリでして。なので僕のリクエスト酒にしました。
お燗の伯楽星を飲んだことなかった皆さんは、一様に去年の僕と同じ反応でしてちょっとうれしい。

去年初めて燗をつけた時は、どの温度帯が一番美味しいかなって思いつつ、おっかなびっくり人肌くらいからだんだん温度を上げていったんですよ。そしたら結局飛び切り燗までずっと美味さが増していくという以外な結果でございまして。
でも燗上がりとか燗映えするみたいに、この温度帯が一番美味いとか一番味が引き出されたっていうポイントが飛び切り燗ってわけじゃなくて、ずっと美味いまま普段は飲まないような温度までたどり着けたといいますか。なかなかこの温度まで上げて本当に美味しいお酒って少ないですから、今回も熱々で頂きました。

あとですね、今回はなんせ寒空の屋外。飛び切り燗もそれなりにすぐ冷えちゃうんですよね。でもでも燗冷ましがまた美味い。伯楽星はほんとグビグビダラダラと飲み続けてしまう魔性の食中酒で、一杯目よりも数杯目、杯を重ねた後の方が美味しいと感じるんですね。味が変わるわけじゃなくて、こちらのコンディションが伯楽星に合っていくといいますか。そんなときに味わう感覚に近い味が燗冷ましにはあったんですよ。全くヘタれないしダレないし、どう飲んでも美味い酒という実力を再度見せつけられてしまいました。




奥能登の白菊の純米。
非常に美味しいお酒だと思ってますが、ちと甘みが気になるせいで一升瓶ではなかなか買わない一本。アタックの優しさと甘みは稀有な味なんですけどね、ちょっと縁遠いんです。でもでも仲間内では推薦者が被る人気者。

アタックの優しさは燗をつけても変わらないですなぁ。お燗酒はどうしてもアルコールのカッとする感じが強くなるんですが、その印象が少ないままでして。

ぬる燗が最高。燗をつけたことにより湧いてきた辛さによって、旨味と甘みを絶妙なバランスにしてくれます。
温度を上げ過ぎるとちょっと旨味が減ってしまい物足りなさを感じるので、人肌からぬる燗くらいまでがいい温度帯でしょうか。




正雪の辛口純米。
今回の僕の一番のお気に入りだった正雪。このお酒もキリリと冷やを楽しむ印象があったのですが、かなり広い温度帯を楽しめる良酒なんですねぇ。

ぬる燗で香りを楽しみ、上燗で旨味を楽しみ、熱燗で辛味を楽しむって感じで、各温度帯で楽しむポイントを変えて美味しいままです。さすがに飛び切り燗までいくとちょっともったいなかったのですが、それより下の燗ならどの温度でも美味しい。しまった、冷やでも飲んどきゃよかった。

ちなみに誉富士、最近よく目にするようになりました。愛する静岡酒のお米ですからちょっと気になってたんですけど、なぜか今まで飲む機会がなかったんですよね。お燗で飲むのは美味しいんですけど、普段が冷やで飲んでるせいでいまいちお米の特徴とかを掴めない。改めていつもの温度でも飲んでみないとです。




私的生酛の代表格、麓井。
生酛が得意じゃない僕ですが、麓井はとても好きな銘柄。特に夏酒と輝ら星は毎年のお楽しみです。が、この圓とかになるとそれほど触手が伸びないんですよね、綺麗といっても生酛ですから。でもお燗すると美味いとは聞いていましたし、結構楽しみにしていました。

お燗をつけると生酛の酸が軽くなって鼻に抜ける香りになる。なんだろう、普段の酸の重さがなくなって、旨味とのバランスがよくなってるからなのか。
これも上燗くらいまでが美味しかった。それより高い温度だと酸がちょっと刺々しくなっていくのかな?






さて今回のお燗の本命、ひこ孫純米。
安心と信頼の一本ですね。普通に美味い。予想通りに美味い。そういう意味では一番感動が少なかったとも言えるのですがそれはお酒のせいじゃない。

しかし随分ひさしぶりにひこ孫を飲みましたが、こんなに穏やか、柔らかだったんですね。それなりにどっしりとしたお米の旨味はあるものの、神亀ほどの荒ぶるお米感ではないといいますか。それがちょっと物足りなくも感じるんですが、まぁ勝手な思い込みとの比較ですから失礼な話です。

熱燗くらいまではOKと書いてありますが、温度を上げ過ぎると旨味が逃げてしまう感じでもったいない。熱燗までいかないくらいが一番だったかな。あと燗冷ましが美味かったですよ。旨味が軽くなって浮いてくるといいますか、冷えてもふわっとしたまま益々優しい旨味になって面白い。

あ、35才は超えましたけど人生の機微はわからないからこういう評価なんですかね。出なおして参ります。







11時くらいから飲み始めて、5本がほぼ空いてお開きになったのが19時半。ちびちびダラダラだからいつもほど皆さん酔わず。

一本くらいお肉の脂に負けちゃうお酒があるかな?って思ってましたが、どれもそんなことなく。
お肉が更に引き立つという意味だと、伯楽星とひこ孫は全く引き立たせ方が違うのにこの二本が際立ってた気がします。

あ、そうそう、お肉は守谷市民御用達の藤井商店さんで購入。牧場直売でとても美味しい牛肉と豚肉が破格の値段で買えます。もちろん輸入物なんかは他のお店でもっと安かったりもしますけど、味が全然違うんですよね。本日もガッツリ頂きました。


何はともあれ、美味い酒に感謝でございました。



伯楽星 特別純米
株式会社新澤醸造店
精米歩合 60%

奥能登の白菊 純米酒
株式会社白藤酒造店
精米歩合 五百万石/山田錦 55%

正雪 辛口純米
株式会社金沢川酒造場
精米歩合 誉富士 60%

麓井 生酛純米 本辛口酒 麓井の圓
麓井酒造株式会社
精米歩合 美山錦 55%

ひこ孫 純米からくち
神亀酒造株式会社
精米歩合 山田錦 55%


取手市 中村酒店さんで購入。

2013年2月10日日曜日

久礼 純米吟醸 無濾過生原酒 槽口直詰 24BY

特別純米を飲んだら飲まなきゃいけない純米吟醸。

なんとなく試飲で大人しかったから後回しにしましたが、いやいやどうして、なかなかやんちゃに主張が強い子でした。

冷蔵庫のしっかり冷や冷やから。しかし試飲した時よりも濃厚芳醇。香るしジュワっと。

香りはさすがの吟醸、花咲く吟醸香。メロンメロン。
綺麗さと香りが吟醸らしさの証なんだけど、その吟醸香と併せて米香も強く感じられるのが素敵。

アタックはピチピチ濃厚。でも純米よりさらっと軽い。純米の二日目の綺麗さが初めからある感じで、軽く消えていく。
だから純米の二日目と同じくワインのような佇まいだけど、あのリースリングみたいな感じとはまた違った切れがあり、またそこまで甘くない。


新物のホタルイカと合わせる。イカの若さと酒の若さと混じり合う。二つで一つみたいに、交じり合って旨みの幅を広げて完成する。

四日目の塩辛と合わせる。塩分と肝の脂と濃厚さが、酒の甘さを引き出す。なんだろう、必要な分だけ甘さを引っ張りだしたみたいで、甘くなりすぎるわけでもなく、ほどよい加減に甘さが湧き出る。

新品しめ鯖、脂を流す力が素晴らしい。お米の味がちゃんとあるから、脂に負けないし交じり合う旨味があるなぁ。

温度が上がっても甘みがだれない。ただそこにある旨い酒。そしてますます口当たりが優しく綺麗になる。

久礼って我が家では旨口の最高峰やなぁとしみじみ思う。





久礼 純米吟醸 無濾過生原酒 槽口直詰 24BY
有限会社西岡酒造店
精米歩合 吟の夢 50%
酸度 1.7
日本酒度 +5
アルコール度数 17度


取手市 中村酒店さんで購入。

2013年2月8日金曜日

久礼 特別純米 無濾過生原酒 手詰直汲み 24BY 二度目の楽しみ

前回があまりに美味しくて、特に奥さんがもう一回飲もうって言うから再購入。

ところが体調が悪くて飲まなかった日に奥さんが開けたので、僕は三日目からの参戦。図らずも前回の続きでございます。

驚きのガス感。三日目でもまだ開けるとブシュっと。飲み口の発泡感もまだほんのり残る。

キリキリに冷えてるせいもあるんだろうけど、甘みが少なく舌の上の酸味が気持ち良い。のどに落とすと旨みの仄かな苦味。

やっぱりうまいなぁ。

塩辛と合わせる。濃厚な塩と油を流す。あんなにもっちゃりしたのを食べたのに、酸味が増したことでかえって口の中が爽やかになる不思議。

せっかくだからエアレーションしてみる。
アタックは若干爽やかになるものの後味は変わらない。
エアレーションで動く酒も面白いけど、変わらない酒の完成度には脱帽でござる。






久礼 特別純米 無濾過生原酒 手詰直汲み 24BY
有限会社西岡酒造店
精米歩合 松山三井 60%
酸度 1.8
日本酒度 +5

取手市 中村酒店さんで購入。

2013年2月6日水曜日

龍宮 蔵和水十五度

ストレートで飲むための龍宮。

最近あんまり焼酎を追っかけてないから、他の蔵元でもこういう商品を出してるのかどうかはよく知りませんし、評判もわからないです。
そして龍宮は度数が高いのばっか買ってますが、これは寝かせる目的もあるのでそれはそれで仕方ない。

でもでも、龍宮ですから飲んだことないやつは飲まねばです。

グラスに注ぐと甘く芳醇な香りがフツフツと沸き立つ。
なんとなく、きっと香りがすごく楽しめるだろうなと思って、ボウルが大きいワイングラスで飲んでたんですよね。それがよかったかも。

やさしい甘み。かめ仕込みにある刺激的な辛味が見事なまでになくておだやか。でも独特の甘みはその独特の部分がちゃんと残ってる。

以前、焼酎を一晩割水してとくとマイルドになって、ただの水割りとは異なるものになるって教わったので、その頃は家でもちょくちょく試してました。確かに酒と水の親和具合が全く違って、それが舌触りと味のカドの取れ方に顕著に現れてとてもよかったんですよね。まぁ手間がかかるだけあるなぁと。

この効果を期待して買ったわけですが、これは更に上を行くなぁ。
水で割るということは、否が応でもいろいろな要素が薄まるということですけど、このお酒には薄いという印象ではなくてはじめからこういう味なんですって感じる。30度とか42度とかを知っていても。

ウイスキーのテイスターの方が、蒸留酒はハーフの水割りくらいが一番味と香りを正しく感じられる、みたいなことを話してる記事を読んだことがあって、ふーんって程度に思ってました。だってアタックの楽しみも薄れるしって思ってましたし。それに、実際に水割りにして思うのはまず薄まったって印象。確かに強さが先に来ないことで香りも味もわかりやすくなるってのは理解出来るんですけどね。

だから普段はもっぱらロックかストレートだったんですけど、違うんですね、水割りの作り方が下手なだけだったんですね。そう思うと、ちゃんとバーテンダーの方に美味しい水割りを作ってもらって飲んでみたいなぁと思った次第で。

口の中で転がすとミネラル分がじわじわとでてくる。喉に落とすと舌で最初に感じた甘みとは違う味が口の中に残る。ふんわりとした後味。

度数は日本酒並にだけどアルコール感が非常にうすい。飲んだあとから、ポカポカしてあぁ酒だったなぁって思い出す。

普段の龍宮になれていると、アタックの弱さが物足りなく感じないわけではないけど、クイクイ飲むにはこれくらいが疲れない、というかほんと気軽な日々のお酒。

ちなみに玄関放置の冷や冷やで始めたんですが、もちろん悪くないけどもっと冷やしたくなります。もっと喉越しがキレたほうがいいかなって。なので冷蔵庫で冷し直すと予想通り。ラベルに冷やして飲むって書いてありますしね。きっちり冷やしきったほうが楽しいお酒です。

富田さんのお酒といえばまーらん舟でモヒートなんて飲み方もありますが、これにもミントをパンッて叩いて浮かべたいですなぁ。夏になったらやろう。



龍宮 蔵和水十五度
有限会社富田酒造場

横浜君嶋屋さんで購入。

2013年2月4日月曜日

裏ろまん 一火 24BY

先日飲んですごく美味しかった花泉の蔵元さんのブランド、ロ万。最近ちょくちょく見て知ってましたが未飲でした。ということで飲んでみます。

しかし初回が裏ってのはどうなんでしょうかね。表も知らないのに。

お店で伺って知ったのですが、吟醸以上をロ万シリーズにしてるんですね。とは言え、これって何なんだろう…スペックがないし。


ともあれ飲んでみます。玄関放置の冷や冷やから。

香りはおだやか。吟醸香もさほど感じない。

口当たり、驚くほどなめらか。やさしい。アタックがない。ちょっとアルコール感のあるものの、サラリとしつつもしっかりとした甘み。リンゴ系?もうちょっと甘いかな?官能的というか。あぁあれだ、洋なしのかおりだ。

うーん、美味しいんだけど、いまいちはっきりしない。ぼやけるなぁ。花泉の印象を引きずってるからかなぁ。ちょっと温度が高かったのかな?もう少しきっちり冷やし直す。

甘みが消えて酸味がうっすらと、苦味が出てくる。アルコール感も増したかも。中途半端な温度がわるいのかな。もう少し冷やそう。

きっちり冷やしきってみる。でも苦味がやな感じ。後味に残るなぁ。結果的に冷やしたのは失敗で、程々温度を上げていかなきゃいけなかったということかな。

こんな時はエアレーターの出番かな?ということで、エアレーションしてみる。後味の苦味が旨味になる。開けたてじゃなくて、空気に触れさせないとダメなのか。花泉も二日目のほうが落ち着いてよかったし、この蔵はそういう特性なのかも。

苦味が消えた分、甘みの旨みがわかりやすくなる。エアレーションは諸刃でもあるなぁ。十分美味しいんだけど、キリッとした感じがないせいで甘みが輪郭をボヤカしてしまう感じ。


ねぎ牛鍋と合わせる。砂糖の甘みとお酒の甘みが喧嘩するなぁ。

二日目のアジの南蛮漬けと合わせる。肉より合うなぁ。でも酸味がちょっとぶつかる気もする。

自家製塩辛とあわせる。美味い。合う。ありゃー、これは合わせるものが悪かったのか?こってりしっかりとした味、そして甘くないものとの相性がよいのか。花泉のときは肉と合うと思ったけど、肉か魚かというよりも濃い味わいとの相性がいいんですかねぇ。

ともあれ、一晩置いてみることにする。



昨日と別人。

立ち上る吟醸香。鼻の調子がいまいちなので詳細がよくわかんないけど、いい香りが出てるのはわかる。きついわけじゃないけど、ゆらゆらと立ち昇る感じ。

アタックの優しさは昨日のまま、そこから雑味、特に後味の苦味がなくなった。ほんのりと乳酸の味わいも出てくる。酸っぽくはないのだけど、コクが乳酸系の味わい。

完熟リンゴ。でも甘さはごくごく控えめ。昨日の甘みはどこに行ったのか不思議。

ガッツリした旨味を期待すると肩透かしを食らうけど、上質な食中酒たり得る優雅な佇まい。昨日は輪郭がはっきりしないって言ったけど、今日はそのふわふわ感がいっそうの柔らかさに感じる。

伯楽星の純米吟醸に近いのかな。輪郭が優しい分だけ軽快というか暖かい感じがあるけど。口悪く言えばキリッとしないけど、になるのかな。
伯楽星の例えには、奥さんはあまりいい顔をしなかったけど。

温度が上がると甘みが復活するけど、昨日のようなベタツキはなくて旨みに昇華しきる、程よい程度。喉に甘みが残らないといいますか。

温度が上がりきって常温になると、少し酸味が立ってきて古めかしい雰囲気も出てくる。表情がコロコロと変わり奥が深くて面白い。


マリスさんのクラッシックショコラと合わせる。チョコのビターな甘さが、酒の甘み、旨味と交じり合って、新たな大人な旨みとなって期待以上のデザートになる。

経験上、デザートまで引っ張れる日本酒はあたりが多いと思ってます。でもこやつは扱いが難しいなぁ。正直、一日目についてはメモを残したけど書くべきかどうか迷ったくらい、期待はずれだったんですよね。別にまずいわけじゃないけど、褒め称える程でもないというか、値段を考えると結構残念な勢い。
でも、エアレーションしてこれはしばし置いたら変わるなと思ったのがよかったですねぇ。なかなかの一品に出会えました。デキャンタして一日置く、これがこのお酒の飲み方かも知れません。





冒頭でも書いたのですが、スペックが非公開なんですよね。
なんで非公開なのか、先入観を持たずに飲んで貰いたいから。
なるほどなるほど。
ではなぜ先入観が生まれてしまうのか、なぜその先入観が問題なのか、その理由もお店の方に教えてもらいましたので、まぁそうしたい気持ちはわかります。

でも、これは個人的な考えですけど、僕はいかなる理由があっても一定のスペックは公開すべきだと思っています。このあたりのことは、一度考えを整理したいなと思っています。


裏ろまん 一火 24BY
花泉酒造合名会社

水戸市 地酒蔵きなせさんで購入。

2013年2月2日土曜日

美丈夫 吟醸 うすにごり 麗 24BY

我が家では鳳凰美田の活性にごりと対をなす美丈夫の活性。鳳凰美田のこってりと対極にあるキリッと爽やかさん。

香りは薄め、というか強く香るわけじゃない。発泡による弾ける爽やかな香りがピチピチと。

味も爽やかさっぱり。前はメロンだったけど今回はそれがちょっと薄くて柑橘系の爽やかさもある。
後味さっぱり、すっと消えていく。発泡感の刺激が強いけど、味の辛さはほとんどない。

少し温度があがると甘さとコクが出てくる。でもベタッとしない淡い甘さ。

温度が上がるとやっぱりメロン、瓜系の甘みと香り。瓜系は他の食材と合わせた時に上手に脇役になるなぁ。添え物のきゅうりとか、そういうことなのかどうなのか。

それにしても後味のスマートさはみごとだなぁ。温度が少々上がってもまったくもたつくことなく、すっと消える。もちろんまだ冷やのうちの温度ですけど。


甘エビと合わせる。甘エビの甘さが酒の旨みに追加されて濃厚。
喧嘩しないなぁ。美丈夫のキレがすぱっとまとめる。塩味と瓜系の相性がよいから、生臭さが出てこない。

蒸し野菜、人参や、れんこんとかの甘みと合わせると甘さが重なって面白い。植物系の甘さだし。そりゃ元は米だし。






美丈夫 吟醸 うすにごり 麗 24BY
有限会社濱川商店
精米歩合 松山三井 55%
酸度 1.2
日本酒度 +4

取手市 中村酒店さんで購入。