2014年3月31日月曜日

長雲 一番橋

我が家の黒糖焼酎と言えば富田さんちの龍宮なのですが、全くタイプが違う黒糖焼酎として愛してる銘柄の一つが長雲です。

とは言えこれまであまり瓶で買ったことがありませんでした。お店ではさんざん飲んできたのになぁ。ということで、じっくり飲むために一番橋を購入してみました。

一番橋は蔵元の息子さん(三代目)が蔵に戻られてから作られた商品で、2002年に登場。僕は2004年とか2005年頃に初めて飲んでるはずです。ねっとりとした甘さが強い印象を残していました。それ以来、お店で見れば飲んできたわけです。


ロック。
以前ほどストレートやロックの信奉者じゃなくなりましたが、この濃さ、濃密さを楽しむには、水割りはもったいない気がするのもまた事実。まずはしばらくロックでじっくりと味を探ってみることにします。

ねとっと濃い香りは記憶のまま。こんなにも黒糖がはっきりと香るお酒は、黒糖焼酎の中でもまずない。これだけで長雲ワールドにどっぷりと引き込まれます。

甘味はミネラル主体で、奄美の森の湿った空気が浮かびあがります。香りは黒糖らしさがよく出ている、ある意味判りやすいものですが、口に含んで感じるこの甘みはガラリと複雑な様相。氷の溶け具合に応じて、ピリッとスパイシーな印象から甘味苦味と色々な味が浮き立ちます。


ヒラメのたんかんソースのカルパッチョ。

意外と合わない。なんだろう、このぶつかる感じ。せっかくの一番橋らしい香りがやや浮き立って悪目立ちする。いやーん。



しゅうまい、餃子。
いいですなぁ。肉汁との相性が非常に良い。しゅうまいも、海老シュウマイよりも肉シュウマイの方が良かった。餃子よりも肉しゅうまい。うん、肉汁との相性がいいんですな。



もともと長雲に対する印象として、龍宮ほどのオールマイティー感はありませんでしたけど、こんなにも肉との相性に特化するとも思ってなかったので、ちょっと嬉しい発見。

自家製のれんこんしゅうまいとロック。
いやー、肉汁と合う合う、やっぱり合う。タイプの違う旨みが混じり合いますな。結構しつこいくらいの強い味とのほうが相性がいい。

自家製焼き鳥とロック。
最近、肉を食べる時は一番橋が飲みたくなります。すっごい良い相性。これまでは豚肉との組み合わせでしたが、鶏との相性も変わらずよい。でも正肉よりもレバーとかハツとの相性の方が更に良いことを鑑みると、やはりガツンと肉味が強い、癖が強いほうが楽しめるということのようです。



ソーダ割り。
いやはや、甘さが飛んでミネラルドライ。ガラリと姿を変える。うまいなー。まーらん舟のソーダにやや近い感じがしますけど、香りの残り方は長雲らしさというか一番橋らしさが出ています。

そう、香り。ロックでねっとりと浮き上がる印象とは違い、炭酸のおかげで弾けるように軽めの香りが振りまかれます。湿ってても重たくない、爽やかだけどしっとりする、面白い香りの塊なのです。


チキンビリヤニ。
肉とスパイス、これまでの印象から合わないわけがない。そして正解。黒糖焼酎のミネラルっぽい部分とカレー類の相性がいいなぁと。

龍宮も長雲も奄美大島なので、水はそれほどミネラルっぽいわけじゃないはずなんですよね。でも黒糖の扱い方がポイントなのか、どちらも共通して黒糖のミネラル感が強調される味だと思うのです。

硬い輪郭がはっきりとした龍宮と、柔らかい溶けるような印象の長雲。ストレートやロックで飲むと対極にあるような味わいなのですが、水割りやソーダ割りをすると重心にある成分が分かりやすくなるといいいますか、まぁ両者ともミネラルだなぁと。

ちなみにミネラルと言っても、喜界島とか沖永良部島の硬水由来のミネラル感とはまたちょっと違う印象を持ってるのです。このあたりの違いを、もう少し掘り下げていきたいなぁと思うのです。



そのうちお湯割りの研究しないといけません。長雲は元々お湯割りがとても合う印象を持っていますから、その場合の食との相性はまた別の楽しみがあるはずなのです。




長雲 一番橋
有限会社山田酒造
アルコール度数 30度


神栖市 酒蔵やまなかさんで購入。

2014年3月29日土曜日

喜久醉 特別本醸造 生 25BY

冬は喜久醉のお楽しみが2回ありまして。

と去年と同じことを書くわけですが、事実だから仕方ありません。しぼりたて生原酒の次は特別本醸造の生酒でございます。

去年の記事:
喜久醉 特別本醸造 生 24BY

このところ焼酎の消費量が増えているせいで、日本酒の本数が減っております。そのため、季節モノの日本酒の合間に飲んでた定番の喜久醉もしばらくご無沙汰でした。

そんな最中の生酒到来。今年はどんな感じなのか、普段の喜久醉を思い出しつつ飲んでみることにします。


冷蔵庫から出しての冷や冷やで開栓。

冷えもあってか香らない。まぁ元々振りまくように匂い立つタイプではありませんけど、ここまでドライな印象だったかな?

口に含むと立ち香の印象の理由が判ります。例年よりもやや軽めな印象。くっきりしていて甘みが少ない。

喜久酔にしてはやや酸がある印象。味わっていく過程にある酸味ではなくて、アタックの瞬間に感じる刺激なので、酸味という言葉はちょっと違うのかな。生酒ならではのピチチッて感じがちょっと独特なのかもしれません。

酒質の美しさは相変わらず、少しだけ弾ける感触が舌の上で舞ったあとは、すっと収束して喉に落ちる。
ただ、甘みが少ない分だけほんのりの米のコク、苦味にも似た刺激が余韻にも感じられるあたりは、いつもの喜久醉よりはお酒としての主張を感じられるということなのです。

少し温度が上がると舌の上で旨みが伸びる。それでも例年よりは固めの印象かな。


マーフレストランのチキンチャルガ
スパイスを溶かし、旨みと甘みを足す。喜久酔は何に合わせても対応するなぁ。



4日目。
冷えすぎてるせいもあり、かなり穏やか。
と思った瞬間、少し空気に触れると香り立つ。ラムネのような爽やかさと甘さ、でもやはりどこか穏やかに。

生酒だけあって、いつもの喜久醉よりは日にちによる変化が楽しめました。普段は面白くないくらい安定してて、開栓数日程度じゃ酒質が変わらないですからねぇ。まぁ数日に渡って飲むこともめったにありませんけど。

ともかく、今年も美味しかったです。
振り返ると、去年は一昨年以前と比べて濃すぎず強すぎずのバランスで、個人的には高評価でした。今年はそれに輪をかけてドライな風情でして、蔵として甘さを抑える方向にシフトしているのでしょうか。お話を伺ってみたいものでございます。





喜久醉 特別本醸造 生 25BY
青島酒造株式会社
アルコール度数 15度以上16度未満


取手市 中村酒店さんで購入。

2014年3月27日木曜日

相模灘 純米吟醸 美山錦 無濾過生原酒 槽場詰め 25BY

去年もそうだったのですが、やっぱり今年も同じことをしております。特純を飲んだら純吟も試さにゃいかんということです。相模灘の純米吟醸無濾過生原酒、25BYを頂きます。

去年の記事:
相模灘 純米吟醸 美山錦 無濾過生原酒 槽場詰め 24BY

相模灘との付き合いもぼちぼち長くなってきていますが、出会った当初から安定感のある蔵だった印象です。昨年杜氏が変わられてどう変化するかなと思ってましたが、安定感は変わらず、ブレない味を醸してくださいました。

我が家では数銘柄が定番酒としてローテーションされるのですが、相模灘は最も新しくこのローテーションに入った銘柄でして、まだ若い蔵元ですが安心感はひけをとらないのです。

そんな相模灘の毎年の恒例行事がこの時期の槽場詰めの無濾過生原酒なのです。


冷蔵庫から出しての冷や冷やで開栓。

立ち香は爽やかで濃い。派手という言葉とはちょっと違うけど、それなりに主張するちょっと濃い目の印象。あれですな、ちゃんと化粧して着飾ったみたいな印象でしょうか。

口に含むと一気に鼻まで抜ける香り。素晴らしいなぁ。栓を抜いた瞬間はプシュってなったけど、舌触り自体はぴちぴちじゃない。でも、その感覚以上にじゅわっと弾ける印象がある。旨みの強さでしょうか。


イシガレイの唐揚げ。
細かい身に染み入る旨さ、香りの相性、狙い通りです。
今日は魚が相手、刺し身ではなくて火を入れる予定で買いに行ったのです。こうやって指名買いが成功すると嬉しいですなぁ。


ゆるゆるだらだらと、美味しいまま飲み続けてしまう。

吟醸香と甘みと旨みがバランスよく、そしてそれらがちゃんと混じり合っているから、これが完成された味だなぁと理解できる。事実、温度が変わってきて甘さや旨みの主張具合が変わっても、飲んでいる印象は大きく変わらない。

常温近くになるとミルキー感も出てくる。意外に純米部分が強く出たなぁ。相模灘をここまで温度を上げて飲んだのは初めてなのですが、この分だとぬる燗も美味しかろうなぁ。

あぁ、気付いたら一升瓶が空いていた。久しぶりにやってしまった。相模灘ってちょいちょいやってしまうんですよね、一晩一升。それだけ美味くて飽きないということなのでございます。





相模灘 純米吟醸 美山錦 無濾過生原酒 槽場詰め 25BY
久保田酒造株式会社
精米歩合 美山錦 50%
酸度 1.7
日本酒度 +2
アルコール度数 17度以上18度未満


取手市 中村酒店さんで購入。

2014年3月25日火曜日

薄墨桜 純米 蔵出ししぼりたてピッチピチ生原酒 25BY

達磨正宗で有名な白木恒助商店さんの薄墨桜です。

昨年ひやおろしを飲んだのですが、美味しいけど格別というほどでもなく、瓶とかちゃんと写真もなかったことから個別のポストをしなかったんですね。

ひやおろしを飲んだ時:
外飲みメモ:喜久醉・太平海・鳳凰美田・薄墨桜、長良川鵜飼いと天然鮎の塩焼き弁当@川原町泉屋


まぁそんなわけで私的にはぼちぼち程度の評価だったんです。ところが先日、横浜君嶋屋さんにおじゃました際にこのお酒を見つけ、なんか妙に気になったんですね。でもその時は他に優先すべき銘柄もあり断念したのです。

その後、その時に君嶋屋さんで購入した亀齢があまりに美味しくて、追加で発送をお願いしたのですが、その際になんか他にも入れときます?って聞いてもらったので、それならとお任せで一本お願いしたのです。そして届いた箱を開けたらこれ。

えー、なんで知ってるんですが、僕がちょっと気になってたの。

ということで、やっぱりこれは飲むべくして我が家にやってきたということなのです。


冷蔵庫から出しての冷や冷やで開栓。

すでに良い色です。武勇さんなんかも割りと新酒でも色味がついてたりしますけど、ここまでじゃなかったかなぁ。

香りはそれほど強くない。ねっとりと少しだけ。

苦味のコクがガツンときて、その後はジュワッと甘みと旨みが。舌に残るのは渋みのような強い余韻。心地よく舌を痺れさせる。
温度が少し上がると、柑橘のような甘みと酸味が湧き、よりジューシーな印象。

弾けるようなとか微発泡感とかそういう意味のピッチピチではないのですが、焦げたようにジュッと感じる刺激は確かにピッチピチという言葉がよく似合います。


蒸し野菜と合わせる。
野菜との相性が良さそうなイメージだったのですが、間違いなかった。美味いなぁ、染みる。



3日目。
アタックが優しくなり、全体のまとまりが出てきた。すごい美味しい。今正に飲み頃。

自家製の焼き鳥。
染みて絡まる。たまらん。脂を溶かし込むなぁ。

ちなみに焼き鳥はコンロについてる魚焼きグリルで焼いてます。どんなもんかなーって試してみたら、めっちゃ美味く出来てしまった。
個人的には、焼き鳥のワンピースは大きいほうが美味しいと思ってますが、なかなかその要求を満たしてくれる焼き鳥さんがないんですね。結果、自分で作ったほうがよかったということなのです。満足満足。




6日目。
アルコール感が強くなった。ようやく数字通りの感覚といったところでしょうか。まとまりという点では3日目の方が良かったかもしれませんが、苦味、深みという意味では今日の方がガツンときます。大人な一杯が楽しめます。

古めかしい味わいの気配はするのですが、ジュッと焦げるような芳ばしい旨みがそれを拭い去る印象です。この気配が強くなるとひやおろしの頃の味なんでしょうかねぇ。



ということで、薄墨桜の新酒、大変美味しく頂きました。ひやおろしのことを思い出すと、一度飲んだだけで判断するのは早計だったなぁと反省なのでございます。





薄墨桜 純米 蔵出ししぼりたてピッチピチ生原酒 25BY
合資会社白木恒助商店
精米歩合 ハツシモ 70%
アルコール度数 18度以上19度未満


横浜君嶋屋さんで購入。

2014年3月23日日曜日

旭若松 純米 雄町・山田錦 17BY

旭若松の17BYです。貴重な一本、頂きました。
買うとき、いいんですか?って三回くらい聞いた気がします。

そもそも、達磨正宗のように最初から熟成を前提にした日本酒を除けば、ここまで長期熟成したものを飲むは初めてです。しかも一升瓶。
なんだろう、責任感みたいなものが生まれますねぇ。蔵から出荷されたこの一本、お店で責任をもって寝かしてたわけですし、開けて空気に触れてからは我が家の責任ですからねぇ。美味しく頂かないといけません。


さて、購入後冷え冷え玄関放置で2日。程よく冷えてます。

濃い目の色。おかしいなぁ、見た目より薄い。まぁ携帯のカメラで適当にとってちゃ色の再現性はだめですな。それでもまぁ琥珀色はわかってもらえるかも。



香り、チョコの香り。正しくはカカオの香りって言わなきゃなんでしょうけどね。
十旭日のお燗を初めて飲んだ時、チョコだチョコだってびっくりしたんですが、冷やでこの濃厚な香りが立ち上ってくるとは。
すごいんですよ、お燗してるみたいにムワッと。もちろん香りが立ち上る勢いはお燗と違いますけど、開けて注いだら食卓が香ることこの上なく。

最初の刺激はすごく少ない。濃厚だからアタックがやさしいとは感じないけど、よくよく味わってもアルコール感が少ない。なんだかよくわかんない旨い液体。

口に含むと、旨味、香り、苦味が順にせまってきて、喉に落とすと香りが口中に残り、いっぱいになって鼻まで溢れる。ここでようやく日本酒のパンチが出てピリリ、ジュワリとくる感じ。ふわっとアルコール。あぁお酒飲んでたんですよねって、美味いなぁって。

舌にはほのかな苦味を含んだ米の旨味が残る。この余韻が二度目の美味しさ。


時間が経つと空気に触れて穏やかになる。佇まいがものすごく静か。濃厚なアタックまで優しくなって、あれっ?薄くなった?って錯覚する。そんなことないけど。

甘みと酸味がリンゴ、みたいな気もする。リンゴでも爽やかな奴じゃなくて熟しきったやつ。いつも感じるわけじゃなくて、フッと舌で転がすうちにちょっとだけ姿を現す感じの淡い味だけど。
奥さんにはわからんと言われて、強いて果物ならみかんじゃねって。それもわからんけど。

人に伝えたいとき、何かに例えようとするんですけどね、ボキャブラリが貧困だと混乱の元ですな。
(´・ω・`)ショボーン

まぁ、酸味のような酸味じゃないような、甘みも旨みも酸味も渾然一体な味ですから。あの部分が何かに、似てるとかそういうことにならない。混じり合って分離不可能な味。


タコ燻製と合わせる。スモークが融け込む。

その後、野菜とか鶏とかとも合わせていったんだけど、味を吸収するというか、消えちゃうわけじゃないけど、包んでちょっと隠しちゃうみたいな。
もちろん食べて飲んで合わないとかそういうことじゃないけど、寄り添うとかマリアージュとか言うよりも、旭若松が新しい味をお届けしますみたいになる。何が言いたいのかよくわかんなくなってきます。


とりあえず今日は一杯でやめておく。長きにわたってジワジワと飲んでやる。

しかし玄関に戻すか冷蔵庫にするか、変化を楽しむなら玄関かなぁ、でもなぁ開けた後だしなぁ、万が一劣化したら泣くしなぁ…この季節、劣化はないと思うけどなぁ、ヒトも通るわけだしなぁ…

ってことで、冷蔵庫でまったりと管理することにしました。ビビリ。



1週間。
チョコレートケーキと合わせる。マリスさんのクラッシックショコラ。ここのショコラはとっても濃厚ビター。本来は茶色いお酒と合わせるんでしょうけど、これ十分茶色いお酒の風格ですから。

これと合わせて気づいたけど、やっぱりこの酒、ちゃんと枯れてんねんなぁと。若々しい濃厚さはショコラで足される。別になくて物足りないわけじゃないけど、足されて感じる搾りたてを味わうかのような錯覚。



ぐっと我慢して2ヶ月弱経過。

益々チョコ、うーん、カカオ70%って感じ。
苦味が強くなってる。艶のある苦味。ウイスキーの樽で熟成みたいな、そういう要素がなくてこの味ってどんな魔法なんやろ。
フルーティーじゃないけどフルーツ感はある。枯れた、干した果物。プルーンとか。

とにかく苦味が美味くて美味くて、多分ロックで浮かべて飲むといいかもしれない。今度はちょっと試してみよう。



4ヶ月経過。

チョコ感が更に強くなった。
OGGIのショコラデショコラを思い出す。単にカカオだけじゃなくて、スパイスを感じる部分。干し草とか、そんな感じも。

味はさすがに落ち着いていて、濃くても苦くても、どこかその落ち着き懐かしい味。子供の頃、苦くて食べられなかったもの、そんな郷愁がある。

イワシの煮付けと合わせる。
4日経ってコッテリの味。脂によく合う。双方パンチが有りすぎて、これがベストマッチだとは言えないけど、殴り合うような対峙が楽しい。なかなかこういうことはできないなぁ。

この時点で、残りは1/3程度。よくまぁ我慢したもんです。



いつ以来だろう、2ヶ月ぶりとか?買ってから、半年強は経ちます。

チョコ+醤油?

舌に当たる感じがトロトロ。こりゃ別物になったな。
もうしばらくおいたら焼酎の原酒になりそうとは奥さんの言葉。

苦味がガンと後味で主張し、いつまでもしびれを残す。そしてここまで熟すのかと、熟してなお旨いのかと。

この印象は、リキュールとかブランデーとか、そんな種類のお酒で感じた風情なんですけどねぇ。すごいなぁ、日本酒って。いや、選ばれし日本酒って。

金陵のレバーと合わせる。
渾然一体となる新しい食べ物?飲み物?いやはや口の中がよくわからない状態です。ねっとりとしたペーストになり、トロリと舌にまとわりつき、喉にじわっと旨みを残し、そんで消えない香り。



そろそろ飲みきろうかと思ってる8ヶ月目。

SHIBUYA CHEESE STANDさんのブッラータと合わせる。
出会いは頂きものだったのですが、あまりに美味しくて自分でも購入してきたんです。

ところが、家にワインがないという事実を忘れてました。100本近い酒があるのにワインがないってどういうことやねんって気がしますけど、それならそれで合わせる酒はいくらでもあるわけでして、ワイングラスで旭若松なのです。

枯れた風情が正に年代物の白ワインのようで、フレッシュジューシーなブッラータにエロスを注入。



ついつい飲み切るのが勿体無くて1年経過。

もうすでに甘みはほぼなく、深いコクと苦味。チョコとか言ってたけど、そんな優しさすらももうない。
でもうまい、めっちゃうまい。余韻は長いけど、優しく伸びて強くない。

そろそろ本格的に枯れ始めてきた感覚があります。でもまだ一杯分くらい残ってるんだよなぁ。

ということで、シメはぬる燗で。
旭若松は熱めでもまったく問題ない酒質だと思ってますが、これは特に枯れていることもありますので、優しくじんわりと解いていくようなイメージなのです。

いやぁもう、言うことないなぁ。

先日新宿のさけくらべさんにおじゃました時にご主人と話してて、旭若松は燗酒がいいでしょうという話をしてたのです。至極同意なのですが、個人的には冷をウイスキーを舐めるが如く飲むのも好きなんですね。でもまぁ実際にお燗して思うのは、この方が万人に美味しさは伝わるのかなということです。まぁそんなこと言っても好きに飲むんですけどね。



それにしても長かった。一本の日本酒をここまで時間をかけて飲んだのは初めてです。まぁ冷蔵庫的にはもうやりたくないですけど。

結果的に、開栓してから1年経つとさすがに枯れたという印象が出てきます。でも枯れて美味しく無くなったかと言われるとそんなことはなく、美味しさが減ったのかと言われても、いや形が変わっただけですなと。そしてお燗すればそんな話はどこへやら、沸き立つ旨みがやっぱり楽しめるのです。強く変わらない存在感の味がずっとありました。稀有なお酒なんだと思うんですよ。


なにがここまで僕の琴線に触れたのか判らないのですが、まぁほんと偏愛してしまいました。これまで旭若松は数本飲んできていますが、同じようで違う味で、違うようで同じ味。旭若松とはこういうお酒なのですという芯がブレないんですね。

美味いなぁ。また飲みたいなぁ。素敵なお酒です。




旭若松 純米 雄町・山田錦 17BY
那賀酒造有限会社
精米歩合 雄町・山田錦 65%

横浜君嶋屋さんで購入。

2014年3月22日土曜日

デッドストックの舞富名43度

デッドストックの舞富名43度を見つけてしまった。

迷わず購入。帰宅後開封(箱だけ)。

おぉ、H18の瓶詰めでござるか。舞富名の蔵におじゃましたのがH17なので、その翌年ですか。なかなかのビンテージでござる。

舞富名、心の泡盛。でも、蔵元が病に倒れて今は造りをされていないとか。詳細をご存知の方、是非教えて下さいませ。



舞富名 43度
入波平酒造株式会社
アルコール度数 43度

2014年3月21日金曜日

松の司 純米 生 25BY

久しぶりの松の司です。飲みたくてもなかなか買えないんですよね。

今回はこの時期ならではの生酒。そしてスタンダードな純米。昨年購入して飲んだ松の司は、どっちもちょっとマニアックなもの。君嶋屋さんで試飲するのもPBの情熱シリーズ。そんなわけでスタンダードには縁遠いのです。

昨年の二本。
松の司 純米吟醸 心酔 山廃仕込 18BY
松の司 純米 無濾過生原酒 木桶仕込 24BY


玄関放置の涼冷え程度で開栓。

バナナ香。ビターなキャラメルバナナ。

強い味が舌の上でブワッと広がるのに、後味は切れよく軽い苦味が甘さを叩き切る。
舌触りは美しくサラリと。味の濃さとは一致しない軽やかな印象。艶もありドライとかリッチとかいう言葉じゃ表現できない。

バナナ香は次第に影を潜め、軽やかさが増す。でも味は益々ギュッとまとまる、ひとつの塊になって口の中を支配する感覚。



3日目。
いろいろ落ち着いて、穏やかに。薄く漂う甘みが心地よい。
苦味や刺激も丸くなり、全体の一体感がました。古めかしい印象がチラッと見えた瞬間に、甘みが主体の淡い甘み。上質だなぁ。

マグロの刺し身。
とても合う。生臭い部分だけ流して、互いのうまみが旨みが絡み合う。それほど魚と合わせる印象がないのですが、まぁこれくらい素晴らしい出来だと相方を選ばないということですね。

ちなみにマグロは友人からのいただきもの。えぇ、柵取り前って素人にはどないせいって話です。
苦戦しつつも柵取りしてお刺身に。解凍がヘタクソだから結構ドリップするんですが、それでも全然水っぽかったり臭かったりなんてことはなく、久しぶりにたっぷりマグロを食べられましたとさ。





8日目。
まとまりが素晴らしい。一体化した酸味と旨みと甘み。舌触りから喉越しまで、美しく何も引っかかるところなく心地よく喉に落ちる。その間に振りまく香りは強くなくとも存在感はあり、美しさと力強さの融合がここにある。本当に完成度が高い。

目光の唐揚げ。
目光もいただきもので、ほんのりカレー味の衣がついてるのですが、これがまた相性が想像以上によかったのです。目光本体の旨味、衣から漂う香味、新しい旨みになります。すげー、松の司はカレーもイケるのか。



ということで、なんとか我慢して一週間強かけて飲んでみました。常飲したいなぁ、これ。特に開栓してからの味の変化がとても良くて、全くダレることなく美味さが変化していくのです。これは毎晩飲んでも飽きない味ですなぁ。いいなぁ、毎晩飲みたいなぁ。







松の司 純米 生 25BY
松瀬酒造株式会社
精米歩合 65%
日本酒度 +3~+5
酸度 1.6~1.8
アルコール度数 15度以上16度未満


横浜君嶋屋さんで購入。

2014年3月19日水曜日

亀齢 辛口純米 八拾 生 25BY

ちゃんと瓶で飲むのは八九以来の亀齢です。

今回は8割という低精米のお酒でして、相変わらずレギュラー商品を飲んでないなぁと思うのですが、そもそも亀齢ってめったに見ないんだからしょうがない。


移動時間があったので、冷蔵庫から出してもまだ冷えきってない涼冷え程度で開栓。

綿菓子の香りとは奥さんのコメント。同意。甘く濃く立ち上る。振りまくようには香らないから、香りの甘さと相まって、ねっとりと横たわる様。

口に含むと、苦味を含んだ酸が心地よくビシビシと舌に突き刺さる。低精米らしい荒々しい旨みが充実してるけど、雑味とは全く感じず、独特の唯一無二の旨味になっている。

酸味がとか甘味がとか個々の要素もそれぞれ強く個性があるのだけど、それを切り出してを語れない、亀齢の味があります。

余韻は長く、ようやくここで辛口という文字を思い出す。ピリッとした軽めの刺激が長く続き、それと共に濃厚な香りも長くそこにある感じ。


中華街は金陵さんのモツ盛り合わせ
同時に松の司も飲んでるのですが、旨みのぶつかり合いは松の司と同じタイプに感じるんだけど、より味の要素が混じり合う感覚がすごくいい。

特にレバーとの相性が堪らなく良い。いやほんと、たまらん。今年一番のベストマッチングでございます。延々と続けられます。


冷蔵庫の都合とか、他の買い物の都合とかで、今回四合瓶で購入したんですね。いやぁこんなに後悔するとは思いませんでした。一升瓶でも升升半升でも一斗樽でも持ってこいって話ですよ、これ。






結局諦めきれずに、一升瓶を2本送ってもらってしまった。前回の八九も2回買ってるし、毎度このパターンが続きそうです。


亀齢 辛口純米 八拾 生 25BY
亀齢酒造株式会社
精米歩合 80%
アルコール度数 17度以上18度未満


横浜君嶋屋さんで購入。

2014年3月17日月曜日

らんかん 2011

先日の第二回龍宮研究会の時に、研究対象として持ち込まれたらんかんの2011。残りを置いていってくれたので、改めてじみじみ味わってみました。そして空けてしまった。


ストレート。
丸い。いつものしびれる感じよりも、優しい印象。まーらん舟に印象が近いねっとりとした舌触り。いや、舌触りは以前もねっとりしてたのですが、カッと立ち上る香りや旨みや刺激はもっとエッジが立っていた印象なんですよね。それがやや丸みを帯びたという感じです。


ロック。
香りの立ち上がりが激しい。そして甘みがぐっと湧きます。なんでしょうか、これを飲むということは非常に贅沢な時間を楽しんでるという感覚です。

よく映画とかであるじゃないですか、ウイスキーとかを舐めながら物思いに耽るというかなんというか、ああいう場面によく似合う味になります。ほんと、しっとりと物静かに舐め続けられるのです。


お湯割り。
溶けます、トロけます。眠っていた麹の香りも加わり、温度の分だけ優しさは増します。癖になるなぁ。


らんかんも色々な年のを頂いてきてますが、2011は今までにも増してリッチな印象でした。
買わなきゃいけないですな。




らんかん 2011
有限会社富田酒造場
アルコール度数 43度

2014年3月16日日曜日

龍宮、新宿高島屋でござる。

うふっ。

限定品という言葉に弱いのは仕方ないですけど、そいういうことを置いておいても、違いがあるなら飲まなきゃいけないという使命感に駆られるのは龍宮の魔力なのです。

いつ飲もうかな。まぁビビって開けられない気がしますけど。


左は今回新たに登場した新宿高島屋限定の、龍宮の原酒。ちょっと前に飲んだNo84ともまた違うときのものだそうです。ふっふっふ。

右は蔵元にももうない、まーらん舟の古酒の720ml、桐箱入りのもの。瓶詰めしてからすでに3年以上寝ていますし、その中身はまーらん舟の古酒がブレンドされたもの。そんなマニアックな品があったんですね。ふっふっふっふ。


2014年3月15日土曜日

外飲みメモ:さけくらべ@新宿

先月のオープン以来、酒飲み界隈では話題のお店、新宿のさけくらべさんにお邪魔して来ました。

こちらのお店は、4,000円で日本酒飲み放題、料理その他は持ち込みという立ち飲みのお店です。好みの肴を食べながらって辺りが違いますけど、試飲会のような感覚です。

お店には冷蔵庫が2機。ここから好きにお酒を取り出して、好きな量(といっても利き猪口しか使用しちゃいけませんけど)を注いで飲むというスタイル。

ラインナップは幅広く、軽めから重めまで色々揃っています。




ホワイトボードには出てるお酒が書いてありますので、それを見て目星を付けて飲むのがよろしいようで。



この日は4人でデパ地下で買ったおつまみを持って19時過ぎに入店。豪雨のためかお客さんは先客1グループだけでした。

スタートは限定のお酒を一杯頂いて始めるスタイル。この日は鍋島と村祐でした。

後はひたすら取り出しては飲むというのを繰り返す。


自分で選ぶのはちょっと面白いところからスタートします。

福島の大木代吉本店さんの自然郷、日本酒リキュールのヨーグルト酒です。
ポンカンの甘みとヨーグルトの酸味が心地よく、後味に日本酒が香るさっぱりタイプのヨーグルト酒。新澤醸造店さんのヨーグルト酒とはまた違った趣です。美味しい。





上では知ってるかのように書いてます大木代吉本店さんの自然郷、実は飲んだことありません。なので活性にごりですが飲んでみることに。

開栓してどれくらいかは存じませんが、まだまだしっかり発泡感が残っています。やや上澄みが多かったせいもありますが、見た目の濁り具合に反して意外とさっぱりとした味。甘くなりすぎず軽快です。





こちらも知らない銘柄、長野は上田のお酒である互。

上田といえば真田ファンには聖地の一つでして、以前遊びに行ったことがあります。池波正太郎真田太平記館があるんですよね。その時はお酒を探さなかったなぁ。
あ、一般的に真田ファンといえば幸村でしょうけど、僕は父ちゃんの昌幸のファンなのです。どうでもいいか。

ともあれ、味はしっかりとした旨みと酸、長野酒らしい後味。美味しいんですが、長野酒が得意じゃない我が家では、お店のみが最適です。




以前どこかで飲んだ記憶があるのですが、細かく覚えていない高知の亀泉。
華やかな吟醸香が美しく、それでいて軽快なのは高知酒といった感じでしょうか。僕の周りの評価は低かったですけど、僕はかなり好みのお酒でした。グラスで一杯、じっくり味わいたいタイプです。



新政のNo.6。
新政は色々飲んだことありますけど、実はNo.6は初めてでミーハー的にちょっと嬉しい。
穏やかな乳酸の香りが漂い、甘辛酸のバランスがとても良い。これは食中にも向く佳酒でございます。人気なのもよく判ります。





心の酒、磯自慢。
しぼりたて本醸造は昨年瓶で買って飲んでるのですが、今年は未飲。冷蔵庫から出して直ぐのため温度が低すぎることもあり、かなりフラットな旨みが立たない味わい。うーん、もう少し時間をかけて飲むべきでしたが、それでも去年ほどの味では無かった印象です。しまったなぁ、お燗にすればよかった。




久しぶりの義侠。
記憶よりも後味が太い印象。70%精米だからかな。それがいい方向に向いているかというと、アタックや含み香に対してやや蛇足な印象も受けます。



中屋も久しぶりです。
静岡酒の中ではぽってりとした印象を持っていますが、やっぱり今回飲んでもちょっと甘さを強く感じます。静岡酒らしく酸が少なくするりと消える後味に対して、やや舌の上でモッタリしちゃうのかなぁ。
まぁこれは静岡酒に対する先入観との差分な気もしますけど、それ以上に濃く太くする味の要素のなかで甘みが目立つという点が気になるのかもしれません。
美味しいんですけど、僕にとってはお店で一杯というお酒なのです。




近年偏愛している旭若松。
これは2010BYの火入れの純米。お米はさまざまです。
もうね、醤油ですか味噌ですか、はたまたチョコですかコーヒーですかといった趣。奥深く冷で飲むにはかなりパンチがあります。

後ほど燗付けをしてもらいました。ご主人にお願いすると、適温に燗付けしてもらえます。
いやー、燗の味は更に充実。冷では見えなかった様々な味が、ガンガン湧いて出ます。




こちらは生の旭若松。2011年3月製造とあるので、瓶貯なら2010BYということでいいのかな?
生の方が熟し度合いがやや軽く、火入れに対してエロい甘さが残っている印象です。余韻の長さは生酒の方が伸びやかに強いかな。

それにしても旭若松が飲み比べられるって、いやーなかなか出来ないことですなぁ。
ご主人も、ニーズは少ないけどこういうのも要るよねって仰ってました。




花巴。名前は知ってますけど、初めて飲みます。
おぉ、甘酸っぱい。個人的には、甘酸っぱくするならもう少し軽めの方が心地よいかなと。美味しかったですけど。






ずっと飲んでみたかった、百楽門の菩提酛。
いやーこれは全く別種のお酒です。って思ったら、本当に清酒分類じゃなかった。たっぷり残った米の粒、その粒自体が酒を固めたかのようなリッチな味わい。米のデンプンが糖分に変わるというのをリアルタイムに体感するようです。あ、それってあれか、ご飯をずっと噛んでりゃいいはなしか。

まぁともかく、日本酒として飲むものとは別物のお酒でした。そしてとても美味しかったです。これも周辺ではいまいち評価だったなぁ。





飲んだことないからと奥さんが飲んでた、福島は喜多方のお酒、蔵太鼓。
すいません、そろそろ酔っ払ってきて美味しかった以上の記憶がありません。まぁ一口飲んだだけですし。




ピンク色の遊歩は初めて飲みます。
薄にごりらしい濃さと、記憶にある甘さが相まって、なかなかお腹いっぱいになる味です。
以前飲んだ時も思ったのですが、僕はこの手合の濃さ甘さもそれほど得意じゃないみたいでして、美味しくても直ぐに満足しちゃいます。




惣邑も久しぶりです。
山形酒らしいキレイな甘味とコクが心地よい。惣邑って結構地味な印象なんですけど、飲む度に美味しいなぁと思うんですよね。それで期待して買うと結構地味な印象で、自分で飲む分にはいいんですが、他の人に薦めるとイマイチ反応が良くない。決してまずいって反応をされたことはないんですけど。好きなんですよね、この突き抜けたキレイさ、スマートさ。






秀鳳もめっちゃ久しぶりです。
惣邑に続いて山形酒つながり。純米とは思えないほどのふくよかな香り。美味しいなぁ。今日飲んだ中でもかなり上位の美味しさでした。

思えば、山形酒はもっと序盤に飲むべきだったかもしれません。キレイさ以外の味を探るには、我々すでに酔っ払ってきてます。





どこかで読んだセクスィー山本酵母という言葉だけが記憶にあります、ど。
辛の字が付いている通りで、記憶の味よりも軽快です。ベースが甘いためか+15って感じはしませんけど、これくらいならまた飲みたいなぁと。以前飲んだ時は、甘さがやや目立ち過ぎで瓶で買うにはちと厳しいという印象だったのです。





川鶴、これも名前は知ってましたけど未飲。
そして今日一番の美味しいさ。終盤にも関わらず、目が覚める美味しさです。キリリとした後味は大辛口の文字のとおりですが、その手前の焦げたようなコクはオオセトならでは。充実の味ですが、同じオオセトを使った悦凱陣ほどコッテリさせないサラリとした舌触りは蔵の特徴なんでしょうか。他のも飲んでみたいです。

香川のお酒って好みなのかなぁ。7蔵しかないから制覇したいなぁとか思う今日このごろ。






杉勇は飲んだことありますが、赤福助は初めてです。
ふむ、心地良い酸が甘味を流して軽快。いい意味で棘があるような喉越しです。面白いなぁ。




長陽福娘。これも名前は知ってるけど初めてです。
うまい、めっちゃうまい。なんぞこれ、素晴らしいバランスです。しっかりとしたキレイな甘味がタップリと舌の上で楽しめるのですが、発泡感のおかげだけじゃない後味のキレが心地よく、するすると飲めてしまします。鼻に抜ける香りは爽やかで、スカッとラムネのような印象。川鶴とならんで今日の嬉しい出会いです。






琵琶のさざ浪、久しぶりです。というか2回目かな。
最近こちらの蔵の武蔵野という銘柄の写真を見て、飲んでみたいなぁと思ってた所なんですが、まぁまずは琵琶のさざ浪で予習しておけということでしょうか。

原酒らしい濃密な味わい。結構甘かった記憶がありますが、今飲むとそこまで感じず、むしろ後味のキレイさのほうが記憶に残ります。舌の上の味とのギャップという点でしょうか。ちょっと美味しすぎるから、これもお店飲みの銘柄かもしれません。





酒屋八兵衛も久しぶりです。1、2回店飲みしただけですから、あまり覚えてません。そして今回も美味しい以上の記憶がありません。まぁ美味しかったんだと思います。






本日のシメは千駒。
えぇ、もうほんと、覚えてないんですよ。美味しかったなぁとしか。役立たずです。





とまぁ、なかなかこんな風に飲み比べることは出来ないと思います。
こんなことが出来ちゃるさけくらべさんは、とても素晴らしいコンセプトのお店なのです。

同じ蔵の米違いとか、火入れと生の違いとか、結構比べると面白いアイテムも色々並んでいます。今回は普段あまり飲まない飲めないお酒を飲んでましたが、慣れてきたらテーマを決めて飲むのも楽しそうです。それくらいたっぷり種類はあるんですよね。今回、これだけ飲んでも半分も消化していませんし。


帰り際、ご主人と話してたんですが、嫌がらせのような電話がかかってきたりと、やっかみも多くご苦労されているそうです。まぁ近隣の日本酒を売りにするお店からすると脅威かもしれませんけど、お店のコンセプトとしては被ることはないと思うんですけどねぇ。やだやだ。

ちなみに、泥酔するような飲み方はしないで欲しい、ちゃんと水を飲んで欲しいと結構強目に諭されますが、オープン以来結構なお客さんが潰れていったためだそうです。
キツく言うと愛想がとか態度がとか言われるんだけど、言わないとみんな酔っ払ってひどいことになるからと。察して余りある苦悩です。

お店は燗付け以外は全てセルフサービス。おつまみは自分で持ち込みですし、飲んだ後のグラスは流しに運び、ゴミも全て持ち帰り。テーブルをキレイに拭いてがルールです。
日本酒好きには堪らない研鑽の場所ですから、末永く続けて頂けるように、我々客もルールとマナーを理解して楽しまねばと思った次第なのです。

次回は、もっとたっぷりおつまみを用意しておじゃましよう。

ちなみに、普段はお酒の銘柄をタイトルに書いてるのですが、ご覧の通り頭悪いくらい飲んできましたので書ききれませんでした。
(*ノω・*)テヘ


さけくらべ
新宿区西新宿1-13-7大和家ビル10階
03-5990-5444