2014年4月30日水曜日

相模灘 特別本醸造 美山錦 槽場詰め活性おりがらみ 無濾過生 25BY

相模灘の活性おりがらみです。以前飲んでる活性にごりの姉妹品といったところでしょうか。

活性にごりの記事:
相模灘 特別本醸造 美山錦 槽場詰め活性にごり 無濾過生原酒 25BY


記憶が確かなら、一昨年に飲んでるはず。何故なら栓が飛んだ記憶があるから。発泡自体は微発泡程度で、活性にごりと違って穴あき栓でもないのですが、ガスは結構溜まってるんですよね。
前回は冠頭を外して置いてたら、ポンっと栓が飛び跳ねたのです。でも噴き出ることなく、照明とかにも当たらずに被害は無かったのですが、結構ビビリます。

そんなわけですから冷蔵庫でよく冷やして、そして慎重に冠頭を外す。でもでも、外し終わらないタイミングでボフッと栓が浮く。幸い抑えてたので飛び跳ねませんでしたが、やっぱこれは心臓に悪い。瓶に書いておかないと危険やなぁと。


爽やかな香り、青くガスっぽいような発泡感特有の風情です。

口に含むと思ったより甘い、でも後味はスッキリ。微発泡感と相まって、甘めのシャンパンのような印象。

活性にごりの時は、にごり成分故に甘いんだろうなって印象があってのキレの良さだったのですが、これはにごり成分がそこまで多くないからもっとキレるだろうなと思っての甘み。先入観っていやですねー。


生しらす。
オリーブオイル、塩、レモン。うーん、生臭さが浮くなぁ。悪い例ですな。
オリーブオイル、醤油、胡麻。これは良い。醤油、大事です。

鯛の松皮焼き。
脂が乗ってても淡白な鯛の身には、この甘さは良い相性。でもベストかと言われるとちょっとちがうかな。


相模灘は魚と合わせて美味しいのですが、生魚だとにごりはちょっと余分だった気もします。まぁそれはお酒のせいじゃなくて合わせ方の問題ですな。

なんだかんだで、それでもあっという間に一升瓶が空く。相模灘は一晩一升比率が高くて困りますって、前回の純米吟醸の時も言ってます。進歩がないというか、改める気がないというか。まぁこれこそ美味さの証明でございます。





相模灘 特別本醸造 美山錦 槽場詰め活性おりがらみ 無濾過生 25BY
久保田酒造株式会社
精米歩合 美山錦 60%
酸度 1.4
日本酒度 +4
アルコール度数 16度以上17度未満

取手市 中村酒店で購入。

2014年4月28日月曜日

武勇 吟醸 生酒 蔵の旬かすみ酒 25BY

年に一度のお楽しみは色々ありますが、そろそろ造りも終わりだなぁという季節感で楽しめるのは武勇の蔵の旬なのです。

昨年の記事:
武勇 吟醸 生酒 蔵の旬かすみ酒 24BY


かすみ酒の名前がしっくりくる、上質な薄にごり。底に溜まらずに、名の通り霞がかってる様は美しい。


涼冷え程度で開栓。

発泡感はないのに、炭酸飲料を開けた時のようにピチピチと香る。

口に含むと米の甘みを中心に、軽い酸味が混じった爽やかな舌触り。甘さはお米由来とはっきり判る粉っぽさ。おりが効果的に味を作っているという印象です。

普段の武勇はもっと濃醇な印象があって、おりがからむと爽やかになるんですよね。他のお酒だと、にごりは当然のこと、おりがらみでも濃さが増す印象があるのですが、武勇は逆。記憶のベースがコッテリなので、おりの持つフレッシュな印象が強くでるわけなのです。


実は、今年の武勇の初しぼりはあんまり美味しくなかったんですよね。このところ、ちょいちょい武勇の味がブレる気がしてて悲しかったのですが、蔵の旬を飲む限りはやっぱり大丈夫だなぁと。





武勇 吟醸 生酒 蔵の旬かすみ酒 25BY
株式会社 武勇
アルコール度数 16度


取手市 中村酒店さんで購入。

2014年4月26日土曜日

麓井 吟醸 生詰原酒 輝ら星の如く 25BY

見ると飲みたくなる、麓井の輝ら星の如く 。毎年飲んでるはずですが、意外とタイミングはまちまちでした。今年は新酒の生詰なのです。

過去の輝ら星の記事:
麓井 輝ら星の如く 吟醸生詰原酒
麓井 吟醸 輝ら星の如く 生詰原酒 ひやおろし 24BY

以前も書いてますが、年末のお酒の印象が強いんですよ、輝ら星は。なので4月に飲むのもどんな感じなのか楽しみでございます。


冷蔵庫から出して少し置いた涼冷え程度で開栓。

爽やかでも乳酸感をたたえた濃密な香り。香りの印象だけでも艶やかさがたまらんです。

口に含むと香りそのままの旨味。濃くても爽やか、乳酸感が旨みの背後にあり、タップリとジュワッとを楽しめる。痺れるような余韻が長く続き、味と香りが消えたあとも、その味の感触だけは残りつづける。

旨みは濃くても雑味はなく、滑るようなつややかな舌触り。原酒らしい濃さがカプセルに閉じ込められてるよう。

甘いスイカ、奥さんぴったりです。そう、甘さは割と強いんだけど、そして濃いんだけど、それでももったりはしない爽やかさがあるのです。

そう言えば、原酒って表記する場合はアル添はいいんですね。あくまで加水のことなのか。でもなんかちょっと違和感があります。まぁこの辺りをちゃんと法整備したほうがいい気もするんですがどうなんでしょうか。


自家製ベーコン。
エンドレスで繰り返せます。薫る肉、取り込むお酒。


ついつい一升瓶が空く。美味すぎてたまらんでしたよ。

言われなければ生酛造りだって気付かない上品な印象。でもその奥にある旨みは生酛ならではで骨太。ギュギュっと詰まった旨みは、甘さに頼らないから飽きないしダレない。そりゃあ飲んじゃいますなぁと。






麓井 吟醸 生詰原酒 輝ら星の如く 25BY
麓井酒造株式会社
精米歩合 50%
アルコール度数 18度


取手市 中村酒店さんで購入。

2014年4月24日木曜日

府中誉 特醸 直汲み壜燗火入れ 25BY

府中誉の特醸、初めて頂きます。

渡船や太平海でお馴染みの府中誉さん。名代はもちろん府中誉なのですが、これまで飲んだことがありませんでした。まぁ地元も向けの定番酒ですし、そもそもそれほど目にしないんですね。
ところが最近、府中誉の本醸造がリニューアルしてこの特醸となり、格段に美味しくなったとか。それは飲んでみないといけないわけなのです。


冷蔵庫から出しての冷や冷やで開栓。

フラットで、でもみずみずしさはある香り。

口に含むと優しい舌触り。控えめな甘さと爽やかな旨味、後から米のコクがほんのりの苦味とともに。少しだけアルコールが香る。
後味は短く、でも青い風情がふわりと残る。水っぽいという言葉は合わないけど、最後が一段みずみずしくて濃さを主張し過ぎない品の良さ。
温度がやや上がると旨みがぐんと乗り充実の味のり。これはあんまり冷えすぎないで飲むとよいですな。



2日目。
初日よりもぎゅっと味が纏まった印象。フラットな感じはそのままに、厚みが増したという感じでしょうか。
アルコール感も収まり、今まさに飲み頃。これはお燗にしても美味しいんだろうなぁという雰囲気が冷や冷やでも匂い立ちます。やや古めかしい旨みを上手に残している辺りが、そんな風情を醸し出すのでしょうかねぇ。



3日目。
更に旨い。アルコール感がさらに抜け、旨味が増した。太平海に近い印象かな。
奥さんはまだアルコール感があるというから、この風情は好みの領域なんだと思う。

乳酸感も出始め、しみじみ飲むにふさわしいあじ。お燗でも、いやお燗の方が旨かろうなぁ。まぁ全部冷やで飲んじゃったんですけど。



これで税込み2000円ちょっと。税別なら2000円を切ってきます。すごいコストパフォマンス。いやー満足度が高い。まぁこのクラスの最強のお酒は、100円ちょっと高い喜久酔の特本がありますけど、それに続くハイコストパフォーマンス達に仲間入りでございます。

ちなみにお米はラベルには非表示ですが、チヨニシキという食米。茨城県が主産地のお米なのです。まぁ特徴はよく知りませんけど、コシヒカリとササニシキが祖先にいますから、美味しいお米なんでしょうね。どっかで売ってないか探してみよう。






府中誉 特醸 直汲み壜燗火入れ 25BY
府中誉株式会社
精米歩合 チヨニシキ 60%
アルコール度数 15度


取手市 中村酒店さんで購入。

2014年4月22日火曜日

仙禽 無垢 25BY

仙禽の定番酒、無垢です。

仙禽は、お店では何度か飲んだことあるのですが、瓶で買ったことがありませんでした。今ほど人気が出る前に飲んで美味しかったと連呼してたのですが、なかなか買えるお店に出会わないまま今日まで。奥さんはこれが初めての仙禽なのです。

僕もこれまでお店で飲んだお酒のスペックを記憶してませんから、今回は定番というかスタンダードのものから始めるのです。
この無垢という商品は、昨年までは仙禽50として発売されていた定番酒のリニューアル版。精米歩合が50%と書いてありますけど、ネットで調べると麹米は純米大吟醸用の35%精米を使用してるとか。ともあれ、頂いてみます。


冷蔵庫から出しての冷や冷やで開栓。

かおりは多分穏やか。ちょっとまだ冷えすぎててわからない。

口にふくむと思ったより甘みが少ない。柔らかい酸味がすーと続く。甘酸っぱいまでにはならないけど、心地よい爽やかさを演出する酸がある。

昔、多分4年くらい前に飲んだ時は、スペックの違いはあるんでしょうけど、もっと華やかに香り、ねっとりとした厚みの味わいだった記憶があります。同時に、その独特の酸味が個性的で、その後甘酸っぱい日本酒と呼ばれるようになったわけですが、今回のはその時ほども酸味に独特感はない印象です。まぁ最近甘酸っぱい系のお酒も増えてきましたから、味わうこちらの舌が慣れてるという気もしますけど。


山菜天ぷら。
油を切る酸味は好印象の相性です。栃木のお酒って、どうしても海のものより山のものと合わせたくなるのですが、肉派と野菜派と川魚派のどれかなーって当てはめたくなるのです。(逆に言えば、普段は日本酒ってまず海のものに合わせたくなってるんですね)

仙禽は圧倒的に野菜の印象。クリアで澄んだ酸味は、この味を中心に何かに染み入らせたくなるのです。

ヌタ、独活、筍、ホタルイカ。
油がない分だけ、こっちのほうがクリアにまとまる。特に筍との相性は良いですなぁ。

やっぱり野菜がうまいなぁ。



温度が上がると、濃密な吟醸香が湧いてきます。でも味わいが堅苦しくないというか、軽やかで品があるまま美しい。

僕自身久しぶりの、そして初めて瓶買いした仙禽。奥さんも気に入ってくれました。以前ほど甘さも酸味も主張がキツくなくなったかなという印象です。その分バランスが良く、華やかでありながら食中にも使える良酒なんですね。

他のスペックも試していきたいと思った次第なのです。






仙禽 無垢 25BY
株式会社せんきん
精米歩合 50%
アルコール度数 17度


下妻市 すずき酒店さんで購入。

2014年4月20日日曜日

山間 特別純米 無濾過生原酒 6号 25BY

最近続いてます、山間。今回は6号です。

巷ではまだまだレア酒扱いされてるみたいですが、順に飲める幸せなのです。

これまでの今年の山間の記事:
山間 特別純米 無濾過生原酒 7号 25BY
山間 純米吟醸 無濾過生原酒 9号 25BY


今回の6号は、7号と同スペックの仕込み違い。ラベルには書いてませんが、五百万石と、こしいぶきという新潟県で開発された食米のお酒です。9号は五百万石と越淡麗なので、奥さん的には前回と違う米、僕は仕込み違いを味わうという楽しさなのです。


冷蔵庫から出しての冷や冷やで開栓。

香りが強い。このところ飲んできた山間の中で一番香りの立ちがいい。多分今までで一番温度も低いはずなんだけどなぁ。濃くてもフレッシュな香りがしっかりと立ち上ります。

口に含むと濃い旨みの後にジュワッと酸が広がる。十分濃い印象なんだけど、酸味のせいか最後に爽やかさがあり、もったりしない。7号とくらべて甘さと酸味のバランスが良い。香り方は違えど、9号に近い印象です。

でも9号との大きな違いは、舌で転がした時にでるコメの旨み。波を立たせるような一癖があり、酸味と相まって後味に複雑さを足していきます。この点は、7号と比べてもこしいぶきが強く出てるのかな?という印象。


この日は食後のまったり晩酌に2杯くらい飲んで終わりにしたのですが、翌日見たら奥さんまさかの完飲。もうちょっと飲みたかったんですけど、えぇ。

この手合の味に奥さんが高評価を付けるとは思ってなかったのですが、確かに甘くて濃くて、でもキレイというクオリティの高さは、なかなか他に比べるものがない味なんだなぁと。

今度は越の白鳥もちゃんと飲んでみないといけんですなぁ。






山間 特別純米 無濾過生原酒 6号 25BY
新潟第一酒造株式会社
精米歩合 五百万石/こしいぶき 60%
アルコール度数 17度


取手市 中村酒店さんで購入。

2014年4月18日金曜日

ロ万 かすみ 生原酒 25BY

久しぶりのロ万です。花泉の方が美味しかった記憶がいつまでもあるのですが、何故か最近買うのはロ万になる不思議。ブランド戦略に乗せられてるんでしょうかねぇ。


冷蔵庫から出しての冷や冷やで開栓。

メロン、瓜。爽やかに強く立ち上る。ロ万は吟醸造りと聞いてますが、その通りのフレッシュ吟醸香。でもいわゆるエチレン系の香りは強くない。

口に含むと甘さが最初に来る。でもベタつかずサラリと甘い。品があるなぁ。そして香りそのまま瓜瓜しい。

後味まで一貫して爽やか甘さが続き、苦味や雑味が出てこない。若干の発泡感がその甘さを最後に切る。全体としてのバランスが非常に良い。そのキレイさ故に一本調子な印象もあるのがちともったいない。

温度が上がるとちょっとだれるなー。前述のとおりの爽やかさが消えると、ちょっと甘さが残りだす。
冷えてるうちのサッと飲むのがよろしいようで。


普段の食事と合わせてたんですが、取り立てて良くもなく悪くもなく。
冷えが収まるとイマイチになる点や微発泡なこともあるので、乾杯にきゅっと飲むのが理想的なのかもしれません。

あんまりいい感じに書いてませんけど、美味しかったんですよ。サクッと四合瓶が空きましたし。味の調子と温度への耐性を考えると、四合瓶が適量でございました。適量がさっくり飲めるんだから、やっぱりいいお酒なんです。
(スペックを明かさないという姿勢に物申したいバイアスが、如何とも拭い去れないなぁ)







ロ万 かすみ 生原酒 25BY
花泉酒造合名会社
アルコール度数 18度


下妻市 すずき酒店で購入。

2014年4月16日水曜日

超王祿 純米 無濾過 本生

ちょっと前に銀座の君嶋屋さんで試飲して美味しかった超王祿。その時は生詰でしたが本生を見つけたので購入してみました。

生詰の記事:
外飲みメモ:惣誉・隆・乾坤一・新政・王祿・澤屋まつもと@銀座 君嶋屋さん


超王祿。以前は超辛純米として販売されてたもので、2013年6月に名前が変わったそうです。
この辺りの話は、王祿酒造さんのHPに書いてあります。

ちなみに昨年の春は、超辛純米時代の新酒を飲んでます。

王祿 超辛純米 無濾過生原酒 春季限定出荷 24BY


王祿って、全量瓶貯蔵で蔵元で熟成させて、飲み頃になったら出荷するって聞いたことがあります。だからこの本生もBYが書いてないからいつののなのかよくわからない。24BYなのかなー、新酒なのかなー。超辛純米の頃は限定出荷で新酒って書いてあるから、スタンダードなランクのこのお酒は新酒じゃないかなー。

余談ですが、日本酒の製造年月って微妙な内容だなぁと思ってます。この表示は酒税法で義務付けられているものですが、蔵から出荷する、つまり製品ですよとなった時点の年月なのです。なのでBYとも関係ないし、当然絞った年月でもないわけです。

農作物から作るものですから、当然その年毎に出来栄えも変わってきて然るべき。その差を見せない技術(造りとか熟成とかブレンドとか)もあるでしょうし、毎年違う味として出す個性もあると思うんですよね。それは消費者にとってもお酒を楽しむ大きな要素だと思いますから、国酒だなんだ言うなら、もう少し酒の価値を正しく伝えることにも目を配ればいいのにと思っています。まぁあのややこしいフランスのワインの法律とかがいいとは言いませんけど、あのおかげでビンテージを楽しむということの価値に裏付けがなされてるとも思うんですよね。


閑話休題。

まぁともあれ開栓です。

濃い香り。香ばしさを含む、濃くても凛とした香り。

濃いなぁ。ふっと甘さが顔を出すけど、すっと鎮まりビターさが余韻。超辛純米の頃から思ってますが、ビシビシ刺激が来るから辛口だねぇって感想になるのですが、旨みもたっぷりの濃醇な味わいは辛口って言葉が不向きな気もしてしまいます。まぁこれって淡麗辛口ってコマーシャルに毒されてるわけですが。そういう意味でも、辛口ではなくて王祿を超えていくという「超」というブランディングは好感が高いと感じます。

舌の上では酸味が主張し、甘酸っぱいから甘さの味だけ抜いたという感じかな。甘酸っぱい雰囲気は残ってるんだけどなあ。香りにだけあるのかな?


稚鮎ポン酢。
鮎の苦味と王録の苦味の組み合わせが素晴らしい。王録の味の強さは魚を選ぶ印象があるけど、川魚は良いのかも。まぁこれは海産ですがなにか。

鶏バジル
いいですなー。脂と油とバジルの香りがザクッとまとめられる。
肉と王録は安心と信頼。


温度が上がると甘味が滲むけど、それでも甘いという印象にはならない。旨みが豊かになり、味の一体感が増す。常温まで上げなくてもいいけど、涼冷え程度が一番好みでした。
ぎゅっと旨みが詰まった塊が、口の中で解けて溢れかえるという一連の波が心地よい。

美味いなぁ、やっぱり。






超王祿 純米 無濾過 本生
王祿酒造有限会社
精米歩合 60%
アルコール度数 15.5%


つくば市 たがみ酒店さんで購入。

2014年4月14日月曜日

墨廼江 純米吟醸 中垂れ 25BY

墨廼江の限定酒、中垂れです。

僕は2010年の9月にこのお酒を初めて飲んでまして、墨廼江にしては墨廼江らしさは残しても濃厚な味わい故に、リッチ墨廼江として記憶にあるお酒です。
震災前の墨廼江なので、墨廼江に対する前提が今よりもシャープというか華麗というか、まぁそんな印象が強かった頃だからのコメントなのです。
↑墨廼江言い過ぎ。

ちなみに当時は酒門の会限定のお酒だったのですが、最近それが外れたんだとか。嬉しい限りでございます。


そんなわけで冷蔵庫から出しての冷や冷やで開栓。

澄んだ香り。細くやや甘く、昔の印象が蘇ります。

口に含むと、あぁ懐かしいこの感触。なめらかすぎる舌触り、とろとろ。昔の印象と変わりません。ちょっとまだ冷えすぎのせいか、甘味は思ったより控えめで、米の香りがジュワッとする程度。

それでも、綺麗さに対して味の濃さが際立ちます。それもベタッとした濃さじゃなくてトロトロぷるんとした舌触りのまま。年始に飲んだ吟星四十も存分にキレイさを印象付ける味でしたが、太さが違うのが面白い。中垂れはぽてっとぷるっと、キレイでもエロいんですよ。

常温くらいまで上がるとメロン、いやマスカット系の香りが伸び、後味にはほんのりとキレの良い辛味も。甘辛バランスよく、冷えが収まったくらいがたまらない。熟したメロンとかで感じる舌を刺激するようなピリピリ感が心地よく響きます。甘辛混合の美味しさですなぁ。


ローストビーフ。
常温近くの甘味が湧いた温度だとよく交じる。もう少し冷たい頃はとぶつかるかな。

自家製の夫妻肺片。
辛さに交じると酒の旨みが一層よく判ります。食べ物のためのお酒ではなく、これが主役になるなぁと。


気がついたら一升空いていました。
うーん、なんだろう、一升瓶飲めちゃうなって思いながら飲むならまだしも、気付いたら空いてるって本当に始末が悪い。美しくて美味すぎるんですよ、ほんと。







墨廼江 純米吟醸 中垂れ 25BY
墨廼江酒造株式会社
精米歩合 50%
アルコール度数 16度


取手市 中村酒店さんで購入。

2014年4月12日土曜日

雁木 純米 鉱山貯蔵酒 11BY

毎度のことではありますが、君嶋屋さんでマニアックなお酒を分けて頂きました。八百新酒造さんのH11BYの純米酒です。

平成11年って、1999年。えぇ、2000年代じゃないんですよ。いやはや、よくぞ寝ていてくださいましたという一本です。

ちなみに八百新酒造さんの雁木は奥さんの好きな銘柄でして、もちろん僕も好きなお酒。力強くともキレイな印象が残る良酒と存じております。

タイトルの銘柄には雁木と書いてますが、そもそも雁木というブランドが生まれたのは2000年。このお酒は正確には雁木じゃないんですよね。ラベルにも雁木とは書いてませんし。まぁじゃあもう一つのブランドの錦乃誉なのかと言えばそういう話でもなく。
まぁ便宜上、雁木と書いておりますので、普段の雁木とは違うものということでお願い致します。
というか、ここまで書くなら雁木と書かなきゃいいだろって話ですが、八百新酒造さんと言えば今の名代は雁木ですからねぇ。困った困った。


前振りはこれくらいでして、開栓でございます。冷蔵庫から出しての冷や冷やで開栓。

冠頭を外すと貯蔵の跡が。歴史を物語っております。念のため、ティッシュでよく拭いてから開栓。見た目ほど汚れてなかったんですけどね。



紹興酒のような薫りをふりまく。きっちり冷えててもこの存在感。熟々しております。

味もその風情。渋く、立ち香で感じる旨みを、味の中に探したくなるような枯れ具合。
舌の上で転がすと、ムンとする香り。旬は過ぎた、枯れた味なんだけど、まだなにか色気がある。奥さんは味見の瞬間にぬる燗がいいなと。納得。

見ての通り、素晴らしい黄金色に熟成しております。日本酒とはもう言えないんじゃないかという佇まい。



温度が上がると旨みが戻ってくる。もちろん強くなくてじわっとにじみ出るようなコク。
少なくとも常温くらいまで戻して飲みたいなぁ。っていうか、夏に開けるじゃなかったな。


3日目の熟成鯛の刺身と合わせる。
魚の生臭い雰囲気が(実際には生臭い訳ではないですけど)消え、というか魚が洗われて、そして旨みが融合する。ふむ、悪いわけがないけど、もっと強いものと合わせたくなるのは自然の流れでございます。

ちょっと飛び道具。生ハムイチジク。
なんだろうなぁ、ごちゃっとした謎の味。甘さも塩気も旨みも、みんなぼやっと仄か。
美味い、うん、難しい味。口に含み、イチジクを崩し、生ハムを解き、纏めて酒で溶く。
美味すぎる。表現できないこのもどかしさ。味って無限にあるんですねぇ。

お酒が枯れて旨みが抜けた部分に、食材の旨みがハマるということなんでしょうか、多分これは何にでも合うし、何に合わせてもこの酒の味が残る。

ともかく、これは常温、ぬる燗と、温度を上げて楽しむことに致します。



冬も終わろうかという3月。かれこれ開栓から半年経過しました。めんどくさがりはなかなかお燗で飲むことをせず、未だに試してません。が、どんな感じかなと冷たいまま飲んでみますと、えぇ、なんですかこの旨みの充実っぷりは。

空気に触れてなのか、完全に熟成した上で旨みも整っています。枯れたなんてとんでもない、フレッシュジューシー。こんなにも熟成した、醤油か味噌かって香りで、紹興酒ですか?って感じの味わいではありますが、糖分のねっとり感は当然少なくて軽快と感じる時さえあります。

冷の熟成酒、ありなんですねぇ。



ぬる燗。ようやく試します。
いやもう、確かに判りやすく旨みも香りも華やぎます。燗して旨いことは想像の範疇内ですから驚くことではありませんけど、やっぱりこういう熟したお酒は燗酒が王道だなぁと。いや、王道かもしれんけど、冷熟もいいんですよと強がりたい。



そんなこんなで半年以上かけて飲んできました。
旨みが枯れた分だけ、なにか別の味が濃くなっています。こういうのが時を飲むとか言うんでしょうね。ワインのビンテージを楽しむことに通じるのかなぁと。

同時期に旭若松の17BYも飲んでて思ったことですが、熟したお酒はお燗に向くのは当たり前だとしても、お燗をしなくても旨い熟成酒というのもあるんだなぁということ。いくつかの銘柄は冷熟という楽しみ方もあるんだと。

いやまぁ、面倒くさくて冷で飲んでるけど、ちゃんと美味しかったですよってだけのことですが。





雁木 純米 鉱山貯蔵酒 11BY
八百新酒造株式会社
精米歩合 山田錦/ヤマホウシ 60%
アルコール度数 15度以上16度未満


横浜君嶋屋さんで購入。

2014年4月10日木曜日

澤の花 純米吟醸 花あかり 25BY

お花見に来て山間を飲んでたのですが、サクッと空に。となれば次のお酒を買いに行くしかないじゃないですか。えぇ、昼から二本目に突入したわけです。

一本目が芳醇な味を選んでますから、二本目に選ぶお酒は軽快で美しいタイプにしようと。ということで、まだ飲んでない澤の花の花あかりを。

このところずっと書いてますけど、もうとにかく澤の花のクオリティが高くなってきたことこの上なしでして、本当に満足度の高い味が楽しめます。25BYは初しぼりのさら雪に続く味なのです。

さら雪の記事:
澤の花 純米吟醸 無濾過生原酒 初しぼり さら雪 25BY


香りはごくごく控え目。さら雪で感じた吟醸香はあまり感じない。
温度のせいなのか、屋外で飲んでるせいなのか、二本目だからなのか。まぁどれも少しずつ当てはまりそうなので、冷静に利いたら香りの評価は別になりそうです。

口に含むと、まず感じるのは甘酸っぱいに近い酸味。この軽い刺激が心地よく、そして後に続く濁りのない酒質がより美しいと感じられます。甘味も酸味もギリギリで軽く、行き過ぎてない。いやー、素晴らしい、心地良い。クイクイ進みます。

長野酒らしさが薄っすらとありつつも苦手な苦味なんかは感じない上質さは、さら雪と同じで今年の澤の花は僕好みであることを再認識です。満足の一本。二本目の四合瓶ですが、あっという間に完飲です。


そろそろ定番酒も飲んでみようかなぁ。




澤の花 純米吟醸 花あかり 25BY
伴野酒造株式会社
精米歩合 55%
アルコール度数 17度


取手市 中村酒店さんで購入。

2014年4月8日火曜日

山間 純米吟醸 無濾過生原酒 9号 25BY

花見でござる。お弁当を持って花見なのでござる。

うーん、やや曇り空で逆光気味。いじるのもめんどくさいのであれな写真ですが、これでも満開の午後、心地良い涼しさなのです。



そんなまったりお外で昼飲みには、濃い目のお酒が欲しくなります。ということで山間。ちょっと前に純米の7号を飲んでますから、本日は純米吟醸の9号です。

純米の7号の記事:
山間 特別純米 無濾過生原酒 7号 25BY


吟醸香は少なめだけど、甘みを含んだ優しい香り。

含むと軽い発泡感。利き猪口にもプツプツと気泡が見え隠れします。

舌の上で膨らむ味は、甘さと酸味がバランスよく、7号よりも軽やかで品が良い。5%の精米の違いが如実に現れていると感じます。

旨味はフラットな粉感。五百万石かなと思い調べてみると、掛米が五百万石。新潟ですし定番でしょうか。旨みの強さはこの蔵元の特徴なのか、麹米の越淡麗のおかげなのか。

越淡麗は名前に淡麗という文字があるのですが、母は山田錦なんですよね。なので実際は結構芳醇になるんじゃなかろうかとか思ったり。うーん、越淡麗だけのお酒ってちゃんと飲んでない気がしますから、いまいち特徴を掴みきってません。鶴齢の越淡麗とか飲んでみようかなぁ。

全体の味を見てみると、7号は美味しかったけどやっぱりちょっと重いという感想でしたが、この9号は好みのバランスで非常に美味しかったのです。

ともあれ、昼からサクッと4合瓶を空けてしまったわけでして、まったり昼下がりにお似合いのお酒でございました。







山間 純米吟醸 無濾過生原酒 9号 25BY
新潟第一酒造株式会社
精米歩合 55%
アルコール度数 17度


取手市 中村酒店さんで購入。

2014年4月6日日曜日

ゆきの美人 純米吟醸 活性にごり生酒 25BY

ゆきの美人の活性にごりです。

ゆきの美人は美味しいお酒だと思ってますが、やや香りも甘味も強すぎて瓶で買うことはほぼない銘柄。そうだとしても、このブログにまだ登場しなかったのというのは意外でございます。

そんなゆき美の活性にごり、楽しみですねーって書きたいところなのですが、このお酒は数年前に飲んだことがありまして、いやはやちょっと論外に美味しくなかった経験があります。普段のゆき美は、美味しすぎることはあってもまずいことはないんですが、本当にこれだけは別物の印象。不思議に思ったものでした。

さてそんな話を酒屋さんにしてたところ、今年の活性にごりそんなことなくて美味しいよと。それならばというお話なのです。


よーく冷やして一気に開栓。かなりの発泡感です。これだけお酒を飲んでれば、発泡モノの開栓にも慣れてくるわけでして、こぼすことなく無事完了。でもこれはなかなかハードルが高い部類じゃなかろうか。

香りは穏やか、強くない。そして吟醸香はほとんど感じない。発泡酒なのにここまで香りを振りまかないのも珍しい気がします。冷えてても香りは押し出されるんですけどね、普通。

口に含むとなんともドライ、甘くない。米の粉っぽい旨みが後味。舌触りからのどごしまでさらさらと落ち、もたつく様な感覚は一切ない。濁りの度合いと味、特に甘味の印象がズレてて、いい意味で裏切られて心地よい。

少し温度が上がっても、温度の印象が変わらない。冷えが収まっても冷たい印象が残ったまま。
これは夏向きのお酒だなー。


数年前はなんであんなに美味しくなかったのかなぁと、しみじみ思い出しながら美味しく頂きました。とくに甘さが抑え目のこの味は、食中向きなりづらい発泡系の中では秀逸な食中酒だなと。我が家のシュワシュワラインナップに加わって欲しいなぁ。来年も美味しく出来ますようにw




ゆきの美人 純米吟醸 活性にごり生酒 25BY
秋田醸造株式会社
精米歩合 55%
アルコール度数 15度


取手市 中村酒店さんで購入。