2013年10月24日木曜日

麓井 吟醸 輝ら星の如く 生詰原酒 ひやおろし 24BY

2013年の冷卸第9弾は、愛するお星様、麓井の吟醸、輝ら星の如くです。

吟醸の生詰原酒は去年も飲んでますが、ひやおろしの頃じゃなくて11月出荷のもの。今までの感覚では年末のお酒なんですよね。ひやおろしの記憶がないんです。

そもそも、もう何年前だろう、10年以上前のことですが、輝ら星はある年のベストワンだったんです。その時も年末だか年明けだかに飲んでまして、その時期の印象が強く残ってるんです。

というわけで、秋に飲む輝ら星、どんな感じでしょうか。


冷蔵庫から出しての冷や冷やで開栓。

柔らかな吟醸香。夏酒よりは香るけど、静かに、そして米の香りと絡み合った風情。

口に含むと、苦味をほんのり湛えたトロッとした舌触り。舌の上では米の旨みが横たわる。

生酛だねぇと思うとキレイな乳酸だなぁレベルでしょって雰囲気になるし、キレイな酒だなぁと思うと生酛らしい奥行きが沸き立つ。
ズブズブの気難しい味ではなくて、人にも料理にも寄り添う味でございます。

記憶の味と比較すると、華やかさがちょっと足りないかもしれない。もう少し吟醸香が香るし、それをまとった旨みがジュってなる記憶。
その反面、温度の変化で味が変わりにくく、飲み続けやすい味わいとは奥様の言葉。なるほど、だからそんなにグビグビ飲んじゃうんですね。


秋刀魚の刺し身と合わせる。
ふむ、ねっとり脂との相性はよいけど、これ以上ない組合せとまではいかない。

砂肝のコンフィと合わせる。
これもなかなか。でもコンフィの強さに対峙するには、ちょっと旨みが物足りないかも。



3日目。
いろいろ削ぎ落とされて味が固まった印象。
熟成とはまた違ったコク、濃さ、苦味があって、生酛の真骨頂が味の骨格として、でも前面にしゃしゃり出ずに隠されている。


今年初の鍋。海鮮鍋。
鍋にしたものの熱燗をするのはめんどくさい、というか我が家の熱燗はストーブを出してから湯煎するのが定番なので、今日の所は生酛のコクで張り合ってもらう。

魚出汁のコクを溶かしこみ、それでいて麓井の味は消えない素晴らしい相性。白身だったり秋鮭だったりとの相性もいいけど、それ以上にスープ本体と合う。スープは味噌仕立ての濃厚海鮮出汁でして、発酵物と魚介が良い日本酒に合わないわけはないのは自明でして、まぁ参考にもならない当たり前の話ではありますがw



非常に飲みやすく、だからといって単純単調な味ではなくて、生酛の旨みもしっかりある良酒でございました。でももう少し、年末まで置いておくと、更に充実の華やぎまで加わることを知っているわけでして、ちょっと今飲むのは勿体無かなぁなんて思ってしまいます。

でも、軽快とは違う飲み飽きなさ、料理との合わせやすさは、充実の麓井とはまた違った味わいとも言えるわけで、夏から秋の変化を体感するには面白い時期でもあります。

こうなると、年末の味のり最高潮でも飲まなきゃいけないなぁと思うわけでして、今から楽しみなんであります。








麓井 吟醸 輝ら星の如く 生詰原酒 ひやおろし 24BY
麓井酒造株式会社
精米歩合 50%
アルコール度数 18度


取手市 中村酒店さんで購入。

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