実は数年前、専務の健太郎氏と酒席を共にさせて頂く機会に恵まれまして、その御縁で今回お邪魔するに至ったわけです。
垂水市の市街地から車で10分少々。緑豊かな山に入ってちょっと行くと、木々に囲まれた中に蔵はあります。
蔵が復活して、そしてこの蒸留所を開いてちょうど10年とのこと。
奥の建物が仕込み場。この写真を撮ってるところから左に行くと貯蔵庫。
仕込み場の正面。焼酎蔵でも杉玉って作るんですね。
整然とカメが並び、その奥に蒸し器や蒸留器が並んでます。蒸留器は2機で、左は常圧と減圧が切り替えられるタイプ、右は常圧専用だそうです。蒸留器は管の長さとか形を始め様々な要素で味わいが変わるから、何台あってもいいんだとか。
ちなみに写真撮るの忘れてましたけど、この写真の左には麹室が。床麹で作れるほど広々とした部屋でした。床麹法は簡略した方法なんて書かれ方も見ますけど、場所が取れるのなら均質な製麹ができる良い方法なんだとか。なるほどー。
左端が一次仕込みのカメ。残りは二次仕込み用。八千代伝さんは総カメ仕込みですもんね。
話を伺って興味深かったのが、中村酒造場さんでは一次仕込みも2日目くらいからボコボコするよって聞いていたけど、八千代伝さんでは一次は静かに静かになるようにするんだとか。ところ変わればですね、いろいろな技があるんだなぁと。
芋焼酎ってあんまり寝かさないと思ってましたからびっくりな規模です。まぁ寝かせる時間はいろいろですけど。
僕が焼酎を飲み始めた頃はちょうど焼酎ブームが来始めてた頃なので、焼酎の中心は芋焼酎だと思ってた部分があるんですね。
でも話を伺うと、芋は麦や米と違って澱粉量が少ないからコストがかかり、結果的に芋焼酎だけを作って経営をするのは多くの蔵で難しい時代があったんだそうです。
そんなことから現金化するのも早くしたくて、寝かすよりも新酒を売るとなって、それが芋は新酒の文化にもつながっていったんだろうと。
最近は焼酎ブームのおかげもあって、いろいろなことをやる蔵も増えてきて、だからこれからは芋の寝かしや原酒も面白いそうです。
他にもこれからの焼酎のあり方であったり、マーケティングだったり、ほんと興味深く、また刺激を受けるお話を色々させてもらいました。まぁ内緒ですけど。
あと八千代伝さんでは数年前から原料の芋の栽培も始められてます。ぜひぜひ今度は芋が育つ時期にお邪魔したいものです。
そうそう、ちょうど蔵に到着したときに、吉行(よけ)前杜氏にもお会い出来ました。焼酎好き、そして八千代伝ファンにとっては神様のようなお方です。でもとても気さくにお話させて頂きました。光栄でございます。
杜氏といえば、2年前に名杜氏のあとを引き継いだのは専務の弟さん。今日は生憎お会いできませんでした。杜氏代表賞おめでとうございます、と直接言いたかったですけどね。でもまぁまたの機会を楽しみにすることとします。えぇ、またお邪魔する気まんまんでございますよ。
八千代伝酒造さんは蔵の見学を受け付けていらっしゃいます。あたりまえですけど予約してくださいませ。
美しい山林の中にある蔵ですので、自然を楽しみつつ伝統のお酒を見学するのも楽しいと思いますですよ。
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