2013年3月12日火曜日

王祿 超辛純米 無濾過生原酒 春季限定出荷 24BY

実は初めての新酒の王祿。

王祿自体はこれまで何度か飲んでますけど、蔵元で美味くなるまで寝かして出荷するから当年のお酒って見なかったんですよね。でも新酒の時期、ちょっとだけはあるんですね。知らなかった。


冷蔵庫からのキンキン冷や冷やでスタート。

香りは穏やか。あまり感じない。
アタックから喉越しまでピシピシくる。喉を通った後もジンジンと刺激が残る。超辛のとはこれのことかと納得の刺激が口中をいじめまくります。

この時点で、熟成した時の旨味の片鱗がわかりやすくありますなぁ。酸味のような、独特の味わい。この酸なのかなんなのか、いや酸なんですけど、今の時点の酸味としてどうこういうよりも、ほんとこれが花開くことがひとつの指標になるんじゃないかと思う旨味の元でございます。

その旨味の元があるから、今の時点でも全体的に濃い旨味の乗った味わいと感じる。新酒だけどものすごくパワフルな旨味。でも余韻は短く切れ味もよい。
舌の上ではおよそ新酒とは思えない強い米の旨味。甘さじゃなくて苦味と土の香りのようなそんな強さ。


H16BYの王祿の純米と並べて飲む。
そのうち書くと思いますが、実は今我が家には貴重な王祿の純米の16BYがありまして、ちびちび少しずつなめてんるんですよね。で、久しぶりに王祿を買うかって思ったので、出来るだけ同じスペックにならないかなぁと純米を選択したわけでして。16BYは超辛とはついてませんけど。

面白い、味のベースとなっている旨味の元の甘みは確かに同じ。でも深さが違う。カラメルのような光沢がまだ新酒にはないなぁ。なんでしょうか、漆器なら新酒はまだ塗りが少ないと言いますか。16BYには幾重にも塗り重ねられた艶や深みみたいなものを感じますなぁ。えぇ、漆器なんて普段使いもしませんけど、いいじゃないですか、適当にそれっぽく例えてみても。

旨味の複雑さもまた面白い。新酒でも単純な旨味や甘みではないんだけど、寝かすことでしっとりと交じり合う、腑に落ちるっていうのはこういうことなのかも。

それにしても16BYの余韻の長さはすごい。16BYを飲んで24BYを飲んでも、その余韻は残ったままで流れない。

純米、という部分のスペックを揃えて比べて思うのは、蔵の純米に対する姿勢はぶれないなぁと実感する。普段飲む本醸造とはまた違う存在感。どっちが良いという話じゃないけど。


秋鹿や凱陣と同じ方向性を感じる。でも秋鹿と凱陣の違いを考えるときにも感じるんだけど、濃くて、そして甘みと苦味のバランスが良いタイプという共通項はあっても、それでもなおそれぞれの個性が際立つという点が一番の共通点と言いますか。




ちょっと寝かせて4日目。痺れる濃さと切れ味は変わらず。
空気に触れたせいなのか、香りが開いたような、こう味の広がり方といいいますか、なんか勢いがよくなってる気がする。

四川麻婆豆腐と合わせる。辛さとせめぎ合う。流すというより混じって口の中が旨いという感じ。
辛さに負けない旨さはまぁいいんだけど、マリアージュ的な感じとはちょっと違ったかな。
迫力あるお酒だからなぁ、何と合わせると一番言いんだろう。カニとかどうだろうか、って書きながら思ったけど、普段カニ食べないからなぁ。

とかとか今更考えても既に瓶は空。まだまだ王祿と付き合うには、拙者勉強が必要ですなぁ。





王祿 超辛純米 無濾過生原酒 春季限定出荷 24BY
王祿酒造有限会社
精米歩合 60%
酸度 2.6
日本酒 +9.8

つくば市 たがみ酒店さんで購入。

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