2013年3月14日木曜日

黒龍 本醸造

すっごく久しぶりに黒龍を瓶買い。スタンダードな本醸造です。

関西に住んでた頃、黒龍は日本酒を頑張ってる居酒屋の定番というか基本銘柄の一つだと思ってました。まぁ既にかなり昔の話ですけど。なのでその頃に結構飲んでましたが、いやいや何年ぶりだろう、というか本醸造はあんまり飲んだ記憶がない。あの頃よく見て飲んでたのはいっちょらいだったなぁ。


冷蔵庫からのキンキン冷や冷やでスタート。

香りは穏やか。ほんのりとメロン系の香り。

アタックの柔らかさは昔の記憶のまま。穏やかに始まる旨みが舌の上でほどけると、ふわふわと淡い甘みが浮いてくる。喉を通った後はほんのり綺麗な酸がじわじわと口の中に残る。
甘さの控えめ感は愛する五百万石。もう少し甘みが欲しいってくらいギリギリ手前で止まってくれるから杯を重ねてしまうですよ。

でもまぁ冷え過ぎと開けたてはまだ硬いから、旨みは一歩物足りない。甘みがほんのりで旨味にまでいかないといいますか。もう少しゆるゆる飲んでいくべきですな。

温度が上がると乳酸系の旨味がいつの間にか出てくる。最後をピリリとアルコール感が引き締める。アル添バンザイ。上手なアル添は旨みを殺さずキレを足す。アルコール感があるといえばまぁそうだけどさ。

ブリカマと。塩と脂の香ばしさが、穏やかなお酒にアクセントを加える。黒龍と魚、やっぱりよく合うなぁ。



二日目。実はこれ、珍しく一人で飲んでるんですね。奥さん出張でいないんで。黒龍は美味しいことは認めてても奥さんの好みじゃないから、普段はめったに買わないんですよ。まぁとてもやさしい味なので、濃い味派の奥さんの好みじゃないのはそうかもですけど。

好みの話といえば、学生時代、日本酒を飲んだことないから飲んでみたいって人には、必ず黒龍でスタートしてました。このお酒を美味しくないって言うなら、まぁそれはそもそも日本酒に合わない人なんじゃないかと。で、物足りないといえば濃い方へ、ちょうどいいというなら旨口方向、甘いといえばキレがきつい方向と、その後のお酒の指針を知るのに最適だったんですよね。なので僕には中庸のお酒でして。



そんなわけで二日目でもまだまだ残ってますからぐびっといってみます。

昨日より旨みが出てる。あぁ燗上がりしたときみたいな旨味の出方だなぁ。結構空気で華開くんだ。
書いてて気づいたんですけど、確かにラベルには熱燗までOKと。そりゃ本醸造ですもん、飲み方は幅広くです。

牡蠣の燻製と合わせる。煙とオイルを包み込む優しさ。全く牡蠣の味を損なわず、緩めて融かして増幅して、口の中が至福。

それにしても、雑味がない。アルコール感も今日の方がない。というか、ほとんどない。最後の締めにだけ、軽い刺激として残ってるだけ。これを以って辛口というのはどうなんだろうなぁってくらい、キレのための絶妙な辛味。優しいから旨みのおかげで甘みが強いと思いがちだけど、最後のキレは健在。

いやー、最近飲んでなかったけど、やっぱりいい酒だなぁ。



3日目。今のところ今日が一番旨い。

最後のアルコール感のすらなくなり、恐ろしく綺麗に消えていく。甘くなり過ぎない甘みとコクのお陰で物足りなさは全くない。

冷蔵庫から出してすぐの冷や冷やなのになぁ。足りないものがない。コクの裏にあるほんのりとした酸が、昨日までの辛さの代わりに全体を引き締める。

しめ鯖と合わせる。作りたての生々しいしめ鯖の脂を綺麗に流す。流すというより、まだまだ冷や冷やなのに脂が溶けこむ。うまいなぁ。優しい味だからキツイ味とは合わせたくないなと思ってたので、大変よろしい相性でございました。



4日目は休肝日だったので5日目。

ここまでいくと、ちょっと旨味やアクセントが足りなくなってきてる。まぁちょっとしか残ってなかったけど、出来ればこうなる前に飲み切ったほうがもったいなくないですな。もしかしたら温度を上げればそうでもなかったのかな?


数日にわたって一人酒をしてみましたが、やはり癖が強くなくて、基準の、基本の酒であると再認識。やっぱりたまには飲まないといけんですなぁ。




黒龍 本醸造
黒龍酒造株式会社
精米歩合 五百万石 65%

取手市 中村酒店さんで購入。

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