2013年8月5日月曜日

八千代伝 白、飲み方を探る

八千代伝の白。もちろん何度も飲んでるんですけど、家でじっくり飲むのは実は初めて。大体お店でロックをぐびっとやってましたから。


まずは味見のストレート。
香りは甘く立ち上るけど、透明感があるというか、つるっとした印象。果物のような爽やかさも奥に。
口に含んだ第一印象は、整った甘さ。精緻でスマートな。関西のおばちゃんが言う「シュッとしたおにいちゃん」みたいな。
香りの爽やかさの元は後味に出てくる。柑橘系とかみたいなさっぱりわかりやすいのじゃなくて、イチジクとか柿みたいな、ちょっと絡みつく味の果物がほんのりと、ふわっとまとった感じである。この味わいが奥行きを出してくれるんだけど、果物の感じと相まってキレはいい。

しばらく続けると舌に残る辛味。これは何で消えるかな?お湯より水な気がする。


ロック。
甘さが膨らむ。余韻は更に短くさらっと消える。ストレートのときにあった後味の辛味が立たなくなる。
冷たさによるシャープな印象は、もともとの端正な味わいによく合う。常温よりも完成度が高い味に感じる。ただ、冷えすぎてくると味自体を感じにくくなるのに加えて、冷えすぎた日本酒と同じようにちょっと気になる苦味が出てくる。程々の量で溶け切らない、冷え切らないうちに飲まないといけんですなぁ。
しかしこの分だと、水割ではパンチがなくなっちゃうかな?まずは濃い目にするか。


6:4で水割り。
いやいや、負けない旨さ。麦のような香ばしさ。
でもちょっとスッキリしすぎる。キレイすぎるというか、上品すぎる。優しすぎるというべきか。
優しさを出すならお湯のほうがいいのかなー。


5:5の水割り。
あーもったいない。美味しいけどいろいろ大事なものが溶けちゃってる。ちょっと足して飲もう。


ここまでの結果から、冷たく飲むなら、前割りが良さそう。冷たくしてちょっと角を立たせて、それでいて水で割って上品にするかな。


5:5のお湯割り。
軽い刺激となる辛味と、しっかりした芋の味。でも輪郭が整ったスマートな佇まいは変わらない。ぼんやりせず、ツルッとしてるけど、喉に落ちるときにパンと弾けて湧き立つ香り。

芋の甘さは香りにあるんだけど、それとは別に果物のような爽やかさもあって、後味のキレはこれに由来するのかな。ストレートで飲んだ時に感じたものが、もう少し出てきたのかな。イチジク、柿、うーん、梨とか。

舌で転がすと海藻系の旨味が出てくる。強くはないけど一癖腰を入れるような旨味。

冷めると膨らみが物足りなくなって、少しバランスが崩れる。冷たい、もしくは常温で飲むなら、やっぱり前割りやが良さそう。

お湯割り自体は美味しいけど、このお酒にベストかというとちょっと悩むなぁ。


八千代伝さんの定番シリーズでは、千代吉が一番好きで、次に八千代伝の黒なんですよ、個人的には。でも、白は白で細面の美しさが楽しめるから、人に薦める時に外すわけにはいかない。結局全部かいって話になりますけど、まぁいいんですよ。美味しいのは事実ですから。






八千代伝 白
八千代伝酒造株式会社


つくば市 スドウ酒店さんで購入。

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