久々の秋鹿の吟醸、速醸もと。玄関に二時間放置で常温に戻しておいた。
2012年4月の上槽で、こんなに熟成感がある不思議。でも重たくないんだよなぁ。
香りはほんのり。口に含み、香りを鼻に抜くとむせ返る程の香りがするのだけど、直接香ってもほんのり。
アタックは優しい。すぐに口中に広がる米味、米香。喉を通した後も、発泡感のような刺激と共にじわじわと米味が残る。
イカワタ焼きと合わせる。脂の嫌な部分だけを流して、コク味を足してくれる。
イワシの生姜煮と合わせる。濃い目の醤油味が薄まらずにマイルドになる感じ。こういう効果もあるのか。まさにマリアージュ。
しかし秋鹿は山廃もとでも速醸もとでも基本の味が変わらないなぁ。なんだろう、山廃だけど秋鹿だねとか、速醸もとだけど秋鹿だねとかとかそういうことではなくて、秋鹿は秋鹿の味だなぁと。
もちろん、香りの感じや後味とかには速醸もとらしいいい意味の軽さ、綺麗さがあるんだけど、そして多分寝かしたら山廃とはまた違うんだろうけど。
…
一週間ちょっと寝かしてみた。冷蔵庫だけど。
喉越しが優しく、心地よかった刺激がなくなってる。物足りないかと思いきや、味のついた水と言いますか、旨味のある水といいますか。アルコールの感じが嫌な人に飲ませてみたいなぁ。カッと来る感じが全くなくて、なんか旨いものが喉を通り過ぎていくですよ。
温度が上がってくると、刺激が復活。つまりは、キンキンに冷やすと旨味だけが残り、温度が上がるに連れて旨味に加えて刺激が増してくる。
燗上がりの手前の温度でも楽しめるのに、その温度でも不足がないというのが秋鹿クオリティ。
じわじわ温度を上げて味の変化を見ていくと、一番変わるのは芳ばしさみたいな部分。温度が上がるにつれて、樽酒の樽香のような味わいと香りが増してくる。乳酸の香りだけじゃなくてこの芳ばしさがあるから奥深いのかなぁ。
秋鹿 純米吟醸 山田錦 無濾過原酒 23BY
秋鹿酒造有限会社
精米歩合 山田錦 60%
酸度 2.7
アミノ酸度 1.5
日本酒度 +6
大洗町 酒舗おそのえさんで購入
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