2013年2月28日木曜日

鳳凰美田 純米吟醸 芳 瓶燗火入れ 18BY


お店で寝かした5年もの。超貴重な一本です。

昨年、3年寝かした鳳凰美田の愛山で飲み会をしたんですね。このブログを始める前なので書いてませんけど。
以前、中村酒店さんが鳳凰美田の亀の尾を2年寝かせてたんです。それがすっごく美味しかったから、自分でも好きな愛山のお酒でやってみたんですよ。

一応写真だけ。左から20BYの瓶燗火入れ、22BYの本生、23BYの瓶燗火入れ。正確には3年じゃないんですね、蔵で1年半、自分で2年ちょっと。



で、そのきっかけとなった亀の尾の他にも、今回の「芳」も同時に寝かしてたとのこと。一年くらい前に、そういえば芳はどうなってるだろって味見したんですね。僕もご一緒させてもらったんです。
そしたらなんともスカスカな味で、芳は熟成に向かないのかってとても残念でした。

ところが最近、そのまま寝かされてたコヤツを中村酒店さんの奥様が飲んでみたところ、美味しいんじゃない?ってことでして、僕らも味見をさせてもらったんですよ。そしたら1年前の味の無さはどこへやら。あーこりゃいけるわってことで、一本分けてもらいました。


さてさて冷蔵庫から出して開栓。

あれ?店で飲んだ時より穏やか、と言えば聞こえもいいが、腰がない。うーん、あのボトルが奇跡の一本だったのかなぁ。
あ、でもお店の瓶は開けてから少しは時間が経ってるわけだし、開けたてとは違うか。

となればエアレーター。空気に触れさせてみます。おお、近づいた。腰が入った。

それでも香りは穏やか。アタックもはんなり、可愛い味。穏やかになった甘みが喉を通ると、苦味のような旨みに変わって舌に残る。開けたてはこれがなかったからヘタった印象だったんですね。
鳳凰美田らしい華やかさはちゃんとあるんだけど、年月がそれを主張しなくなってる。奥ゆかしい味、という印象と共に、味の奥行きも増えたなぁと。口の中で長時間楽しめるですね。ジュワジュワと米味を引き出すように舌で味わえます。美味いなぁ。


スペアリブの豆鼓蒸しと合わせる。



中華と美田はやはり良い。いつもの美田より穏やかな分だけ豆鼓の香りが引きたつし、脂とがっぷり四つに組むくらいの華やぎはちゃんと残ってる。


温度が上がるとさらに試飲した時に近づく。試飲したときは冷蔵庫直後だったから、開けてからの時間がコクを増したんだろうな。

若水って、どこか硬いままというか、甘みの割に輪郭がぼやけない印象なんだけど、五年も経つとその輪郭から粉を吹いてるような感じも出てくる。喉に落としたあとにほんのり痺れる後味が、そのほどけた輪郭の残滓なのか。

しかし日本酒の熟成は奥が深いなぁ。





鳳凰美田 純米吟醸 芳 瓶燗火入れ 18BY
小林酒造株式会社
精米歩合 若水 55%
酸度 1.4
アミノ酸度 0.9
日本酒度 +4

取手市 中村酒店さんから強奪w。


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