墨廼江の山田錦です。
年に一度のお約束みたいなものなのです。山田錦のお酒は甘さが気になることが多くて積極的に選ばないんですが、いくつかの銘柄は年に一度の山田錦の出荷を楽しみにしています。
墨廼江もその一本でして、ドライというか透き通った独特の味に、いつもより少しの甘みを加えている印象なのです。
冷蔵庫から出しての冷や冷やで開栓。
すっと立ち上る吟醸香。心地よく、味わいを期待させる香り。
含むと山田錦らしい豊かな旨みと甘み。でも墨廼江のスルッと舌の上を駆け抜けるような凛とした風情が、全体の印象は清廉なままにする。
後味はウリ系の青さが少しとコメのじんわりとした旨み。アタックと後味の差が面白い。
マトウダイのカルパッチョ、イチジクソース。
イチジクの甘みが米由来のビターさを引き出してよく合う、と言うか新しい味が出てくる。混じり合うとチーズのようなコクにも。
ちなみにイチジクは最近ハマってる蓬莱柿という品種。
イナダのコロナメ。
ころなめは、コロコロナメロウの略。まぁ勝手に呼んでるだけです。一般的なナメロウはかなり細かくというかねっとりになるまで叩くわけですけど、これは1cm角程度に切った身をナメロウみたいな味付けの味噌で和えただけのもの。
お手軽で、ナメロウほどズブズブな飲兵衛ツマミにもならず、我が家の定番料理です。
味噌とプリプリの身、染み入るなぁ、日本酒が。素晴らしマッチング。味噌を溶きほぐし、ジワリと身の味が味噌の香りを纏った状態で絡み合う。
タイとイナダの刺身。
墨廼江に、皮目の炙った香りが溶け込み、更に脂が追い打ちをかけ、最後はさらりと消える。
今回のタイは身が厚く脂の乗りもよく絶品なんですけど、それを支えられる、邪魔をしない、引き立たせるスマートさが墨廼江にはありますなぁ。
イナダもさっきまで生きていたもの。プリプリの強い食感なので、そこそこ薄めに切った方が美味しい。
スーパーとかで売ってるイナダにあるような匂いはもちろん皆無でして、この超絶鮮度のイナダは、私的にはお刺身界でかなり上位に入ります。熟成が必要なタイプの味じゃないと思ってますし。
爽やかなイナダの香りが墨廼江に溶けて、魚と墨廼江を味わう真骨頂のような組合せ。
マトウダイのグリル。
一品くらい和な感じじゃないものと合わせる。
マトウダイが癖のない味なので、オリーブやトマトの旨みを十分に吸ってくれてます。そんなふわふわの身に墨廼江が染みこむと、酸味やオイル感が墨廼江自身のアクセントになって新しい飲み物です。飲み物っていうかスープというか。
少々味付けに変化球を使っても、ベースに海のものの香りがあれば、墨廼江は居場所を見つけてくれるような気がしています。
…
2日目。
変化は少し。ちょっと丸くと言うか柔らかくなった印象。
というか、初日が美味しすぎて結構飲んじゃってまして、2日目は1杯で終了してしまった。悔しいw
…
海のもの、特に白身魚との相性が良い印象があるのですが、やはりその記憶に間違いはないと。
素晴らしい相性を楽しむことが出来ました。
しかし一度火入れのタイミングが書いてないので分かんないんですが、これってひやおろしなのかどうなのか。まぁ少なくとも夏越しとか秋上がりとかは標榜してもいいのかな。
墨廼江 純米吟醸 山田錦 24BY
墨廼江酒造株式会社
精米歩合 山田錦 55%
アルコール度数 16度以上17度未満
取手市 中村酒店さんで購入。
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