2013年の冷卸第11弾は、奥能登の白菊の純米原酒です。
奥能登の白菊、美味しいことは知っていますが、上品とは言え、その甘さ故に我が家では一升瓶買いをしない銘柄。
ところが何故か、僕以上に日本酒の甘さにうるさい奥さんが、ちょっと気になるということで購入に至ったわけなんです。
冷蔵庫から出しての冷や冷やで開栓。
ほんのりの桃というか、うっすらと香り立つ。冷えすぎててよくわからないというのが本音ですが。
第一印象は苦く、そして旨みたっぷり。綺麗に甘い印象とは一線を画し、ビターで大人の装い。
舌にとろりと感じる優しい舌触りは、これまでの記憶通りの白菊の看板でございます。
少し温度が上がれば苦味は奥深い旨みに変わり、米の香りが強い香ばしく主張する。
僕は感じませんでしたが、奥さんは一時甘すぎるって言ってたんですね。でもまたすぐそんなことなくなったって訂正でして、温度による感じ方が揺れ動くようです。
タイの昆布締めと合わせる。
旨みの重なりが心地よい。充実の味わい。印象にある柔らかな甘み主体の味だと物足りないかもしれないけど、これくらいコッテリとした風味があると、しっかりとした味にも合わせやすい印象。
昆布締めといはいえ生魚ですが、むしろ干物とか、もっと香ばしいもののほうが合うかもしれない。
カボスを一絞り、この方が合う。酸味が濃厚な旨みをかき混ぜてより複雑な味になる。
…
3日目。
後味にアルコールが気になる。それが刺激になり、あの滑らかな優しい甘みに一癖付ける。これは好みに依るだろうけど、決して悪いわけじゃない。
サルエビの塩ゆで。
めっちゃ合う。いやー、お酒の旨みと軽い苦味、エビのミソと本体のコク、合致するなー。
戻り鰹の塩タタキ、バルサミコソース。
悪くないけど、エビには負ける。バルサミコとはベストマッチとは言えないせいもあるかも。
…
4日目。
濃さが増した。旨味が凝縮して、ビターさとのバランスが良くなった。反面、甘みは落ち着き、開けたての印象とは随分違う。
タイの昆布締め、6日目。
昆布の旨み十分の激旨鯛。苦味と旨みがよく絡んでよろしい組み合わせ。でもベストマッチじゃないなぁ。何がいいんだろう、生魚より火が入ってたほうがいいかな、煮魚とか。
…
ということで、4日かけて飲んでみましたが、最終日が一番美味しかったです。ヘタれるとかそんなことはもちろんなくて、バランスの良いオトナな味になって終着してくれました。
こういうタイプは、デキャンタすると早めにこの雰囲気になっていくのかな。もしくはエアレーションすればよかったのか。
なかなか通常では手が伸びなかった奥能登の白菊ですが、今回の奥深い味をきっかけにもう少し飲む機会が増えるといいなぁという内容でございました。
奥能登の白菊 純米 原酒 八反錦 24BY
株式会社白藤酒造店
精米歩合 八反錦 55%
アルコール度数 17度以上18度未満
取手市 中村酒店さんで購入。
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