2014年1月30日木曜日

第二回龍宮研究会

昨年9月に開催した第一回龍宮研究会、愛する龍宮を肉と合わせる幸せを堪能したのです。そして今回の第二回は、更に肉を突き詰めようということで、ジビエと龍宮をテーマに開催しました。

料理の詳細は以下の記事で。
鹿と猪でジビエを楽しむ、2014新年


本日のラインナップはこちら。
  • 龍宮 30度
  • 龍宮 美山錦 30度
  • らんかん 2011
ストックを引っ張りだしてこれば色々あるのですが、今回はお酒の種類を少し絞って、それぞれに色々な肉がどう合うのかという観点で飲んでみようということなのです。
基本は龍宮の30度との相性を。もしかしてと思ったら、美山錦とらんかんで変化をつけてみることにしました。



鹿フィレ肉のコンフィ、バルサミコ酢のソース。
ピンク色のしっとり柔らかな肉に、バルサミコ酢のアクセント。

龍宮30度の炭酸割り。炭酸のおかげで強く立ち上る黒糖のミネラルが、淡白な鹿肉によく合います。もっと青さがあってもいいかもしれないですな。

ということで、美山錦の炭酸割り。ふむ、思ったほど変わらなかった。これについては、美山錦の開封当初の青い香りが落ち着いてきたから、想像ほどの青さが無かったということもあるようです。

一転熱く、らんかんでお湯割り。おぉ、これくらい黒糖味が強いほうが、鹿肉には相性が良い。鹿の肉汁、コンフィのオイル、バルサミコ酢、らんかん、少しずつ重なる感覚が素敵です。こうやって色々な風味を重ねられるのは、この鹿肉に脂身部分がないことで主張を振りかざすお肉になってないからでしょう。肉が旨いという感覚の大部分は、脂が旨いですからねぇ。もっと赤身の美味しさも旨いの主流に来て欲しい今日この頃でございます。

結論としては、炭酸は心地よい喉越しで飲めますけど、臭みのないというか、むしろ爽やかですらある草の香りの鹿肉には、流す感覚で飲むよりも染みさせる方が美味しさを引き出した印象です。



鹿スペアリブ。
ジャーキーのような感覚の肉は、肉汁ではなくて噛んで引っ張りだす旨み。コンフィよりも干し草の香りが漂います。

龍宮30度の炭酸割り。
ビールとビーフジャーキーの様に、これが合わないわけがない。

らんかんお湯割り。
合わないことはないのだけど、やっぱり香ばしさには炭酸がよく合うということです。これはシンプルな結果ですな。



猪肉の味噌すき焼き。

龍宮30度、炭酸割り、水割りと、正に食中のお酒として合わせてみました。豚肉と龍宮の相性は、いまさら確認するまでもなくとてもよいものなのですから、猪肉とも当然合うはず。

期待を裏切りません。むしろ豚肉よりも相性が良い気がします。龍宮の懐の深さは、肉の脂と合わせることでますますよく判るんです。脂を流すんじゃなくて、取り込むという感じで混じり合う。鶏の脂だとややあっさりで龍宮が勝ち気味なのですが、豚肉だとすごくバランスが良い。そして豚肉よりも強い脂の猪肉だとなお旨いんだからたまりません。

そもそも、猪肉に合わせるお酒って何が一般的なのでしょうか。日本酒で熱燗なのかな?脂を溶かし込むような組み合わせが浮かびます。一方で、熱めのお酒と合わせると猪肉の臭いが強く立ちそうな気もしますから、冷たい龍宮で臭いは抑えても旨みは引き出すというのは、実はとても良いんじゃないかと思った次第です。

蔵元も、猪肉とは合いますよと仰ってましたが、ホントその通りでした。



猪肉の肉団子のトマト煮込み。

龍宮30度、炭酸とロックで。うん、これはロックの方が良かった。ロックの強さあるとがトマトに負けずに組み合えるという感じでしょうか。炭酸や水割りだと、こってり味わう前に流しちゃって、料理の滋味深さを引き出す前に心地よくなってしまいます。まぁその意味では、炭酸でも違う美味しさだったわけですけど。

らんかん、ロック。
この組み合わせもいいなぁ。スパイスとらんかんが良いんだなぁと。龍宮の30度は硬い舌触りから始まる、艶のあるつるりとした印象があるのですが、その印象は直線というか、まっすぐって感覚。これが、らんかんだと同じように艶があっても、球体というかとろける印象があります。もちろん度数に由来する部分も大きいのですが、それだけじゃないのは飲んだ人は理解ると思うんですよね。そんな感覚の違いは、スパイスに対して斬りつけるような向き合い方と、抱き込むような向き合い方といった違いになっている気がするのです。どちらも美味しい組み合わせだったのですが、スパイス、トマトといった味の強いものに対しては、抱き込む方が一段大人な組み合わせだったということなのです。



猪レバニラ。

龍宮30度、炭酸割り。料理自体との相性という意味では、濃い目のタレに対してはやはりシュワっとした感じが良い相性です。

龍宮美山錦、炭酸割り。同じ30度の炭酸割りでも、麹の香りがある美山錦の方が幾分丸い味わい。麹の味とタレの相性は非常に良かったです。

この美山錦、昨年8月の発売直後の味よりも、青さが落ち着きやや大人しくなった印象です。青さと炭酸の組み合わせが最高だった記憶があるため、幾分物足りなさを感じなくもないのですが、冷静に味わうと麹の味は今のほうがわかりやすくなっている気がします。
この変化は開栓してあるからなのかどうなのか、我が家の残りの美山錦を開栓するときに確かめる必要があるのですが、いや、やまんさんに行って飲むか。閑話休題。
ともかく、麹の味をもっと楽しむにはお湯割りをすべきだったのかなぁと、今これを書いてて反省中です。

龍宮30度、ロック。先述の通り、料理、特にタレとの相性では炭酸割りがよかったのですが、レバー単品との相性はロックの方が良かったです。

らんかん、ロック。同様にらんかんのロックもレバー本体との相性がたまりません。この強い旨い黒糖の味が、レバーのあの質感に染み入るおかげで、どうしてもパサッとするレバーの内部がしっとりとしたペースト状になっていくかのようなのです。らんかんすごいなぁ。



中年なのでちゃんと野菜も食べてます。ルッコラとイチゴとザボンのサラダ。奥さんの酸味の効いた謎のドレッシングが美味しい。

酸味、特に果物の酸味と龍宮は、他の黒糖焼酎と比べても一段相性が良いと思っています。
龍宮と柑橘の相性は間違いない組み合わせなのですが、イチゴと龍宮というのもなかなか面白かったのが今回の発見。柑橘は龍宮を中心に据えて柑橘を足していくという感じですが、イチゴはイチゴを中心に龍宮を足すといった感じでしょうか。龍宮を使ったソースでイチゴのデザートを作れないものかと思ってみたり。



おまけの桜納豆。
テーマがジビエなのでこの馬肉は該当しないのですが、せっかくなので3種類目のお肉なのです。まぁ桜納豆と龍宮はこれまでも散々やっていますので、探求と言うよりも箸休めだった気がします。



ということでおまけもありましたが、話の中心は5品のジビエ料理たち。今回も色々な発見がありました。いずれの料理も美味しく、龍宮との相性も予想通り、予想以上、甲乙付けがたい内容。

総括すると、龍宮の30度は料理に寄り添う最強の食中酒なんだなぁということです。あれ、めっちゃ普通の結論。まぁそうなんですが、特にお湯割りや水割り、炭酸割りなどの割水をした場合、良い意味で気配が消えていきます。食事に溶け込むと言いますか。料理をより美味しく食べるための飲み物だなぁと再確認。

一方で、らんかんの深い味わいは、どんな料理でもらんかん色に染める力があります。その存在感は、お湯割りなど割水して度数を下げても変わりません。色々な飲み方に対して良い相性の食べ物を見つけることで、より美味しくらんかん自体を楽しめるということでしょうか。

しかし龍宮はどれだけ飲んでも飽きないなぁ。まだまだ色々な楽しみが出来そうですから、この研究会は続いていくのです。

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