こちらのお店は、4,000円で日本酒飲み放題、料理その他は持ち込みという立ち飲みのお店です。好みの肴を食べながらって辺りが違いますけど、試飲会のような感覚です。
お店には冷蔵庫が2機。ここから好きにお酒を取り出して、好きな量(といっても利き猪口しか使用しちゃいけませんけど)を注いで飲むというスタイル。
ラインナップは幅広く、軽めから重めまで色々揃っています。
ホワイトボードには出てるお酒が書いてありますので、それを見て目星を付けて飲むのがよろしいようで。
この日は4人でデパ地下で買ったおつまみを持って19時過ぎに入店。豪雨のためかお客さんは先客1グループだけでした。
スタートは限定のお酒を一杯頂いて始めるスタイル。この日は鍋島と村祐でした。
後はひたすら取り出しては飲むというのを繰り返す。
自分で選ぶのはちょっと面白いところからスタートします。
福島の大木代吉本店さんの自然郷、日本酒リキュールのヨーグルト酒です。
ポンカンの甘みとヨーグルトの酸味が心地よく、後味に日本酒が香るさっぱりタイプのヨーグルト酒。新澤醸造店さんのヨーグルト酒とはまた違った趣です。美味しい。
上では知ってるかのように書いてます大木代吉本店さんの自然郷、実は飲んだことありません。なので活性にごりですが飲んでみることに。
開栓してどれくらいかは存じませんが、まだまだしっかり発泡感が残っています。やや上澄みが多かったせいもありますが、見た目の濁り具合に反して意外とさっぱりとした味。甘くなりすぎず軽快です。
こちらも知らない銘柄、長野は上田のお酒である互。
上田といえば真田ファンには聖地の一つでして、以前遊びに行ったことがあります。池波正太郎真田太平記館があるんですよね。その時はお酒を探さなかったなぁ。
あ、一般的に真田ファンといえば幸村でしょうけど、僕は父ちゃんの昌幸のファンなのです。どうでもいいか。
ともあれ、味はしっかりとした旨みと酸、長野酒らしい後味。美味しいんですが、長野酒が得意じゃない我が家では、お店のみが最適です。
以前どこかで飲んだ記憶があるのですが、細かく覚えていない高知の亀泉。
華やかな吟醸香が美しく、それでいて軽快なのは高知酒といった感じでしょうか。僕の周りの評価は低かったですけど、僕はかなり好みのお酒でした。グラスで一杯、じっくり味わいたいタイプです。
新政のNo.6。
新政は色々飲んだことありますけど、実はNo.6は初めてでミーハー的にちょっと嬉しい。
穏やかな乳酸の香りが漂い、甘辛酸のバランスがとても良い。これは食中にも向く佳酒でございます。人気なのもよく判ります。
心の酒、磯自慢。
しぼりたて本醸造は昨年瓶で買って飲んでるのですが、今年は未飲。冷蔵庫から出して直ぐのため温度が低すぎることもあり、かなりフラットな旨みが立たない味わい。うーん、もう少し時間をかけて飲むべきでしたが、それでも去年ほどの味では無かった印象です。しまったなぁ、お燗にすればよかった。
久しぶりの義侠。
記憶よりも後味が太い印象。70%精米だからかな。それがいい方向に向いているかというと、アタックや含み香に対してやや蛇足な印象も受けます。
中屋も久しぶりです。
静岡酒の中ではぽってりとした印象を持っていますが、やっぱり今回飲んでもちょっと甘さを強く感じます。静岡酒らしく酸が少なくするりと消える後味に対して、やや舌の上でモッタリしちゃうのかなぁ。
まぁこれは静岡酒に対する先入観との差分な気もしますけど、それ以上に濃く太くする味の要素のなかで甘みが目立つという点が気になるのかもしれません。
美味しいんですけど、僕にとってはお店で一杯というお酒なのです。
近年偏愛している旭若松。
これは2010BYの火入れの純米。お米はさまざまです。
もうね、醤油ですか味噌ですか、はたまたチョコですかコーヒーですかといった趣。奥深く冷で飲むにはかなりパンチがあります。
後ほど燗付けをしてもらいました。ご主人にお願いすると、適温に燗付けしてもらえます。
いやー、燗の味は更に充実。冷では見えなかった様々な味が、ガンガン湧いて出ます。
こちらは生の旭若松。2011年3月製造とあるので、瓶貯なら2010BYということでいいのかな?
生の方が熟し度合いがやや軽く、火入れに対してエロい甘さが残っている印象です。余韻の長さは生酒の方が伸びやかに強いかな。
それにしても旭若松が飲み比べられるって、いやーなかなか出来ないことですなぁ。
ご主人も、ニーズは少ないけどこういうのも要るよねって仰ってました。
花巴。名前は知ってますけど、初めて飲みます。
おぉ、甘酸っぱい。個人的には、甘酸っぱくするならもう少し軽めの方が心地よいかなと。美味しかったですけど。
ずっと飲んでみたかった、百楽門の菩提酛。
いやーこれは全く別種のお酒です。って思ったら、本当に清酒分類じゃなかった。たっぷり残った米の粒、その粒自体が酒を固めたかのようなリッチな味わい。米のデンプンが糖分に変わるというのをリアルタイムに体感するようです。あ、それってあれか、ご飯をずっと噛んでりゃいいはなしか。
まぁともかく、日本酒として飲むものとは別物のお酒でした。そしてとても美味しかったです。これも周辺ではいまいち評価だったなぁ。
飲んだことないからと奥さんが飲んでた、福島は喜多方のお酒、蔵太鼓。
すいません、そろそろ酔っ払ってきて美味しかった以上の記憶がありません。まぁ一口飲んだだけですし。
ピンク色の遊歩は初めて飲みます。
薄にごりらしい濃さと、記憶にある甘さが相まって、なかなかお腹いっぱいになる味です。
以前飲んだ時も思ったのですが、僕はこの手合の濃さ甘さもそれほど得意じゃないみたいでして、美味しくても直ぐに満足しちゃいます。
惣邑も久しぶりです。
山形酒らしいキレイな甘味とコクが心地よい。惣邑って結構地味な印象なんですけど、飲む度に美味しいなぁと思うんですよね。それで期待して買うと結構地味な印象で、自分で飲む分にはいいんですが、他の人に薦めるとイマイチ反応が良くない。決してまずいって反応をされたことはないんですけど。好きなんですよね、この突き抜けたキレイさ、スマートさ。
秀鳳もめっちゃ久しぶりです。
惣邑に続いて山形酒つながり。純米とは思えないほどのふくよかな香り。美味しいなぁ。今日飲んだ中でもかなり上位の美味しさでした。
思えば、山形酒はもっと序盤に飲むべきだったかもしれません。キレイさ以外の味を探るには、我々すでに酔っ払ってきてます。
どこかで読んだセクスィー山本酵母という言葉だけが記憶にあります、ど。
辛の字が付いている通りで、記憶の味よりも軽快です。ベースが甘いためか+15って感じはしませんけど、これくらいならまた飲みたいなぁと。以前飲んだ時は、甘さがやや目立ち過ぎで瓶で買うにはちと厳しいという印象だったのです。
川鶴、これも名前は知ってましたけど未飲。
そして今日一番の美味しいさ。終盤にも関わらず、目が覚める美味しさです。キリリとした後味は大辛口の文字のとおりですが、その手前の焦げたようなコクはオオセトならでは。充実の味ですが、同じオオセトを使った悦凱陣ほどコッテリさせないサラリとした舌触りは蔵の特徴なんでしょうか。他のも飲んでみたいです。
香川のお酒って好みなのかなぁ。7蔵しかないから制覇したいなぁとか思う今日このごろ。
杉勇は飲んだことありますが、赤福助は初めてです。
ふむ、心地良い酸が甘味を流して軽快。いい意味で棘があるような喉越しです。面白いなぁ。
長陽福娘。これも名前は知ってるけど初めてです。
うまい、めっちゃうまい。なんぞこれ、素晴らしいバランスです。しっかりとしたキレイな甘味がタップリと舌の上で楽しめるのですが、発泡感のおかげだけじゃない後味のキレが心地よく、するすると飲めてしまします。鼻に抜ける香りは爽やかで、スカッとラムネのような印象。川鶴とならんで今日の嬉しい出会いです。
琵琶のさざ浪、久しぶりです。というか2回目かな。
最近こちらの蔵の武蔵野という銘柄の写真を見て、飲んでみたいなぁと思ってた所なんですが、まぁまずは琵琶のさざ浪で予習しておけということでしょうか。
原酒らしい濃密な味わい。結構甘かった記憶がありますが、今飲むとそこまで感じず、むしろ後味のキレイさのほうが記憶に残ります。舌の上の味とのギャップという点でしょうか。ちょっと美味しすぎるから、これもお店飲みの銘柄かもしれません。
酒屋八兵衛も久しぶりです。1、2回店飲みしただけですから、あまり覚えてません。そして今回も美味しい以上の記憶がありません。まぁ美味しかったんだと思います。
本日のシメは千駒。
えぇ、もうほんと、覚えてないんですよ。美味しかったなぁとしか。役立たずです。
とまぁ、なかなかこんな風に飲み比べることは出来ないと思います。
こんなことが出来ちゃるさけくらべさんは、とても素晴らしいコンセプトのお店なのです。
こんなことが出来ちゃるさけくらべさんは、とても素晴らしいコンセプトのお店なのです。
同じ蔵の米違いとか、火入れと生の違いとか、結構比べると面白いアイテムも色々並んでいます。今回は普段あまり飲まない飲めないお酒を飲んでましたが、慣れてきたらテーマを決めて飲むのも楽しそうです。それくらいたっぷり種類はあるんですよね。今回、これだけ飲んでも半分も消化していませんし。
帰り際、ご主人と話してたんですが、嫌がらせのような電話がかかってきたりと、やっかみも多くご苦労されているそうです。まぁ近隣の日本酒を売りにするお店からすると脅威かもしれませんけど、お店のコンセプトとしては被ることはないと思うんですけどねぇ。やだやだ。
ちなみに、泥酔するような飲み方はしないで欲しい、ちゃんと水を飲んで欲しいと結構強目に諭されますが、オープン以来結構なお客さんが潰れていったためだそうです。
キツく言うと愛想がとか態度がとか言われるんだけど、言わないとみんな酔っ払ってひどいことになるからと。察して余りある苦悩です。
お店は燗付け以外は全てセルフサービス。おつまみは自分で持ち込みですし、飲んだ後のグラスは流しに運び、ゴミも全て持ち帰り。テーブルをキレイに拭いてがルールです。
日本酒好きには堪らない研鑽の場所ですから、末永く続けて頂けるように、我々客もルールとマナーを理解して楽しまねばと思った次第なのです。
次回は、もっとたっぷりおつまみを用意しておじゃましよう。
ちなみに、普段はお酒の銘柄をタイトルに書いてるのですが、ご覧の通り頭悪いくらい飲んできましたので書ききれませんでした。
(*ノω・*)テヘ
さけくらべ
新宿区西新宿1-13-7大和家ビル10階
03-5990-5444
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