我が家の黒糖焼酎と言えば富田さんちの龍宮なのですが、全くタイプが違う黒糖焼酎として愛してる銘柄の一つが長雲です。
とは言えこれまであまり瓶で買ったことがありませんでした。お店ではさんざん飲んできたのになぁ。ということで、じっくり飲むために一番橋を購入してみました。
一番橋は蔵元の息子さん(三代目)が蔵に戻られてから作られた商品で、2002年に登場。僕は2004年とか2005年頃に初めて飲んでるはずです。ねっとりとした甘さが強い印象を残していました。それ以来、お店で見れば飲んできたわけです。
ロック。
以前ほどストレートやロックの信奉者じゃなくなりましたが、この濃さ、濃密さを楽しむには、水割りはもったいない気がするのもまた事実。まずはしばらくロックでじっくりと味を探ってみることにします。
ねとっと濃い香りは記憶のまま。こんなにも黒糖がはっきりと香るお酒は、黒糖焼酎の中でもまずない。これだけで長雲ワールドにどっぷりと引き込まれます。
甘味はミネラル主体で、奄美の森の湿った空気が浮かびあがります。香りは黒糖らしさがよく出ている、ある意味判りやすいものですが、口に含んで感じるこの甘みはガラリと複雑な様相。氷の溶け具合に応じて、ピリッとスパイシーな印象から甘味苦味と色々な味が浮き立ちます。
ヒラメのたんかんソースのカルパッチョ。
意外と合わない。なんだろう、このぶつかる感じ。せっかくの一番橋らしい香りがやや浮き立って悪目立ちする。いやーん。
しゅうまい、餃子。
いいですなぁ。肉汁との相性が非常に良い。しゅうまいも、海老シュウマイよりも肉シュウマイの方が良かった。餃子よりも肉しゅうまい。うん、肉汁との相性がいいんですな。
もともと長雲に対する印象として、龍宮ほどのオールマイティー感はありませんでしたけど、こんなにも肉との相性に特化するとも思ってなかったので、ちょっと嬉しい発見。
自家製のれんこんしゅうまいとロック。
いやー、肉汁と合う合う、やっぱり合う。タイプの違う旨みが混じり合いますな。結構しつこいくらいの強い味とのほうが相性がいい。
自家製焼き鳥とロック。
最近、肉を食べる時は一番橋が飲みたくなります。すっごい良い相性。これまでは豚肉との組み合わせでしたが、鶏との相性も変わらずよい。でも正肉よりもレバーとかハツとの相性の方が更に良いことを鑑みると、やはりガツンと肉味が強い、癖が強いほうが楽しめるということのようです。
…
ソーダ割り。
いやはや、甘さが飛んでミネラルドライ。ガラリと姿を変える。うまいなー。まーらん舟のソーダにやや近い感じがしますけど、香りの残り方は長雲らしさというか一番橋らしさが出ています。
そう、香り。ロックでねっとりと浮き上がる印象とは違い、炭酸のおかげで弾けるように軽めの香りが振りまかれます。湿ってても重たくない、爽やかだけどしっとりする、面白い香りの塊なのです。
チキンビリヤニ。
肉とスパイス、これまでの印象から合わないわけがない。そして正解。黒糖焼酎のミネラルっぽい部分とカレー類の相性がいいなぁと。
龍宮も長雲も奄美大島なので、水はそれほどミネラルっぽいわけじゃないはずなんですよね。でも黒糖の扱い方がポイントなのか、どちらも共通して黒糖のミネラル感が強調される味だと思うのです。
硬い輪郭がはっきりとした龍宮と、柔らかい溶けるような印象の長雲。ストレートやロックで飲むと対極にあるような味わいなのですが、水割りやソーダ割りをすると重心にある成分が分かりやすくなるといいいますか、まぁ両者ともミネラルだなぁと。
ちなみにミネラルと言っても、喜界島とか沖永良部島の硬水由来のミネラル感とはまたちょっと違う印象を持ってるのです。このあたりの違いを、もう少し掘り下げていきたいなぁと思うのです。
…
そのうちお湯割りの研究しないといけません。長雲は元々お湯割りがとても合う印象を持っていますから、その場合の食との相性はまた別の楽しみがあるはずなのです。
長雲 一番橋
有限会社山田酒造
アルコール度数 30度
神栖市 酒蔵やまなかさんで購入。
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