久しぶりだなぁ、長珍。1年以上飲んでません。というか一昨年の正月以来なので、丸2年ですか、ご無沙汰しておりました。
愛する長珍はいつもとある居酒屋で飲んでたのですが、そのお店に行けなくなってしまってからはめっきり飲む機会が減ってしまいました。我が家の近辺では入手出来ないからなぁ。
長珍にハマったのは味のマチダヤさんで買ったワンカップなのですが、本格的にドップリになったのはこの生生なんですね。なんとも他と比べられない熟成感に、わしっと心を掴まれてしまったわけです。
冷蔵庫から出しての冷や冷やで開栓。
香りはうっすら、ほんのりビター。
口に含むと、艷やかでピチッと膜を張ったような整い方、それでいて舌にふれて膜が破れたあとはトロリと舌を覆うような舌触り。
軽く舌で弾ける発泡感は、余韻にはジトっと痛みのように走る後味になります。
華やかに甘みが立つものの、後から迫りくる苦味を帯びたコク。キャラメル、レモンピール。酸味と苦味がしっかりと骨格をつくり、口に触れた瞬間から喉に落ちた後の余韻まで、一貫した存在感の芯のある味を楽しめます。
焼き牡蠣。
まぁもちろん悪くない。悪くないけど、お酒の濃さにはちと物足りないかな。ちなみに牡蠣は塩水で洗って、水気を切って熱したテフロン加工のフライパンで焼いただけ。味付けは一切ありません。
焼き牡蠣酒盗漬け。
いやぁ、こっち。酒盗で足された旨味がたまらん。ガツンとやりあうですよ。
里芋ポテサラ。
このポテサラの美味しさは、ジャガイモのそれを超えています。ジャガイモよりも里芋の方が僕の好みということなんですけど。
ねっとりとした食感は、お酒が溶けこむのを拒むかのよう。そこをかき分けるように染み入るのはこのお酒のパワフルさのおかげでしょうか。芋の甘味も粉っぽく感じるためか、あたかも濁り酒といった風情。やや言いすぎな気がしますけど。
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2日目。
昨日より酸味が少なく、穏やかな印象を受ける。栓を抜くとまだぼしゅっとなるほどなので、まぁ変化もそれなりにあってしかるべきということでしょうか。
変わって出てくるのは吟醸香。含み香にじんわりと滲むセメダイン系の香りは、吟醸酒だったことを思い出させてくれる味です。
昨日よりも全体的に穏やか、落ち着いたことから、色々な味、香りのそれぞれが立ち上がってきた印象です。
桜納豆。
生肉のねっとりには良い相性。ピチピチ感が粘る糸を断ち切る飲み心地。昨日の味の方が相性良かったかな。
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3日目。
ピチピチ感がなくなり、つるっとした。ビターさも、ピチピチがないとやや凡庸に感じる。うーん、冷えすぎてるからかな?
飲み進めても、一向に美味しくならない。いや、正しくは単に美味しい酒、普通に美味いだけ。長珍のあの個性はどこに行っちゃったんだろうか。
サルエビの花山椒炒め。
負けるなぁ、海老味噌に。昨日一昨日なら良い相性だったと思うけどなぁ。
うーん、困った、敢えてもう少し置いてみるか、常温にするか、燗にするか。今のこの印象は、燗をつけて良くなる気もしないんだよなぁ。
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6日目。
冷え過ぎだとバランスが悪い。なんかスカスカ。温度が少し上がれば徐々にまとまりが出てきた。
この時点の味が美味しくないわけじゃないんだけど、やっぱり初日のインパクトを思うと一段落ちる印象になるのは否めないかな。
一昨年に飲んだ時は、そんなにヘタったというか変わった記憶がないんですけどね。
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終盤文句ばっかりになって誤解を招きそうですが、ずっと美味しいんですよ。でも、初日二日目は記憶の長珍の味で、それ以降のズレがなんでかなぁって感じなのです。いっそもっと長期にわたって飲めばよかったのかなぁ。
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(追記)
飲み終えたと思ってたら、ちょっとまだ残してあった。
16日目。
復活した。めっちゃ旨い。いやー、開けたての弾ける感じはなくなったものの、熟して味が苦旨を中心に纏まった。
十分寝かしてあるお酒でも、こうやって空気に触れてからの時間が別の熟成を促すから面白い。やっぱり長珍はいいお酒です。
長珍 純米吟醸 生生熟成 5055 無濾過本生 24BY
長珍酒造株式会社
精米歩合 山田錦 50%、八反錦 55%
酸度 1.8
日本酒度 +7
アルコール度数 17度以上18未満
岐阜県養老郡養老町 酒のさいとうさんで購入。
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