2013年1月13日日曜日

伯楽星 特別純米 24BY

伯楽星、特別純米、新酒。相変わらず美味しくて安心です。

我が家では、今回は伯楽星再審査会です。まぁ勝手に偉そうなこと言ってますが。

昨年、23BYの最後の出荷の特別純米を飲んで、あまりの伯楽星らしくなさに愕然としたのですよ。くどくなった酸、苦味が立つ割にコクも香りも薄くて、本当に残念で。

単に味の変化とか熟成という度合いではなく、明らかに美味しくない。好みの領域を越えて美味しくなかったことに、あの新澤さんが…、とお会いしたこともありませんが、夫婦で涙したものでした。

購入店のお酒の管理がしっかりしていることは毎度目で見て確認していますから、絶対にこれはこのロットの特徴だと思っていました。
が、まぁ所詮は素人舌のこと、日によって感じ方も違うよねと思いつつ、いろいろなアテと合わせたり、温度を変えたり、3日くらいかけて色々と飲んでみました。でもいつもの伯楽星の味になることはなくて(´・ω・`)ショボーン。

その直後の新酒のおりがらみを飲んでも別にいつもどおり美味しくて、やっぱりあれは最後のロットだからだったのかなと思いつつも、全幅の信頼を置いてた新澤醸造店さんに(勝手に)ちょっと失望したりして、2012年私的酒ニュース最大の出来事だったんですよね。

それ以来、ちょっと伯楽星から遠ざかって、というか飲むのが怖くて、もしまた期待を裏切られたらどうしよかなぁという不安があったのですが、なんだかんだ言っても愛飲酒ですから飲まないとそれはそれで調子が出ないものです。
なので、今回は再審査とか言って大見得を切って飲んでみました。


購入後2時間程度の玄関放置。穏やかな冷や冷や程度からスタート。
新澤さんのお酒は、これまでの経験から冷え過ぎると苦味が立ってしまう難しさがあるので、きっちり温度管理された購入時からちょっと温度を上げておきたいわけです。

久しぶりということもあるのだろうけど、思ったより酸が立つ。喉で感じる酸ではなくて舌と鼻に抜ける軽い乳酸。まぁこの綺麗な酸味は伯楽星の特徴なんですけど、開けたてはちょっとそれがきつく感じる。空気に触れてか、すぐに落ち着いていい意味でその存在が薄まっていく。

香りはほんのり、のはずだけど、風邪気味のせいで鼻の調子が悪いからちょっとわかりづらい。けど、うっすらと甘めのお米が香る。
まぁそんな状態で偉そうなことを言うなということですが。

味わいはいつもの伯楽星。ほんのりの酸味と米味。コクはあるけど甘さに起因しない。ほんと甘くない。でも辛口とは違う不思議な味わい。

後味は仄か。さっぱりとしてる味だけど、さっぱり消える後味とはちょっと違って静かに消えていく。綺麗な酸が、こう後味として残るというより足跡というか気配というか、そんな感じで残るだけなんですよね。
だから切れ味がよいという表現がしっくりこないなぁ。切れ味が悪いわけじゃないけど、そういう後味じゃないんだよなぁ。
キリリとした後味で締めるというのはお酒の味の一つの形なんだろうけど、それとはまた違う後味。

というか、最初から最後まで一貫した味わい、甘みへの抑制が理解できる。だから辛口って言葉じゃあらわせないんですよね。むずかしいなぁ。

アタックは意外にしっかりと味のりする。でも、コク味を感じてから喉に落として消えていくまでの時間が短いのか。上述の通り余韻がないというわけじゃないけど、未練がない消え方といいますか。何言ってんだろ。

あぁ、伯楽星を飲むとつい杯を重ねてしまうのは、この旨味の時間の短さ故ですかねぇ。この旨味をもう一度もう一度って思って何倍もいってしまうのかな。

しかしこれが山田錦ですか。甘さの抑え方がほんとうに唯一無二だなぁと。味のり、お米のコクは山田錦に由来するふくよかさがあるんですけど、決定的に甘みが少ない。以前、雑誌で一般的な糖度の半分を指標にしてるとの記事を読みましたけど、実際に飲むと実現出来ていることの凄みを感じます。

結果的に、やっぱり伯楽星は美味しいと。唯一無二の食中酒だと再確認したわけですが、今年もひやおろし以降のロットまで、24BYをじっくりと味わって変化を確認していきたいと思いますですよ。







伯楽星 特別純米 24BY
株式会社 新澤醸造店
精米歩合 山田錦 60%

取手市 中村酒店さんで購入

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