2013年1月29日火曜日

墨廼江 純米吟醸 BY1号 24BY

本当は墨廼江の年度始まりはこれからスタートしたいんですけどね。BY1。その年の始まり。

購入後、玄関放置2,3時間の冷や冷やから。

芳醇な吟醸香。瓶を開けたら匂い立つ。

濃い。味も香りも濃ゆい。なんだこれ、旨い、旨すぎる。旨いのに文句を言いたくなるなぁ。口に入れた途端に広がる旨味、香りがすぐに鼻までたちのぼる。

墨廼江の酒質はそのまま、綺麗なまま濃くなった。後味も爽やかに喉を通る。そして残る旨みと香り。

もう少し冷やしてみるか。

がっつり冷や冷やにする。香りがシャープになる。
本質的に味が乗ってるのは変わらないけど、味の周囲に膜が張ったような、緊張感がでる。刺激がほぼなくなり、つるつるという感じに。舌に残る後味が、強く米の味。ほろ苦い旨みが残る。

旨みの味わいもお米。果物とかなにかに例え辛い。華やかだからフルーツとかの面影を探してしまうけど、なかなか見つからない。



一晩おいたら懐かしの墨廼江が帰ってきた!

引っかかりのない飲み心地。ほんのりと綺麗な酸。サラリと消える後味。水みたいに綺麗というのはまさにこれのことですなぁ。
それでもまだ旨みは昔より強いのだけど、旨みと一線を画すこの佇まいは独特。

マリスさんのチーズケーキと合わせる。レモンがきつい爽やかなチーズとよく合う。甘みに頼った旨みじゃないから甘いものとも合わせられる。

クラッシックショコラと合わせる。尋常じゃなく合う。やばいなぁ。チョコの濃さとがっぷり四つに組み合うんじゃなくて、その濃さをゆるゆると伸ばしていく感じに。

タルトモンブランと合わせる。フランボワーズの酸味が酒に足される。新しい爽やかさが生まれる。


スイーツと日本酒は、美味しいスイーツの時にたまにやるんですけど、だいたいがこってり濃い味のお酒でやるんですよね。まぁチョコとブランデーとかに近い感覚で。
今回は真逆のさらさらキレイな墨廼江で試したわけですが、問題ないどころがめちゃくちゃ合った新発見。まぁいつも以上にお酒を選ぶんでしょうけどね。



しかし今回の2日目の感想、同じ24BYで特別純米を飲んだ時の翌日とは真逆。あの時は玄関に放置なので、冷蔵庫よりは冷えなかった。だからなのかな?まぁそもそも吟醸系か否かという違いもあるけど。


想像するに、きりりと冷やしてデキャンタ、エアレーション。これで昔の佇まいになるのではなかろうか。


震災以降の墨廼江は、その味のりが故に、美味しいのに以前の佇まいを失ってて、僕は文句ばっか言ってました。美味しいのに文句を言う、この理不尽さ。じゃぁ飲むなって話ですが、美味しいから飲んじゃうんですけど、飲むと濃すぎる旨すぎるって。

そもそも今のないものねだりの墨廼江への要求って、思えばBY1に端を発してるんですよね。まだ墨廼江をそれほど知らなかったころ、薄いわけじゃないけど旨味が先に立たない端正な佇まいというか、他のお酒とは明確に違うポジショニングといいますか。
濃厚豊潤大好きな奥さんからは物足りないって不評でしたけど。ともかくその印象を引きずり続けて美化しすぎて今日に至ったということなのかと。

BY1の飲み方が分かった今、墨廼江の他のラインナップ、本辛とか特別純米とかに同じものを求めちゃいけないんですよね。だめですねぇ、固執するってことは。深く反省。






墨廼江 純米吟醸 BY1号 24BY
墨廼江酒造株式会社
精米歩合 55%

取手市 中村酒店さんで購入。

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