2013年4月3日水曜日

磐城壽 純米 中汲みしぼりたて 24BY

ひらがなの磐城壽。震災後初の出荷だそうです。

聞けばこのお酒の22BYを詰める直前があの震災で、だから21BYを最後に出てなかったとのこと。それがようやく今年復活。まぁ僕は初めて頂くんですけど。


購入後、ほんのり冷蔵庫の冷や冷やからスタート。

果実のような甘みと綺麗な酸味。柑橘系の爽やかさ。
香りはほんのりと、やはり酸味を湛えた香り。

口に含んだ瞬間旨味が爆発する。おりがらみのせいもあるんだと思うけど、舌の上での味の膨らみ方がガツンと来る。ほんのりのおりのおかげですな。

最後にうっすらと米の苦味が味を引き締めてスッキリさせる。余韻はわりと短くさっぱりとした後味。


飲むと思い出す、あぁこれって磐城壽だなぁってわかる芯のある味。


蒸し野菜と合わせる。
野菜の甘みとお酒の綺麗な酸味が調和する。

蒸し牡蠣と合わせる。
やっぱりよく合う。以前も書いてるんだけど、とにかく塩味潮味との相性がいい。スイカに塩じゃないけど、潮気がお酒の甘さやコクを引き出す感じが強い。
まぁ海の男酒って書いてますから、そもそも山のものとは合わせようと思ってないあたり、ステレオタイプでございます。



3日目、熟した。開栓した時よりより冷えてるはずなんだけどなぁ。熟々。
甘み絶好調。芳醇。ものすごく上品なまま、ジューシーさだけが増してきた。

なんだろう、乳酸の感じはあたごのまつの薄濁りと近しい印象かな。

全体的には爽やかな綺麗な酸だから、甘さと相まってカルピスとかそんな感じ。いや、ネタじゃなくて乳酸発酵飲料系なんですよ。どこか懐かしい感じはそのせいなのかな。
カルピスサワーとかみたいに、そんなにお酒を飲み慣れない人でも手が出るんじゃないかと。

燻製牡蠣のソテーと合わせる。
甘さと酸味が塩と煙を抱き込む感じでよく合う。



6日目、最高潮。
今日で飲み終わったんですけど、いや最後まで濃厚。ちがう、最後になってすごい味のり。爽やかさと濃さの絶妙な状態。いやー、一番美味い。ここにきてもう一伸びあるとは、脱帽のクオリティ。

ちなみに今日も冷蔵庫でキンキンに冷えてる状態。全然固くないし冷えによる苦味もない。強いお酒なんですねぇ。


さて、少しずつゆるゆると飲んできたんですけど、開栓後もダレるどころかぐんぐん旨味を増していく凄さ。次回飲むときはエアレーターで日にちを進めるのを試したいですな。






ちょっと余談。

磐城壽との出会いは、実は震災のちょっと前にあった酒の会
その時のコメントが残ってるんですけど、
いやー、美味しい。今回の試飲会で一押しでした。
全く名前も存じ上げない蔵でしたが、個性と旨さがとても同居しています。
純米、純米原酒を冷/燗で味わってきましたが、熱冷どちらも満足なお味です。
口に含んだ印象は結構古いタイプの味わいなのですが、その後広がる香りと旨みは最近のお酒らしい綺麗さで、純米にも関わらず余韻の綺麗さは特筆モノです。
こういう知らないいいお酒に出会えると、試飲会が楽しくなるですよ。
だそうで。まぁ書いたのは自分ですけど。
で、こりゃー今後注目やなーって思ってた矢先に震災。

その後のご苦労は、復活の蔵としてよく取り上げられてますから周知の通り。



昨年は随分と注目を浴びたそうです。復活復活って。
でも今年はもう陰りが出てるんだそうです。結局、ブーム的に捉えた酒屋さんは、もう今年になると取引が続かないんだそうですね。

震災云々をおいても、磐城壽はとても美味しいお酒だと思ってますから、変にシンボリックな扱いを受けるとちょっと悲しくなります。だって流行りは、本当の味や美味しさに関係なく廃れますから。そして流行ったものって、往々にして正当に評価されなくなる危険性をはらんでますから。

でもそんなことをただの酒飲みが思っても関係なくて、それでも売れたほうがいいんですよね。蔵を買い取られた経緯とか条件とか色々なことを耳にすれば、ほんととにかく売れたほうがいいと思うんですよ。


そんなちょっと悲しい話を聞いたあとでも、このお酒は美味しいんだから素敵です。


磐城壽 純米 中汲みしぼりたて 24BY
株式会社鈴木酒造店長井蔵
精米歩合 65%

水戸市 地酒蔵きなせさんで購入。

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