芳のH18BYの時に少し書いてますけど、鳳凰美田の愛山と言えばかつて熟成を試した愛するお酒。
そんな愛山の大吟醸の原酒。荒ばしりと押切りのブレンドです。試験醸造品ってあるけど、なんの試験でしょうかねぇ。気になるなぁ。
冷蔵庫から出しての冷や冷やで開栓。
立ち上る豊かな香り。やっぱり芳しい美田香。温度の低さも相まって、ちょっと線が細いかな。細いってかくと印象悪いな、上品ってことで。
口に含む。爽やか。後味も軽い。鳳凰美田は大吟醸になるとぐっと上品さが増すんだけど、これはそれとものちょっとちがって妙に軽やか、静かな綺麗さというより弾む綺麗さ。
でもしっとりとした愛山らしい甘味、品の良い儚げな甘さはちゃんと残ってるんだけど、なにが違うのかなぁ。余韻が短いのか。物足りないってことじゃなくて、引き際が美しいってことなんですけど。
そしてそんな特徴以上にフルーティーさが際立つ。柑橘系の酸味と、なんだろう、梨とスイカ。スイカの青さと梨のみずみずしさ。舌の上で膨らませると、洋なしのようなこってりとした味わいも。
奥さんは洋なしかなーっと懐疑的でしたけど。
荒ばしりと攻めのワイルドさはキリッとした味わいに消化されてて、味として荒かったり雑味だったりは全然感じない。そりゃまぁ大吟醸ですから。
ちなみに、僕は大吟醸の攻めって楯野川で初めて飲んだんですね。もう数年前のこと。大吟醸のいいところと、どうしても上品になりがちなアタックや喉越しを絶妙に刺激してくれる面白さで、それ以来大吟醸の中取りじゃないとこって好きなんですよ。まぁ単に安いからって話もありますけど。
そういえばこれはおりがらみ。でもおりがらみというほどのおりは見えない。一晩置いたら沈むかな?
しかし切れ味がいい。辛味や苦味でのキレじゃなくて、味そのものが精緻で整ってるからもたつかないという感じか。だからキレという言葉はちょっと違うかな。
温度が上がると薄っすらの酸味が引っ込んで、米由来の甘さがシンプルに出てくる。甘くて味わい自体は濃いんだけど、どこか爽やかさがあってスッキリするから食中酒にできる。
刺身と合う。以外と言うと失礼だけど、栃木は海なし県仲間。魚と合う印象は特になかったからなー。
それにしても疲れない美田はほんといいなー。なんか普段のをディスってるみたいやけど、そういうことではないんですよ。
…
2日目。
冷えすぎて硬いけど、その分吟醸味がよく分かる。
刺激は全くなくつるつる。冷たさ故のほろ苦さが最後に。温度をあげよう。
温度が上がると米味。1日目と変わらない。完成されているからか、空気に触れさせてもさほど変化しない。熟成に向くのか向かないのか、悩ましいお酒ですなぁって何で熟成させる話が基本になるんだろ。
結局2日で完飲。このクオリティで3,000円ってすごいなぁ。そして乾杯にも食中にも使える万能選手。線の細さが食べ物に対する懐を深くしたから、普段の鳳凰美田よりも幅広く楽しめたですよ。
鳳凰美田 大吟醸 本生原酒 愛山荒押合併 24BY
小林酒造株式会社
精米歩合 愛山 45%
佐野市 上岡酒店さんで購入。
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