2013年6月20日木曜日

松の司 純米 無濾過生原酒 木桶仕込 24BY

松の司の木桶仕込です。

なんて、松の司をよく知ってるように書き始めてますけど、松の司を瓶で買うのは初めてです。何故だったんでしょうか、めぐり合わせなんでしょうね、お店で飲んだことは何回かあるのになぁ。

ということで、君嶋屋さんで松の司初心者なんで面白いの教えてって選んでもらった内の一本。今年のものです。スタンダードなものから選べないあたりが天邪鬼というかなんというか。


冷蔵庫からの冷や冷やで開栓。

香りは穏やか、あまり立たない。というかかなり薄い。

口に含むと、軽い刺激と供に、旨味がジュワジュワと出る。
立ち上がりの印象は非常にキレイな酒と感じるんだけど、後からぐんと旨味が湧いてきて、味としては強く後味も濃厚。そんな風に結構口の中で暴れるんだけど、喉に落とした後は綺麗なお酒やねぇって序盤の印象が顔を出してくるから面白い。

そして結構辛い。辛いけど骨太な旨味があるからナタで斬られたような鈍い痺れが続く。鉈で指を切った経験ならありますけど、あれって切れ目がきれいじゃないから痕が残るんですよねーって関係ないですが。

鉈はともかく、山田錦だけど甘さを抑えて米の芳ばしい味が強い。生酛らしさが全面に出るというより、生酛だからこの味が出来ましたっていう手段としての生酛って感じなんでしょうかね。

あと木桶だからある程度香りを中和してくれるのかどうなのか。一般的に木桶は杉だと思いますが、桶自体が若ければ木の香りが移るんだけど、これはそういう感じが強いわけじゃないし。

吟醸じゃなくて、生酛、木桶ってあたりのせいなのか、記憶の松の司よりも旨みが乗って濃い味を感じる。でも、思い返すと舌触りが妙にスマートというか美しくて、キレイなお酒よねーって思うから素敵。



2日目。
昨日より香りが立ちあがり、木の香りもわかるようになった。
甘さも出てきて、生酛純米とは思えない優雅な佇まい。純米吟醸を飲んでいるみたいな錯覚に陥るなぁ。

温度が上がるに連れて酸味が少し強くなり、同時に甘みが影を潜める。生酛感がもにょもにょ浮き上がってくる。常温くらいまで上げても美味しいだろうなぁと思いつつ、待ってられずに飲んじゃう。

乳酸系の酸味と供に、別の酸味もあって爽やか。でもなんだろうなぁ、これ。最初は柑橘系?って思わなくもないけどちょっと違うなぁ。



2週間。
気が抜けたと言えば聞こえは悪いが、それくらい穏やかになった。それでもほんのり舌に残るピリピリ感。酸味の中に木の香りがほんのり。

タイの昆布締め4日目と合わせる。ワサビも醤油もなしの炙り。昆布の香りと木桶の香りが深いところで絡み合って新しい味になる。ねっとり濃厚な香りに変わる。

温度があがって酸が香り高くなる。美味いけど旬が過ぎた、少し物悲しい味。引っ張りすぎたかな。


四合瓶にしては長々と飲んできましたが、味の変化に対して、木桶の香りのホロ苦さはずっとこのお酒の芯にあって、それが味の奥行きになっていた。すてきな味わいでございました。







松の司 純米 無濾過生原酒 木桶仕込 24BY
松瀬酒造株式会社
精米歩合 山田錦 65%
酸度 1.9
日本酒度 +6


横浜君嶋屋さんで購入。

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