年に一度のお楽しみ、武勇の蔵の旬。
随分昔のことですが、蔵におじゃました時の記憶が間違ってなければ、大吟醸酒と吟醸酒の底のおりがらみのブレンドのはず。なので特定名称は精米歩合の低い吟醸となるわけです。
ちなみに早瀬浦の浦底は、同じようにタンクの底のおりがらみを集めたものですが、純米をキーワードに集めたもの。武勇の蔵の旬は、吟醸というキーワードで集めたものということです。
ちなみにラベルにはかすみ酒って書いてますけど、つい蔵の旬って呼んでしまいます。かすみ酒って名前が付いたのは、去年だか一昨年だか。それまでは蔵の旬だったんですよねー。
もう飲み続けて数年なので、癖が抜けません。
ついでに記録を探ると、瓶が透明になったのは3年前の21BYから。かすみ酒って名前にはまだ馴染めてないですけど、透明な瓶はコンセプトと似合ってて変更当初からお気に入りです。
さて、余談はともかく開栓です。冷蔵庫から出しての冷や冷やでスタート。
開けると共に爽やかな吟醸香。よく冷えてるのに香るなー。
口に含むと綺麗な酸と共に抜ける香り。武勇の活性諸白でも爽やかさは感じられるのですが、こういう酸味とはちょっと違う。
そもそも武勇は厚さが大きな特徴で、米の旨みがどっしりって感じ。爽やか武勇は新酒ならではのもの。活性諸白が始まりの味なら、蔵の旬は終わりの味と言ったところでしょうか。
それにしても、おりがらみとは思えない透明感。これは冷たいうちだけかな。
徐々に温度が上がると、おりと共に味わいにも濁りが。豊潤なコメの濁り。硬くて綺麗か、解けて豊潤か、どっちも捨てがたい。
普段のお酒で冷え過ぎると出てくる苦味が、これでは温度が上がるにつれて感じられる。いつもの酒とはちょっと違う感じ。なんでだろうな。おりの味が強いのかも。
鯛の昆布締めの炙りと合わせる。冷たいうちが特に合う。綺麗な酸と昆布の香りの相性がとても良い。
普段武勇は濃厚な旨味が食事を支える、そんな合い方だと感じてたけど、蔵の旬は爽やかさによる合い方になるから、ほんとお酒は楽しい。
…
翌日。香りはちょっと落ち着き、食中酒としてはむしろこれくらいのほうがいいかもしれない上品さと味わい。
…
ちょっとだけ、1週間くらい置いてみました。
丸い。綺麗といってもキリリとした部分があったんですけど、正に角がとれた感じ。その分爽やかさはなくなるから、どっちがいいかは好みでしょうなぁ。
そして味わい自体が、乳酸が強くなりヨーグルト感。普段の武勇より酸は立ってたと思いますが、これはその酸味が分厚くなった印象。決して酸が突出するわけではなくて、重厚になって、それがコクになってるということでしょうか。
蔵の旬って、もう一回飲むには(味も値段も)ちょっと贅沢やなーって毎年思うんですけど、でもやっぱりもう一回飲みたいってなると、もうその頃は売り切れてるわけです。
まぁほっとかれませんよね、美味しいお酒は。今年はどうしようかなぁ、そろそろ夏酒始まるしなぁ、と悩んでしまいます。
武勇 吟醸 生酒 蔵の旬かすみ酒 24BY
株式会社 武勇
取手市 中村酒店さんで購入。
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